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文在寅大統領は、口を開けば韓国人の「高い道徳性」をひけらかしている。それがどうだろうか、新たな法務長官に決まったチョ・グク氏の疑惑を巡り、韓国検察と互いに非難し合うという異常な姿を見せている。これでは、とても「高い道徳性」のある韓国人とは思えない振る舞いである。口は災いの元。物事は控え目に言うべきという生きた例だ。

 

『日本経済新聞 電子版』(9月12日付)は、「文政権、検察との全面戦争に、進む疑惑捜査をけん制」と題する記事を掲載した。

 

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権で、家族の疑惑を抱えて就任した曺国(チョ・グク)新法相と検察の対立が激しさを増している。娘の大学院不正入学に絡み、証拠隠滅の疑惑が浮上した妻への捜査を進める検察に対し、曺氏は組織改革を急ぐよう相次ぎ指示を出した。重要公約の検察改革への文氏の思い入れは強いが、失敗すれば返り血を浴びる危険もはらんでいる。

 

(1)「12日から旧盆の連休に入った韓国だが、検察は尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長の指示の下、休み返上で捜査を進める方針だ。目下の照準は、曺氏の娘の大学院進学に関わる疑惑。曺氏の妻が娘のために、名門として知られる釜山大学の医学部大学院の進学に有利となるように表彰状などの書類を偽造し、証拠隠しをはかったとされる。11日には妻が教授を務める大学の研究室から、パソコンの運び出しや自宅のパソコンのハードディスク交換を手助けした疑いのある人物を聴取した。検察は6日、妻を私文書偽造の罪で在宅起訴しており、この裁判は月内にも始まる可能性がある。家族の不透明な資金運用が取り沙汰される私募ファンドを巡っては、投資会社代表の逮捕令状を請求したが、ソウル中央地裁は11日にこれを棄却した」

 

下線を引いた部分は、証拠隠滅を図ったわけで抗弁のしようもない。ハードディスクを変えたとなれば、「容疑は真っ黒」となる。この一件に、チョ・グク氏が関わっていたとすれば、チョ氏は「共謀」となる。また、この件で夫人の務める大学総長と電話で話していると言う。子どもの進学の件で、夫婦が相談せずに妻単独で行動するとは信じがたい。ましてや、チョ氏はソウル大教授である。韓国のような学歴社会で、その威光は格別であろう。

 


(2)「疑惑を押して法相に就いた曺氏の使命は、検察改革の一点だ。文大統領は9日の就任式で「国民を挫折させる既得権と不合理の源泉である制度まで改革していく」と検察制度改革への強い意思を表明した。弁護士出身の文氏は自伝で、検察を「政治検察」と呼び、政治的中立をはかることの必要性を説いたこともある。あらゆる事件の捜査権を独占する韓国検察の権力は絶大だ。1980年代の民主化運動を原点とする文氏ら革新系はとりわけ、軍事政権下で学生運動の弾圧に手を貸した検察組織にメスを入れることを悲願としている」

 

韓国の検察は、政権と無縁に権力を行使しているわけでない。時の権力と表裏一体となってきたことが問題なのだ。文氏が恐れているのは、次期政権が保守党に変った場合、文氏自身が「嫌疑」を掛けられるリスクだ。