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韓国のTHAAD(超高高度ミサイル網)設置は、中国の報復を招いた。この結果、中国へ進出した韓国企業は、軒並み苦戦を強いられた。韓国政府は、WTO(世界貿易機関)へ提訴すべきところを断念し、泣き寝入りを余儀なくされた。日本への対抗とは全く状況が異なる。

 

現代自・起亜車は、中国の被害者である。ただ、すべてが中国政府の報復によるものでなく、経営戦略の失敗も指摘されている。若者に人気のSUVの発売が、スムースでなかったなどの失敗も指摘されている。中国市場での回復が困難と見た現代自・起亜車は、心機一転してインド市場で巻き返しを図る計画だ。日本のスズキ自動車は、中国を完全撤退してホームグランドのインド市場に全力投球である。現代自・起亜車も、インドで「二匹目のドジョウ」を狙うのか。

 

『朝鮮日報』(8月11日付)は、「現代・起亜自、中国での生産量20%減、インドが生産拠点に浮上」と題する記事を掲載した。

 

現代・起亜自動車が、海外の主要生産拠点を中国からインドへとシフトする動きを加速させている。

 

(1)「韓国自動車産業協会が11日に明らかにしたところによると、今年上半期の現代・起亜自の中国工場での生産台数は計441560台で、1年前の554629台に比べ20.4%減少した。現代自が288060台で23.9%減、起亜自が153500台で12.8%減だった。今年下半期も同様の傾向が続くとすれば、中国での年間生産台数は100万台を下回る可能性が高い。これは2010年(104万台)以来10年ぶりの低い数値で、最大年間生産能力(270万台)の3分の1にとどまっている」

 

現代・起亜自は2017年、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備に反対する中国の報復以降、中国市場で販売不振から抜け出せずにいる。このため今年初め、最も老朽化した現代自の北京第1工場と起亜自の塩城第1工場の稼働中断を決めていた。

 


(2)「中国での生産台数が減少した一方で、インド工場は急速に生産台数で中国工場との差を詰めている。現代・起亜自インド工場の上半期の生産台数は351837台で、1年前に比べ1.1%増加した。中国とインド工場の生産台数の差は、上半期が89723台で、昨年上半期(206561台)の半分ほどに縮まった。現代・起亜自のインドでの生産台数が、近く中国での生産台数を抜くとの予想も示されている。インドでベニューやセルトスなど相次いで新車が発売される上、年産30万台規模の起亜自のインド・アナンタプール工場が稼働し始めたからだ」

 

(3)「現代・起亜自は、70万台規模の現代自・チェンナイ第1、第2工場と合わせ、インド国内で年間100万台の生産体系を保有することになる。現代・起亜自の関係者は「起亜自のグローバル成長史において重大な転換点となるインド市場の成功に全社の力を集中させている」と話した」

 

世界最大市場の中国からインド市場への中心軸移動には、「中国敗北」というイメージがつきまとう。ただ、中国市場の需要が飽和状態であることも事実だ。外資メーカには逆風であり、傷が深くなる前にインドへ主力を移すのもやむを得ない選択だろう。