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中国経済は、不動産バブルによる高価な住宅を「買わされた」後遺症が、消費に重圧となってはね返っている。家計債務の増加で、新車を購入する余力がないためだ。

 

『日本経済新聞 電子版』(8月12日付)は、「中国新車販売4%減、7月、13カ月連続マイナス」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国汽車工業協会は12日、7月の中国新車販売台数が前年同月比4.3%減の181万台だったと発表した。6月の約10%減に比べると改善したが、13カ月連続で前年実績を割り込んだ。米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速で購買意欲の落ち込みが続いており、需要の低迷は長引きそうだとの見方が強まっている」

 

大型個人消費の柱である新車販売が不振を続けている。7月は前年比4.3%減。13ヶ月連続のマイナスを続けている。自動車の普及率が天井圏に達していることから、買替え需要が出ない限り、マイナス記録は続くであろう。

 

(2)「7月の販売実績は、国内の約半分の地域で新しい排ガス規制が導入されるのを前に買い控えが起きた6月に比べると改善した。ただ「不動産関連の支出や借金の圧力が強く、自動車購入に大きな影響を与えている」(乗用車の業界団体)、「生産や販売が全体的に落ち込む傾向は根本的に変わっていない」(汽車工業協会)などと業界内では厳しい見方が大勢だ」

 

過去の販売不振時に、減税により需要を喚起してきた。これは、需要の「先食い」である。家電も同じような運命を辿り、今は「鳴かず飛ばず」の状態に陥っている。不動産バブルも、住宅需要の先食いである。中国経済は、すべて需要の先食いであった。GDPもしかりだ。

 


(3)「7月の新車販売の内訳は、8割強を占める乗用車が3.9%減の153万台だった。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など新エネルギー車も4.7%減の8万台にとどまった。中国政府が新エネ車への補助金を6月から最大5割程度減らした影響が出たとみられる。企業別では民営大手の浙江吉利控股集団が24%減で3カ月連続で20%を超える減少幅だった。EV最大手の比亜迪(BYD)も17%2カ月ぶりのマイナスに転じた。欧米系ではゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社である上海GM18%減とふるわなかった」

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民営大手の浙江吉利控股集団が、24%減で3カ月連続の20%を超える減少に陥った。吉利は、これまで強気経営で拡大してきたが、明らかに失速している。吉利のオーナーは、習近平夫人の妹を妻にしており、その縁で事業拡張が進んできたとの見方もあるほど。

 

日系車は、燃費の良さが消費者から受けて販売台数を伸した。

トヨタ 8.3%増 13万9100台

ホンダ 9.4%増 11万5950台

日産  1.4%増 10万8343台

 

トヨタは、これまで長く日系車トップの座を日産に譲っていたが、今やその差を広げている。トヨタは、中国市場の深掘り作戦として、HV(ハイブリッド車)の技術を無料公開する積極作戦を展開している。自社の販売好調を武器に、民営系メーカーとの協調関係を強めている。