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韓国は、振り上げた拳の置き所に困っています。日本が、全く岩のごとく動かないためです。米国国務長官は、仲介の労を取ろうとしましたが失敗しました。韓国は、この仲介に大いなる期待を寄せていたのですが、空振りに終わったのです。これが、さらに韓国を追い詰めているようです。「米国の仲介さえ断る」日本は、これまでの日本と違うという認識を深めざるを得なくさせています。

 

韓国は、あの手この手で日本の気を引いています。

 

8月15日の「光復節」の演説で、文大統領は反日的なものを極力、抑えて冷静な内容にしました。「日本に二度は負けない」とか「盗人猛々しい」という戦闘的な言辞は姿を消しました。この演説に、日本は冷たく反応したのです。「国際的に違法判決を糺せ」という原理的なものでした。

 

韓国は、ここで国会議長の特使として19日、水面下で朴智元(パク・チウォン)議員を日本へ送ったことが分りました。自民党の二階俊博幹事長と非公式会談をすることが目的でした。非公開で夕食会合を行ったと、韓国紙『東亜日報』(8月20日付)が報じました。

 

国会議長の特使が、水面下で二階自民党幹事長と会談したところに、韓国の焦りを感じます。これに先立ち、姜昌一(カン・チャンイル)韓日議員連盟会長など議員10人の訪日団が、先月31日と今月1日、二階氏との面談を希望しました。だが、二階氏側が2度も日程を取り消して、実現しなかった経緯があります。今回は、秘密裏の会談となりました。

 

韓国がここまで焦っている理由は何でしょうか。迫り来る世界不況の足音におののいているからです。すでに、天下無双のドイツが、輸出不振で経済に打撃を受けています。このことからも分るように、韓国が米中貿易戦争に巻き込まれうるのは不可避です。米中が、韓国の輸出先の1位(中国)、2位(米国)であるからです。この米中が激突しているほかに、中国固有の事情による経済減退要因を抱えています。それだけに、韓国の対中輸出は、長期不振を覚悟するほかないのです。

 

文大統領が、いくら経済音痴であっても、ほかに少しは経済の分る人間がいるはずです。どうやら、それが国会議長の文氏のようです。大統領と同じ「姓」です。大統領の文氏と国会議長の文氏は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代、最も大統領府に呼び出されて、話し相手になった二人と言われます。

 

偶然この二人は今、大統領と議長という役回りです。国会議長の動きは、大統領の意を受けているはずです。となると、今回の水面下の議長特使は、何らかの「回答」を持ってきたとも思われます。手ぶらで、「日韓仲良くしましょう」と言ったことで来日するはずがありません。何を、携えてきたのか。興味津々です。安倍首相が、その妥協案に乗ることになるのか。それは分りません。