a0960_006618_m
   

韓国は、日本を「ホワイト国」から除外したものの、日本にとっては痛くも痒くないことが分って脱力感に襲われている。そこで、日本に対して韓国の「ホワイト国除外」を撤回させるべく、あの手この手を使ってアプローチしている。

 

日本にとっての韓国は、輸入先として見れば4.1%に過ぎず、「その他大勢」である。この韓国が、派手に日本へ対抗してしまい、困っているのが実情だ。韓国大統領府は、日本経済の実態について全く知識がなく、大慌てで政府シンクタンクに資料作成を依頼してきたという。驚くほどの「無知集団」のようだ。

 

『中央日報』(8月14日付)は、「日本、『ホワイト国除外』影響ない、韓国産輸入比率4.1%と題する記事を掲載した。

 

8月12日、韓国政府が日本をホワイト国(安全保障友好国)から除外すると発表した際、韓国と日本の相反する解釈が表明された。

「日本に対抗する措置ではない」(成允模産業通商資源部長官)。
 
「対抗措置なら世界貿易機関(WTO)違反。ただ、あまり実質的な影響はないかも」(佐藤正久外務副大臣)。

 

(1)「日本の措置が韓国最高裁の強制徴用被害者賠償判決に対する報復であるように、韓国の今回の措置は「正面対抗」という分析が出ている。実際、日本の措置の後に出したうえ、韓国政府が「ホワイト国除外など対応の措置を考慮している」と数回にわたり公言してきた。  一方で「対抗」という表現を避けたのは、WTOに提訴した際、逆に攻勢を受けるおそれがあるからだ。西江大の許允(ホ・ ユン)国際大学院長は「9月に施行する措置を『事前通報』し、いつでも2国間協議に応じることができるといった交渉の余地を残すなど手順を守ったのは、WTO提訴を念頭に置いた措置と解釈される」と述べた」

韓国は、日本を「ホワイト国除外」にしたことは、日本への「対抗」でないという。これは、「三百代言」的な逃げ口上である。日韓双方が、相手国に対して「ホワイト国除外」措置を取った以上、韓国は日本への「対抗」である。

 

(2)「韓国貿易協会によると、今年上半期基準で日本の輸入全体に占める韓国産の比率は4.1%だ。中国(23.2%)、米国(11.1%)、豪州(6.4%)に比べて割合が少ない。韓国産への輸入依存度が80%を超える石油精製品や鉄鋼は汎用であり、今回の韓国の措置を実行しても日本が代替品を確保するのは難しくない 韓国経済研究院のチョ・ギョンヨプ研究委員は「韓国は消費財を中心に日本に輸出していて、今回の措置が日本に被害を与えるのか疑問」と述べた。 一方、日本がすでに輸出を規制した半導体素材のほか規制する可能性がある機械や金属は対日輸入依存度が高く代替品を探すのが難しいため、打撃が「非対称」だ。むしろ日本に輸出する手続きが難しくなり、我々の輸出企業に被害が生じることもある」

韓国の国別輸出比率は、次のようになっている。

中国 23.2%

米国 11.1%

豪州  6.4%

日本  4.1%

 

日本の場合、韓国からの輸入は消費財が主体だ。半導体のDRAMも輸入されている。だが、次の記事で明らかであるように、いつでも他国に代替可能だという。

 


『朝鮮日報』(8月14日付)は、「
日本が昨年輸入したDRAM、韓国製は21%」と題する記事を掲載した。

 

(3)「サムスン電子とSKハイニックスの売上高に占める日本の割合は10%にも満たない。顧客企業リストにも日本企業の名前はない。韓国貿易協会によると、今年上半期に韓国が日本に輸出したDRAMは金額ベースで829億ウォン(約73億円)だ。昨年、通年でも2242億ウォンに過ぎず、韓国のDRAM輸出全体に占める割合は0.53%だ。昨年1年間、韓国が日本に93%を依存して輸入したフォトレジスト(半導体生産に必要な感光液)の輸入額(3643億ウォン)にも満たない」

 

サムスン電子とSKハイニックスは、日本からの半導体製造3素材を輸入できなければ半導体の生産が不可能である。だが、日本への半導体輸出では、顧客企業リストにも名前がないほどである。

 

(4)「日本が昨年輸入したDRAMのうち韓国製は21%だった。60%は台湾製だ。台湾にはDRAM業界3位のマイクロンの工場がある。読売新聞は13日、日本は韓国から半導体を輸入しているが、台湾からも購入可能だと報じた。一部には日本がサムスン、ハイニックスから輸入するDRAMは高性能で代替不可能だとの指摘もある」

 

日本における半導体DRAM輸入シェアは、韓国が21%。台湾が60%である。仮に韓国が日本へDRAM輸出を止めたとしても、台湾からの輸入量を増やせば済むこと。日本には、何らの痛手も受けない。要するに、日韓の貿易構造は全く異なっている。韓国が、この日本を「ホワイト国除外」にしたのは滑稽というほかない。