a1380_001541_m
   

中国は経済の急減速を受けて、合意に向けて前向き姿勢を見せ始めている。『ブルームバーグ』(9月13日付)は、事情に詳しい米関係者5人によると、トランプ政権の当局者は中国に限定的な貿易合意案を提示することを協議した。知的財産や農産物購入に関する中国の約束を取り付ける代わりに、一部関税の発動を延期、あるいは撤回する内容だという。

 

『ロイター』(9月13日付)は、「トランプ氏、中国と包括的な合意望む、暫定協定の検討も」と題する記事を掲載した。

 

トランプ米大統領は12日、中国との通商問題について、ホワイトハウスで記者団に「包括的な合意のほうが良い」と述べる一方、多くのアナリストが暫定合意に言及していることに触れ、その可能性を示唆した。米中は来週に次官級協議、10月初旬に閣僚級協議を予定しており、協議再開を前に互いに歩み寄りの姿勢をみせている。

 

(1)「中国はこの日、米国産農産物の購入再開に向けた動きを示した。トレーダーによると、中国の輸入業者は12日、合計60万トン以上の米国産大豆を購入。購入量としては少なくとも6月以降で最大という。中国商務省の報道官は、中国企業から米農産物価格について問い合わせが入っていることを明らかにし、「中国は引き続き双方が互いに歩み寄り、協議の良好な環境を醸成するための具体的措置を取ることを望む」と述べた。中国が輸入する可能性のある米農産物には豚肉や大豆が含まれるという。前日には、中国が一部の米国製品を追加関税対象から除外。トランプ米大統領もこれを受け、10月1日に予定していた一部中国製品への関税引き上げを10月15日に延期した」

 

中国は、「国慶節」(10月1日)を前に、妥結に向けた条件整理に動き出している。今年の国慶節は70回目という節目であり、「暗雲」を少しでも取り除きたいのだろう。中国経済は、製造業が気息奄々の状態であり、半ば死んだようなものである。

 


(2)「ムニューシン米財務長官は12日、CNBCとのインタビューで、中国の動きを歓迎しつつも、トランプ大統領には中国製品への関税率を維持したり引き上げる用意があると述べ、今後の通商交渉に向け中国側の動きをけん制した。その後、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)主催のイベントでは「来月は非常に重要だ。進展があることを期待している。適切な取引ができれば、合意する」と述べた

 

ムニューシン米財務長官は、下線を引いた部分では10月に合意に向けた進展を期待している。中国が折れてくれば、合意が可能であろう。ただ、冒頭に挙げたように「知的財産や農産物購入に関する中国の約束を取り付ける代わりに、一部関税の発動を延期、あるいは撤回する内容」という暫定合意もありうるようだ。