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日本の韓国への「ホワイト国除外」について、韓国からその撤廃を求める声が大きくなっている。この問題には、二つの原因が絡み合っている。最大の理由は、韓国へ輸出した戦略物資がしっかりと管理されていないこと。中国へ流れている件が確認されている。次の理由は、徴用工問題を巡る韓国の対応で信頼できないことが、引き金になっていることだ。

 

韓国政府は、自国に都合の良い部分だけを国民に吹き込んでいる。「反日教育」でたっぷりと「日本悪者説」が浸透している中で、政府による不買への誘導は簡単に「引火」した。こういう状況判断をすれば、反日不買をテコに日本へ譲歩を求めるのは、これまでの流れとなんら変わるところがない。

 

日本は、こういう悪弊を取り除き日韓関係を「大人の節度ある」ものにしなければならない。日本は、機会あるごとに「謝罪と賠償」を求める韓国人の「金銭感覚」を糺さなければ、日韓のゴタゴタは永遠につづくであろう。それを断ち切るには、二度とない「良い機会」である。

 

『中央日報』(8月18日付)は、「良い危機を浪費するな」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のパク・シンホン政治エディターである。

 

(1)「14日に日本製品不買運動と関連したリアルメーターの調査で最も強硬な立場を示した年齢層も20代だった。日本が経済報復を撤回しても侵略謝罪と賠償をする時まで、あるいははその後も不買運動を続けるだろうという回答が56.4%ですべての年齢帯のうち唯一50%を超えた。周辺の20代に尋ねた。なぜこうした反応が出ているのか私もまた気になった。共通点は「不当で不公正な待遇は耐えられない」だった。(中略)日本の安倍晋三首相はだれが見ても意図的に韓国を無視し「一線を越えた」という点で我慢できないといった」
 

韓国の20代は、最も虐げられた世代である。就職はできず4分の1が就職浪人を余儀なくされている。その潜在的な不満を抱える層が、政府の「反日キャンペーン」に乗せられ、不満を日本に向けたものだろう。この程度の状況判断ができないのでは、筆者の「政治エディター」の肩書きに傷がつく。

 


(2)「安倍首相が経験したことのないことがある。市民の力がどれだけ恐ろしいのか彼は知らない。ある区庁の「No Japan」の旗を1日で降ろさせ、訪韓日本人を暖かく迎えようと言いながら極端な反日を警戒する力がどうして政府ではなく一般市民から出せるのか彼は理解できないだろう。事実、韓国の青瓦台(チョンワデ、大統領府)もわからないことを日本の総理室がどうしてわかるだろうか。無知は傷ではないのだからいまからでも現実を直視すれば良いことだ。国同士の争いは国力が強い国ではなく国民の支持を受ける国が勝つものだ」

 

「NO JAPAN」の旗が市民の抗議の的になったのは、日本人旅行者が不快感を持てばビジネスに影響するという判断である。この「NO JAPAN」は、与党の首長が音頭を取っている自治体で行われている。つまり、反日=韓国保守系排除という選挙運動の一環である。

 

ここでは、「一般市民の反日が恐ろしい力を持っている」と強調しているが、彼らは日本で就職したい学生の夢を奪っていることに気付くべきだ。韓国で就職出来ない現状を見れば、「反日」がいかなる意味を持つか、一部韓国人の「生存権」を脅かしているのだ。

 

韓国の航空8社は、4~6月期にすべて営業赤字である。7月以降の「不買運動」による日本旅行中止が、航空8社の赤字をさらに増やし、従業員の解雇も起こり得る。「不買運動」は、韓国同胞の夢と職場を奪うことになっていることを知るべきだ。

 

(3)「ちょうど文在寅大統領も光復節の演説で手を差し伸べなかったか。その手を握れば良い。時代錯誤的な帝国の復活だけ夢見続ければ、ややもすると「勇み足」で終わりかねない。相撲で勢い良く相手を押し出そうとして力を使い間違えて自分が先に外に足を踏み出して敗れるという話だ。ぜひ安倍首相も外交の達人になることを望む。ボールは再び安倍首相に渡った」

今回の「ホワイト国除外」問題の原因を冒頭に掲げてある。その意味で、ボールは韓国にある。現象だけを追わず、その底流にあるものを把握するのが「政治エディター」の役割だ。職務に忠実になって、日韓のあるべき姿を分析されることを希望したい。