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権力は腐敗する、という言葉があります。文政権は進歩派を名乗っています。それにもかかわらず自らの権力基盤を守るべく、チョ・グク氏を法務部長官に指名しました。これは、「権力が腐敗する」という好例かと思います。

 

韓国の進歩派メディアとされる『ハンギョレ新聞』社内で、編集局記者31名が編集局長の辞任要求を出したと報じられました。理由は、文政権側に都合のいいように、記事を書き換えさせたり、タイトルを変えさせたというものです。あっては、ならないことです。私の30年間の記者生活で一度も経験はありません。『ハンギョレ新聞』の編集委員が大統領府の広報官になっていますので、編集局長も大統領府から声のかかるのを待っていたのかも知れません。人生、焦りましたね。

 

私が、同紙の記事を見て「刮目」したのは、チョ・グク氏に不都合な疑惑が持ち上がった以上、同氏就任は難しいと報じたことでした。だが、数日後の社説では一転して、チョ・グク氏擁護に回って、「変節したな」とがっかりしていました。

 

今回の「造反」について、『レコードチャイナ』(9月13日付)は、次のように伝えています。

 

「韓国メディアによると、入社7年目以下のハンギョレ新聞の記者31人が9月6日に出した声明は、チョ氏が法相候補に指名された後の同紙の報道ぶりを『ファンド疑惑が浮上し、娘が医学大学院で2回落第しても奨学金を受けたという事実が伝えられた時も、ハンギョレは沈黙した』と批判 『2017年の文政権が発足後、(国会が閣僚候補を審査する)人事聴聞会の検証チームは一度も設置されなかった。過去の政府とは全く違った。候補者のしっかりとした検証も、間違った疑惑提起に対する追加取材も行われなかった』となど指摘した」



要するに、ハンギョレ新聞は保守党政権には厳しく対応しながら、文政権になってからは、舌鋒が鈍ったという内部批判です。これは、メディアとして自殺行為です。その点で、保守系メディアの方が、はるかにオープンです。韓国のTVは、労組が強くて文政権になってから労組が社長交代を要求し、文政権側の人間が経営トップの座についています。

 

こういう経緯ゆえに、TVはいずれも「文政権擁護」に変ったと言われています。韓国のメディア事情を聞かされるとやりきれませんね。文氏の道徳論が電波に乗れば、文氏があたかも聖人君子のように扱われているのでしょう。

 

韓国メディアにおける「言論の自由度」が、国際的に高いと言われます。私の目から見ればとんでもありません。北朝鮮に、極度の親愛感を示しており、公平な報道とは思えない場面が多く見られるのです。文政権が、労組を通じてメディアの人事権にまで影響を及ぼしているのです。左翼だから真実報道というのは、錯覚に過ぎません。左翼も権力を握れば、腐敗するのです。今回の『ハンギョレ新聞』の若手記者が、編集局長の辞任を訴えているのは、「羊頭狗肉」の報道に耐えられなかったのでしょう。