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中国経済は、米中貿易戦争に終息感が見られず泥沼化している。習近平氏を筆頭とする民族派が、経済運営の実権を握っている結果だ。その裏で、経済改革派は窒息状態に追い込まれている。経済改革派最後の拠点であったシンクタンクの天則経済研究所が、ついに強制閉鎖を命じられた。26年の歴史に幕を閉じる。

 

天則経済研究所は1993年に設立。約26年にわたり、市場経済や民主主義、法治の推進を訴える経済人らの拠点となってきた。当局にとって、市場経済の視点から現在の中国経済を批判されることが怖かったのであろう。現在の中国経済は、羅針盤もなく習氏の名誉欲を満たす「オモチャ」に成り下がる。

 

これで、中国に経済改革派の拠点はなくなった。今後は、無意味な計画経済論が幅を効かせていくが、中国経済の発展にとって大きな損失をもたらすことは間違いない。この中国が、米国の覇権に挑戦するという。市場経済のメカニズムを使わない以上、計画経済の無駄が今後の中国を蝕んでいくはずだ。

 

『大紀元』(8月29日付)は、「中国当局、独立系経済シンクタンク天則研究所を強制閉鎖」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国国内独立系シンクタンク、天則経済研究所(ユニルール)は26日、当局の締め付け強化で近日に閉鎖すると発表した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など複数のメディアが報じた。報道によると、同研究所は声明で、北京市当局が同研究所は無認可で運営を行っているとの判断を下したため、強制的に閉鎖されると指摘した。また、声明は「研究所は当局の決定に反対し、法の下で争っていく予定だ。その一方で、現在の活動を停止し、研究所のウェブサイトも更新しないと決めた」とした」

 

中国は、当局の見解と異なる研究結果を発表することを許さないのであろう。この社会が、世界覇権を握りたいと大真面目に考えているところに恐怖感を覚える。

 


(2)「天則研究所の盛洪所長(64)はWSJの取材に対して、中国当局の圧力に「閉鎖する以外に選択肢はなかった」と語り、「中国当局は法を以て国を治めると強調しているが、実際に当局こそ、全く法を順守していない」と非難した。天則経済研究所は1993年、北京市で、自由派経済学者の茅于軾氏、中國社會科學院經濟研究所研究員の張曙光氏、改革派経済学者として知られる盛洪氏、中国社会科学院大学院の樊綱氏などの専門家によって設立された。同研究所は、国有企業改革や私有資産の保護や法治などを主張し、中国経済の自由化と国内の民主化を促進する目的で活動してきた。また、政府機関や国有企業に対して政策や経済問題について分析・調査を行い、政財界から支持を得た

 

経済改革派のシンクタンクを強制閉鎖させるところに、中国経済の危機が接近していることを窺わせている。戦争末期の日本が、このようにあらゆる自由的な色彩を持つ機関に目を光らせていたのと状況は同じであろう。中国の「経済敗戦」は近い。

 

(3)「しかし、2003年以降中国当局は研究所への締め付けを強めた。過去2年間、当局の圧力で、研究所は事務所を複数回、移転し、同ウェブサイトとソーシャルメディアのアカウントが一時アクセスできないこともあった。WSJによると、欧米の専門家は、同研究所の閉鎖は中国当局にとって、政策決定に有用な助言を得る機会を失ったと指摘。ハーバード大学のウィリアム・カービー教授は、中国経済が悪化し米中貿易戦が激化する中、中国経済について開かれた議論を行ってきた天則経済研究所は非常に貴重な存在だとの認識を示した」

 

下線部分を読むと、中国民族派は目の色を変えて自らの反対派を弾圧する姿勢を見せているに違いない。中国当局が、精神的なゆとりを失って来た証拠だ。