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韓国法務部(法務省)では、新長官のチョ・グク氏の家族が捜査対象という異常な事態に置かれている。早速、最高検総長のユン・ソギョル氏を捜査からはずす工作が露見した。法務省改革が旗印のチョ・グク法務部長官にとっては、誠に不都合な事態である。

 

『ハンギョレ新聞』(9月12日付)は、「法務部、『ユン総長排除した捜査チーム構成の提案』に波紋」と題する記事を掲載した。

 

法務部が、ユン・ソクヨル検察総長の指揮を受けないチョ・グク法務部長官一家の特別捜査チームの構成を、検察の高位幹部に提案したというニュースが流れ、波紋が広がっている。法務部は「チョ長官と無関係な一部の幹部の軽率なアイデアだった」と火消しに乗り出したが、検察内外では「捜査チームの交替に言及したこと自体が捜査に対する圧力」などの厳しい反応が少なくない。特に法務部と最高検察庁(大検察庁)間の通話など外部に知られにくい事実が公開されたことは、法務部の追加干渉を防ごうとする「検察の反撃」だという評価が出ている。

 

(1)「法務部は、チョ長官が就任した9日に高位幹部二人が最高検察庁の幹部二人に電話で「提案」した事実は認めている。公正な捜査のために「総長報告を排除した別の特別捜査チームの構成」はどうかと控え目に意向の打診をしたということだ。一部では「最高検察庁への報告を排除したソウル中央地検の捜査」を提案したという話もある。いずれにしても「ユン総長-最高検察庁反腐敗部長(ハン・ドンフン)-ソウル中央地検3次長(ソン・ギョンホ)」に繋がる今の捜査ラインの排除を意味する。

 

早くも、泥試合が始まった。「人に忠誠を尽くさず、組織に忠誠を尽くす」を人生のモットーにする硬骨の最高検総長ユン氏が、法務部のチョ長官の「差し金」と思われる「ユン氏外し」を撥ね付けた。チョ長官は、脛に傷持つ身であることを立証した形だ。

 

文政権の広報紙と見られる『ハンギョレ新聞』が、堂々と最高検総長を支持すする側の論調に立っているのは、文政権にとって世論がいかに厳しいかを示唆している。 

 

(2)「このような提案の背景には、先月27日にチョ長官への捜査を電撃的に決定したユン総長と、捜査の主軸である「ユン・ソクヨル師団」に対する強い不信が存在している。法務部幹部は、チョ長官が自分の事件に直接関与できない特殊な状況を考慮して、ユン総長の「建議」を受け入れる形式で、捜査チームを変えるつもりだったものと見られる。しかし、法務部の提案は、ユン総長の断固たる拒否により失敗に終わった。検察が捜査を進める途中で捜査チームを入れ替えるケースはあるが、検察総長を捜査ライン上から排除した事例は見つけるのが難しい」

 

チョ長官は、法務部の幹部を使ってユン総長が自主的に、この捜査から降りるように仕向けたと見られている。硬骨の士ユン氏に拒絶されその上、公表されるという「二重の失敗」となった。

 


(3)「法務部側も必死に「チョ長官は知らなかったことだ」と話した。電話をかけた高位幹部が現在の困惑した状況を解消しようと「各自が自分で判断して」行なったことであるということだ。ある法務部関係者は「チョ長官だけが悔しい状況になった」として「(そのような提案をした)当人たちが、各自軽率な行動を反省している」と述べた。反論もある。法務部の高位幹部二人が「同日同時に」動いたということは、法務部レベルの事前の議論を実行に移したということではないかとの疑いである。法務部に勤めていた検察関係者は「特別捜査チームの構成は、法務部長官の決裁を要する検事人事」であり「議論は皆で行い『重荷』は二人が分担したということではないかとの疑いを持っている」と話した。

 

下線をつけた部分が、むしろ「共同謀議」であることを立証している。二人の幹部が、同時刻に動いたこと自体が、法務部内での意見摺り合わせを暗示している。捜査メンバーを変更するという重大事態が、個人レベルの発想で行われるはずがないのだ。組織とは、そういうものである。

 

(4)「「チョ・グク法務部」を見る検察の視線は冷ややかだ。ある検察幹部は「これがチョ・グク長官の行うという検察改革なのか」と反問した。検察高位幹部出身の弁護士は「チョ長官が知ろうが知るまいが、長官と総長を対立させる生半可な行動だ。当事者を問責するべき」と指摘した。提案の事実が公開され、検察はとりあえず世論の「保護膜」を得た。一方、チョ長官と法務部の立地はいっそう狭くなった。しかし、チョ長官が人事権を盾に「追加行動」に出る可能性は残っている。検事長を務めた弁護士は「検事の過去の履歴を問題視するなど、何らかの名分を捜し出して、現在の捜査ラインを入れ替える可能性は変わっていない」と述べた」

 

文大統領が目指している検察改革は、文氏が退任後に検察から捜査されないように手を打っておく狙いが隠されている。文政権と労組・市民団体の「利益供与」は国家への反逆である。労組には最低賃金の大幅引上げを行い、過分な賃上げで利益を与えた。市民団体には、原発廃止で太陽光発電を推進し、多額の補助金を懐に入れさせた。これが、政治運動の資金に使われており、絶対に捜査対象に加えなければならない。文氏は、こういう自らのお手盛り政策で、国家に莫大な損害を与えているのだ。