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耐久消費財の花形である乗用車が、8月の新車販売の中で最も落込んでいる。中国経済の逼塞化が進む中で、乗用車だけ別格とは行かず、一蓮托生はやむを得まい。日系車にも影が指している。ただ、1~8月の累計では、唯一の「増加」を維持した。乗用車の普及率が天井圏にある以上、景気減速と同じ流れの中でもがくのであろう。

 

中国汽車工業協会によると、8月の新車全体の動きは前年比6.9%減、1~8月の累計では11.0%減となった。新車全体の8割強を占める乗用車は、8月に前年比7.7%減、1~8月の累計では12.3%減である。収益源である乗用車の販売落込みは、カーメーカーの採算を圧迫する。

 

乗用車の販売状況は、次のようになっている。いずれも前年の同期比。

     8月   1~8月累計  同シェア

民族系 -8.6%  -19.5%   38.9%

日系  -2.0%    4.4%   21.7%

独系   1.8%   -3.3%   23.8%

米系 -17.3%  -21.8%    9.5%  

韓国 -32.2%  -15.3%    4.4%

 

上の表は、各国の増減率である。日系車は8月に微減であったが、1~8月の累計では唯一の増加で4.4%だ。日系車は、ドイツ車とのシェアを縮めており、1~8月累計でその差が2.1ポイントに迫ってきた。日系車の燃費の良さや故障率の少なさが、静かな人気を得ている理由だという。

 

2~3年前は、日系車の構造が弱いという「デマ」に悩まされてきた。そこで、「プロは日系車、素人はドイツ車」という区分があったものの、実績で日系車が上回っていることから、「デマ」も消えたようである。この調子で、シェアを縮めれば、年内に日独の逆転が起こるかも知れない。「隠れたニュース」である。

 

韓国車はお気の毒の一言だ。かつては、デザインが人気を得ていた。それが今では、見る影もなくなっている。THAAD(超高高度ミサイル網)を巡る中国の嫌がらせで不買対象にされて、8月の販売台数は6万1700台に落込んでいる。現代自では、中国市場を捨てて、インド市場を狙う話が報じられている。スズキと勝負しようということだが、スズキはインドで先行の利を固め、地盤をがっちりと握っている。