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クルーグマン教授は、「韓国経済が危機に向かっている」とあからさまには言わなかったが、言外にそう示唆した。今年の経済成長率は、昨年の2.7%から一挙に2%割れが確実視される状況に追い込まれている。見栄を張って、日本へ喧嘩を売っている時間はないはずだ。それが、「日韓迷路」にはまり込んで、消費者心理を悪化させることばかり行い逆走している。

 

もともと、経済知識に疎い文政権である。大統領府に集まってきた元学生運動家に、正統な経済知識があるはずもない。学生時代は、マルクス経済学しか学ばなかった「86世代」だ。緊急対応が打てるか疑問である。

 

『ハンギョレ新聞』(9月9日付)は、「ポール・クルーグマン、 韓国は景気浮揚ため果敢な財政政策を展開すべき」と題する記事を掲載した。 

 

ノーベル経済学賞受賞者のスター経済学者、ポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授が、デフレーション憂慮など景気不振に対応するために韓国政府は即座に短期的な措置をとらなければならないと強調した。韓国政府は、振るわない景気を引き上げるための十分な財政余力を持っているということだ。

 

(1)「クルーグマン教授は9日、記者たちと会い「現在景気が悪く、今後の景気のためにも今即刻対応策を取る必要がある」として「韓国については長期的展望で政策スタンスを取ることより(短期的対応が)はるかに重要だ」と話した。予算と財政余力が充分にあるので、果敢で即刻の措置が必要だということだ」

 

このパラグラフは、韓国経済への危機感で満ちている。下線を引いた部分は現在、小火が起っている以上、この火消しに全力を挙げろと警告している。これを聞いた記者たちは,どういう反応なのか。この記事では窺えない。

 


(2)「彼は、韓国の最低賃金引き上げが経済に肯定的な影響を及ぼしたとも論評した。クルーグマン教授は「最低賃金の引き上げは、消費支出を増やし経済に一部肯定的な影響を及ぼす」として「ただし、その影響は大きくなく世界の景気展望が暗い時期には公共支出の拡大など拡張的な財政で景気を浮揚する方がはるかに大きな効果を上げられる」と述べた。

 

クルーグマン氏は、妙なことを言っている。最低賃金の大幅引上げの効果を認めているからだ。韓国経済が、ここまで落込んできたのは輸出減だけでない。最賃大幅引上げが、雇用構造を破壊したことにある。その最賃政策を認めるような発言は、韓国経済の構造的な問題を十分把握していない結果かも知れない。ただ、GDP統計だけを、さらっと見て感想を喋っている感じが強い。

 

(3)「クルーグマン教授は、「韓国の経済成長率が下がらざるをえない理由がある」として「企業の立場としては未来を予測できないため投資を敬遠し、こういう現象は全世界的に起きている」と明らかにした。さらに、不確実性の拡大で投資を敬遠する現状況に対して、政府が積極的に政策的介入に乗り出さなければならないとも提案した」

 

不確実性の拡大が、韓国企業の設備投資を抑制していることは確かだ。その一つは、労組による高額賃金攻勢である。文政権は、この労組が支援するだけに、企業にとっては頭痛の種だ。韓国経済が、緊急事態に直面している以上、労組の協力がなければ乗切れないのだ。この面での言及はなかったようだ。