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韓国は、プロの外交官や安全保障専門家であれば、絶対にやらない「GSOMIA破棄」に出てきた。感情論に基づく決定である。米国の非難に対しては、「同盟の利益」よりも「国益優先」と粋がった発言をして自己満足に陥っている。この論法で行けば、米国は朝鮮戦争で敗走した韓国を救援する必要はなかった。恩を仇で返す韓国の「非倫理性」に驚くほかない。

 

韓国政府は、内外の専門家が一斉に不安を覚える安全保障政策に舵を切った。その背景には、外交も安全保障も専門知識のない元学生運動家が、「反日米思想」だけで国家を動かしているという危険性がある。

 

『中央日報』(8月29日付)は、「『韓国は中国側に行くのか』、米国・日本の疑心強まる」と題する記事を掲載した。

 

日韓の軍事情報保護協定(GSOMIA)の終了決定で韓米同盟が根本から揺らいでいる。韓国政府は「国益」を名分に出したが、米国は「失望」と表現して「考えを変えるべき」と警告した。米国務省は韓国の独島(ドクト、日本名・竹島)防御訓練についても「問題を悪化させるだけ」と懸念を表した。これに対し韓国外交部は28日、ハリス駐韓米大使を呼んで「失望」という表現の自制を要請したが、米国は不快感を表した。米国防長官と統合参謀本部議長は一斉にまた批判した。これまでになかったことだ。さらにシュライバー国防次官補は破棄の理由を「韓国内の政治」と指摘した。韓日葛藤が韓米攻防に拡散する傾向だ。

 

(1)「2016年のGSOMIA締結を担当した柳済昇(リュ・ジェスン)元国防部政策室長(予備役陸軍中将)は、「情報交流は戦略的評価と直結する」とし「安全保障問題をあまりにも安易に考えた」と指摘した。情報は正確性・迅速性・信頼性が基本だ。それでいくつかのソースが必要となる。北の軍事活動と核・ミサイル脅威に対する日本の情報寄与は韓・米の次だ。北朝鮮情報が不足したり間違って推論すれば、韓米連合防衛体制に弱点が生じる。これを狙った北が挑発すれば最前線にある在韓米軍の危険が高まり、防衛に困難も生じる。また、日本にある国連軍司令部の後方基地(7カ所)を拠点とする連合作戦の遂行が困難になる

 

GSOMIA破棄は、完全に「素人判断」である。全く専門知識のない大統領府側近が、判断できる問題でないことを裏付けている。日韓GSOMIAを破棄すれば、朝鮮半島有事の際、日本にある国連軍司令部の後方基地(7カ所)を拠点とできないという事実さえ理解していないのだ。

 

(2)「申範チョル(シン・ボムチョル)峨山政策研究院安保統一センター長は、次のように指摘する。有事の際、迅速な情報共有が核心であるため、その枠組みであるGSOMIAがさらに重要となる。戦争状況では北のミサイルが数百発ずつ落ちる。北の潜水艦と特殊部隊が東海(トンヘ、日本名・日本海)公海上に浸透すれば日本の海上哨戒機の情報が必須だ。しかしGSOMIAを破棄すれば日本から情報を現場で直接受けることができない。米国の艦艇を経由すれば迅速な対応が難しい」

 

「86世代」の元学生運動家が、判断しそうな「GSOMIA破棄」論である。

 


(3)「インド太平洋戦略は米国の大戦略だ。韓米同盟はその中にある。韓国がこの戦略に消極的であるため、日本は韓国を排除しようとする。ロスト(lost)コリアになっている。今回のGSOMIA破棄を通じてロストコリアはさらに加速化する。韓国の安保的魅力も落ちる。こうした状況をどう挽回するかが悩みだ」


文在寅政権は、米国の描くインド太平洋戦略に消極的である。中国への配慮からだ。しかし、米韓同盟はこのインド太平洋戦略に組み込まれている。ここから離れた韓国は、中国へ身を寄せる積もりなのか。韓国国内の保守派の存在を考えれば、そういう露骨な「親中朝・反日米」路線をすぐには取りにくいだろう。こういう悩みを抱えて、韓国はカントリーリスクを高めるのだ。「GSOMIA破棄」は、総合的視点が完全に欠如し、感情論に支配されたものであることを示している。