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韓国の雇用システムは壊れてしまった。最低賃金の大幅引上げが、雇用構造を破壊している。生産性上昇の原動力である製造業の雇用減少の穴を、政府が財政支出による短期アルバイトでカバーする「逆立ち」現象が起こっている。財政が、短期雇用を支える異常事態である。

 

韓国政府は、この「終末的事態」をどのように解決する積もりなのか。今さら、最低賃金の大幅引上げを撤回するわけにもいかず、このまま推移するとすれば破滅しかない。韓国国民は、今こそ「ロウソク・デモ」によって、文政権弾劾を叫ばなければ、自滅する危機に直面する。

 

『朝鮮日報』(9月14日付)は、「韓国で45万人増えた就業者、39万人は60歳以上」と題する記事を掲載した。

 

韓国統計庁が11日に明らかにしたところによると、8月の就業者数は27358000人で、1年前より452000人増えた雇用状況が改善されたかのように見えるが、内容は良くない。就業者のほとんどが60歳以上の高齢者だからだ。

 

(1)「8月の60歳以上の就業者数は391000人増え、全雇用増加分の86%に達した。一方、30代の雇用は9000人減少、40代の雇用は127000人減少した3040代の雇用は23カ月連続で下がっているが、これは過去最長期間となる同時下落傾向だ。2010年以降の韓国の8月の就業者数は、2015年(186000人)と昨年を除いて一度も20万人を下回ったことがない。今年8月の就業者数増加幅は、最近2年間の累積値(40万人以上)を回復したに過ぎないということだ」

 

下線を引いた部分を見て頂きたい。8月の全雇用増加数の86%が、60歳以上の高齢者による公園の草取りや清掃である。30~40代の雇用は23ヶ月連続で減少している。こんな国の経済が、真っ当であるはずがない。本来ならば、「職寄こせ」のデモが起こって当然の事態だ。デモと言えば、文政権を支える労組や市民団体の「十八番」である。彼らは、文政権からたっぷり「ご褒美」を貰っている。だから、デモの手伝いをするはずがない。文政権から距離のある国民は、日干しにあっている。

 

(2)「増加した雇用の質が良くない。政府の生み出す「保険業・社会福祉サービス業」で就業者が174000人増えて最も大幅な増加となった。その一方で、製造業の就業者数は24000人減少した。8月の雇用動向を見ると、就業者に関する数字のうち、雇用率(61.4%)や失業率(3.0%)などはおおむね良くなった。しかし、よく見ると、韓国経済が直面している暗たんたる現実が明らかになったという見方が多い」

 

文政権は、雇用率の上昇や失業率の低下を理由にして、雇用政策は成功していると言い張るに違いない。中身を問わない、こういう政府の言い分は、「ペテン師」同然の振る舞いだ。

 

(3)「最も深刻なのは増えた就業者のほとんどが60歳以上の高齢者だという点だ。65歳以上の就業者に対象を絞っても237000人にのぼる。これは、昨年増えた雇用の52.4%に当たる。公園の雑草取りや伝統市場の掃除といった、高齢者を対象にした12カ月間の公共事業に関する雇用を政府が今年大幅に増やしたことが、全体の数字を押し上げるのに影響しているということだ。統計庁関係者は「8月の全新規就業者45万人のうち、10万人が政府の公共雇用事業のおかげで仕事を得た」と述べた。政府は来年、高齢者の雇用を今年より13万件以上さらに増やす計画だ。一方、3040代の雇用は縮小している」

 

日本では、「失業対策事業」(1949~1995年)として、最後は60歳以上の人達に「草取りや掃除」をして貰っていた。「ニコヨン」(職業安定所からの日給が240円)という懐かしい言葉が記憶にある。韓国では、その「ニコヨン」族が就業者増加の過半を占めている。この話を聞いただけで、文政権の責任は重いのだ。

 

(4)「ソウル大学のキム・ソヨン教授は「失業率が低いと景気も良くなるものだが、現実にはそうではない。高齢者雇用増加は、生産性向上や経済活性化にはほとんど役に立っていない」と話す。韓国の国内総生産(GDP)の30%近くを占める製造業部門の雇用が減少している状況も変わらない。先月の製造業就業者は24000人減り、17カ月連続で下落した。製造業と共に良い就職先の代表とされる金融・保険業就業者数も先月は45000人減少した。製造業と金融・保険業だけで69000人の雇用が失われたのだ」

 

公園の草取りや掃除で、韓国の雇用が維持されるわけがない。現実は、この「ニコヨン」対策に頼らざるを得ない現実が韓国経済である。文政権は、いつ倒れても不思議でない。