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韓国では、日本による「ホワイト国除外」を機会に、「第2の独立」気構えで自らの道を切開くと与党の院内代表が発言している。大に結構な話だ。いつまでも日本を頼りにせず、「産業的な自立」を図るという。それと同時に、日本のことを忘れて欲しいものだ。日本と聞けば、異常なまでの闘志をかき立てることを止めて貰えれば、日本の受けるストレスはそれだけ減るに違いない。

 

『中央日報』(7月31日付)は、「反日を越えて克日で美しい復讐を準備しよう」と題するコラムを掲載した。筆者は、元国会議長の鄭義和(チョン・ウィファ)氏である。

 

(1)「 我々の歴史を振り返ると、隣国にはあまり恵まれていないようだ。東アジアの代表的な大陸勢力である中国、唯一の海洋勢力である日本が順に韓国を苦しめた。韓半島(朝鮮半島)の地政学的な位置が我々をそのような運命に向かわせたのだろうか。しかし我々の責任も大きい。旧韓末に迎えた受難は特にそうだ。当時の執権層は古い思潮にとらわれて世界史の激変を読み取ることができなかった。国の富を増やすことも、国家の防備を強化することも怠った。政治力も外交力も国防力も弱かったため国を維持できなかった。結局、恥ずべき36年間の日帝強占期を迎えることになった

韓国では、日韓併合時代を「日帝強占期」と呼んでいる。この時期を恥ずべきものとしているが、日本が文明開化で欧米から学んだ制度や知識を「移植」するまたとない機会であったはず。韓国には、こういう角度の分析は絶対に許されない。「親日派」として退けられている。この冷静な分析を許さない韓国の「狂気」が、反日の原動力である。

 

韓国が、朝鮮動乱を経て急速な発展を遂げたのは、日韓併合における近代化準備と戦後日本の支援の結果である。悔しいと思うなら、「韓国近代化過程」を研究すれば明らかになる。要するに、韓末から現在まで、日本と深い関わりの中で成長発展してきた国が、朝鮮であり韓国である。この認めたくない事実を認めることが、「韓国自立論」の大前提だ。決して韓国は、自力で発展してきたのではない。日本の掌の上にあった国である。

 


(2)「5年前、筆者は東京で安倍首相に会った。当時、「日本内部の和も重要だが、北東アジアで韓日間の和も非常に重要なので、信義の中で和の形成に努力してほしい」と注文した。「和の文化」を建国理念としてまで強調する日本の自省を促す言葉だった。当時は両国首脳が会うのも難しい時期だった。当然、日本は正しい歴史認識を持たなければいけない。自ら認めることは認めて完全に整理しなければいけない。ヴィリー・ブラント元西ドイツ首相は在任中、ポーランドの首都ワルシャワの戦争犠牲者碑石の前でひざまずいて謝罪した。その誠意ある行動一つでポーランド人の胸中のしこりは消えた。もし安倍首相が韓国の象徴的なところを訪問し、誠意を込めて謝罪をすればどうだろうか

誠意を込めた謝罪は、パフォーマンスだけではない。戦後の日本が、韓国に対して差し伸べた支援の手こそ、謝罪の証である。韓国経済は、日本の技術と資本でここまで発展できたのだ。だから、「ホワイト国除外」で恐慌を来たしている。この事実こそ、日本の掌の上にあったという動かしがたい証拠である。

 

(3)「過去を忘れるわけにはいかないが、そこに閉じこもってもいけない。韓日はお互い信頼をさらに築かなければいけない。いま韓国政府がすべきことは先頭に立って反日感情を煽ることではなく、国民の克日精神を呼び起こすことだ。反日フレームは国論を分裂させるだけであり、国益と韓日関係の未来にプラスにならない。日本に対する憎悪を深めるのではなく「美しい復讐」を準備しよう。我々の知恵を集めて実力を高め、日本よりはるかに競争力のある魅力的な強国をつくる必要がある。世界のどの国より正しく清廉で品格の高い社会を築くことが求められる。そうしてこそ本当に日本を克服し、東アジアの新しい平和と繁栄の花を咲かせる主役になれると信じる」

日韓関係をここまで破綻させたのは、文在寅(ムン・ジェイン)氏だ。自らの出世欲が招いた結果である。文氏に経済知識があれば、ここまで日本を敵視することもなかったであろう。たった一人の経済に無知な大統領が出現したことで、過去70年余にわたる歴史の積み重ねが、2年間で破綻した。恐ろしいことである。