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文大統領は、チョ・グク氏を法相に任命したことから、検察は全力を挙げて疑惑解明を急いでいる。昨日深夜、親戚の男を逮捕する一方で、チョ氏の娘を事情聴取したことが明らかになった。

 

『共同』(916日付)は、「韓国法相の親戚逮捕、ファンド疑惑・横領容疑、検察は全容解明急ぐ」と題する記事を掲載した。

 

韓国のソウル中央地裁は16日、文在寅大統領の側近、曺国法相の親族に絡む疑惑を巡り、横領などの容疑で、曺氏の親戚である30代の男の逮捕状を発付し、検察は男を逮捕した。韓国メディアが報じた。検察が同日未明に逮捕状を請求し、中央地裁が必要性を審査、逃亡や証拠隠滅の恐れがあるなどとして発付を決めた。一連の疑惑で逮捕者が出るのは初めて。

 

男は曺氏の妻らが出資した私募ファンドの実質的所有者とされ、検察は曺氏の親族による不透明な資金運用疑惑の解明を本格化させる方針。捜査対象を別の親族らに広める可能性もある。疑惑への批判が起きる中で曺氏を法相に起用した文政権に対し、野党のさらなる反発は必至だ。男は私募ファンドに関する疑惑が浮上した後、海外に出国し、帰国した14日に仁川国際空港で拘束された。

 

(1)「韓国メディアによると、検察は私募ファンドが出資をした街路灯関連機器の製造会社に関し、文政権で重用されている曺氏の影響力を利用して不正に受注した疑いがあるとみている。親戚の男は海外に滞在中、製造会社の代表に資金の流れに関して口裏合わせを依頼したとも報じられている」

 

下線を引いた部分が、事件の本丸であろう。この受注に関してチョ・グク氏が関わったかどうかだ。仮に、電話でも掛けていればアウトであろう。

 


『聯合ニュース』(9月17日付)は、「法相の娘を事情聴取、不正入学疑惑=韓国検察」と題する記事を掲載した。

 

韓国法曹界によると、ソウル中央地検は16日、大学への不正入学疑惑が持たれているチョ国(チョ・グク)法務部長官の20代の娘を被告発人として出頭させ、事情聴取した。高麗大と釜山大医学専門大学院の入試に絡む疑惑を追及したとされる

 

(1)「チョ氏の娘は高校在学中の2007年7~8月に2週間、檀国大の医科学研究所にインターンとして通い、翌年12月に医学論文の筆頭著者に名を連ねた。この論文は、2010学年度の高麗大入試で提出した自己紹介書に記載された。検察は、学部生だったころの韓国科学技術研究院(KIST)でのインターンシップや、母親のチョン・ギョンシム教授が在職する韓国・東洋大の総長から授与されたとする表彰状などが、釜山大医学専門大学院の入試にどう活用されたのかについても調べている」

 

(2)「娘は2015学年度の釜山大入試の際に提出した自己紹介書に「KIST分子認識研究センターの学部生研究プログラムに参加し、3週間インターンとして勤務」したと記載し、「実験準備や英文論文資料分析などを遂行」したと説明していた。だが、インターンの期間がケニアで医療ボランティアをしたとする期間と一部重なり、KISTの出入記録では3日間だけ出入りしたことになっているため、経歴を誇張したとの疑惑が提起された。これに対し、チョ国氏は長官就任前の国会人事聴聞会で「娘がKISTのインターン責任者にメールで了解を求めた上でケニアへ行った」などと述べ、疑惑を否定した」

 

(3)「検察は、娘の論文やインターン活動などが高麗大と釜山大の入試でどれほど影響したのかを把握するため、当時の入試に携わった両大学の関係者を呼んで調べている。また、経歴誇張疑惑の背後には母親のチョン氏がいるとみており、チョン氏に対する事情聴取の時期を検討している」

 

韓国世論は敏感に反応している。MBC(文化放送)が世論調査機関コリアリサーチに依頼して秋夕連休末の14~15日の2日間にわたり実施(16日発表)した世論調査の結果によると、チョ氏任命に対して「評価しない」が57.1%で、「評価する」36.3%に比べて20.8%ポイント高かった。風向きが厳しくなっている。法相就任直後の世論調査では、反対がわずかの差で賛成を上回っていた。