a0070_000030_m
   


戦時中の旧徴用工賠償問題は、遺族が憲法裁判所へ訴願する事態になった。日韓基本条約で,日本の支払った無償3億ドルと借款2億ドルを対象に、徴用工遺族が条約に沿った分配を求めたもの。韓国政府が分配すべきものを「横領」したという認識である。

 

韓国大法院(最高裁)は、日本企業への支払い判決を下したが、それは誤りである。韓国政府が日本の支払った賠償金を払わずにいた以上、韓国政府の責任である。大法院は、文大統領の意向を受入れた政治判決である。韓国憲法裁判所がどのような判決を下すか見守りたい。

 

『朝鮮日報』(8月15日付)は、「強制徴用被害者遺族、『日本から受け取った請求権資金、私たちの分をください』と憲法訴願」と題する記事を掲載した。

 

日帝強占期に日本軍に連行された強制徴兵の被害者遺族が1965年の韓日請求権協定で韓国政府が日本から受け取った対日請求権資金のうち、被害者の分が支給されないのは違憲だとする憲法訴願を申し立てた。

 

(1)「日帝の強制徴兵による被害者の遺族83人は14日、「大韓民国政府が受け取った対日請求権資金で遺族に補償する内容の立法を行わないのは違憲だ」とし、憲法裁判所に憲法訴願を申し立てた。原告が主張する対日請求権資金とは、韓国政府が1965年の韓日請求権協定で日本から受け取った5億米ドル(2億米ドルの借款含む)を指す。当時韓国政府が日本に要求した8項目の補償リストに「戦争による非徴用者の被害補償」が含まれていたにもかかわらず、強制徴兵の被害者にいかなる補償もなされなかったというのが原告の主張だ」

 

(2)「韓国政府は強制徴兵による死者、行方不明者には2000万ウォン(約174万円)、負傷者には2000万ウォン以下の範囲で慰労金を支給した。だが、慰労金ではなく、立法を通じ、強制徴兵被害者の被害程度に応じた補償金を支払うことを求めた格好だ。遺族らは「強制徴兵された被害者は対日請求権資金に対する直接的な請求権を持っているにもかかわらず、政府は被害者に(補償金を)支払うことなく、経済協力資金として使ってしまった。国が強制徴兵被害者の命の価値を横領したものだ」と主張した」

 

韓国政府は、徴用工遺族が大法院判決を「悪用」して、請求されている面もある。韓国政府は、すでに「慰労金」名目で支払っているからだ。原告側は、「慰労金」名目でなく「補償金」として払えという理屈付である。これは、実質的に「二重取り」となる恐れも強い。

 

大法院は、無料3億ドルが「補償金」でなく、「経済協力金」という名目と解釈した。だから、日本企業は別途、「賠償金」を払えという判決だ。こういう経緯を見ると、今回の原告側は大法院判決を「悪用」しているとも見えるが、法的には筋が通っている。大法院判決に逆らったものに見える不思議な訴願である。それにしても、一度は「慰労金」で現金を手にしている。今度は、名目を変えた「二重請求」である。