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韓国政府は誤解している。日本をけん制すべく、他国からの中間財輸入を増やしてバランスを取ろうとしているのだ。こういう案は誰でも考え付くが、サムスンはひたする「日本企業との関係強化」に動いている。ここで軽挙妄動して、日本企業の不信を買うことのリスクを回避するというのだ。中国が、いずれ半導体で成長し始めたとき、日本企業が中間財輸出でバックアップすれば、サムスンの世界的地位は危うくなる。サムスンは、20年先を見て、戦略を組み立てている。

 

『日経産業新聞』(9月20日付)は、「サムスン、ぶれぬ日本重視 、韓半導体連合には暗雲 」と題する記事を掲載した。

 

日韓の産業界が輸出管理の厳格化で揺れるなか、渦中の韓国サムスン電子による日本重視の調達姿勢は足元では変わっていない。半導体の先端開発を主導する同社にとって部材で先行する日本からの調達は必然で、日系企業も巨大顧客サムスンを手放す理由はない。ただ政治対立により日本依存リスクが表面化したことで、「日韓半導体連合」の先行きには不透明感も漂い始めている。

 

(1)「サムスンが技術開発をけん引する半導体では、主要部材は日本メーカーに頼る部分が大きい。取引関係を公表する主要100社のサプライヤーリストのうち日系企業は23社で、韓国系企業(39社)に次いで2番目に多い。調達先を変えるリスクをサムスンはよく知っている」。半導体製造用の薬液を供給する化学大手幹部はこう解説する。半導体の生産は数千ともいわれる精緻な工程を23カ月かけてこなす。同じ材料でもメーカーごとに微妙な「癖」があり、調達先を変更すれば歩留まり(良品率)悪化を招きかねない。ディスプレーや電池などでも中核材料を日本企業がおさえている。サプライヤー各社も「そう簡単に材料が切り替えられるとは思えない」との声が大勢だ。実際にサムスンに半導体部材を供給する日系メーカー首脳は「サムスン首脳陣の(日本重視の)調達姿勢は揺れていない」と口をそろえる」

 

化学工業品は、同じ成分でも製造工程で微妙な違いが出るという。だから、コストだけでメーカーを変え納品させることは、大きな打撃になる。こういう特性を考えれば、文政権の一言で納入策が変るものでない。

 

(3)「サムスン電子の李在鎔副会長は日韓の政治的な対立の中でも企業間の協調を訴えたテレビや携帯電話、半導体、ディスプレーといった分野で日本の電機各社を追い越してきたサムスン。成長過程において「日本に学べ」という経営方針は徹底していた。創業者の故・李秉喆(イ・ビョンチョル)氏、中興の祖の李健熙(イ・ゴンヒ)会長、李副会長と3代続けて日本に留学。流ちょうな日本語を話し「日系企業との契約を次々に決めていった」(元電機大手首脳)。祖業の製糖業から電子産業に進出するきっかけとなったのも、1969年の三洋電機と結んだ白黒テレビの合弁設立だった。その後もNEC東芝、東レ、ソニー、住友化学などと協業して巨大企業の礎を築いていった。韓国・水原(スウォン)市のサムスン本社内の博物館には三洋への恩義が記されている」

 

文大統領の頭は、日本への「報恩意識」どころか「撃滅意識」が渦巻いている。これに比べてサムスンは、三代にわたって日本への恩義を忘れないでいる。日本企業の支援がなかったら、サムスンはとうの昔に消えていてもおかしくない歴史があるからだ。

 

(4)「日韓の政治対立は経済面でも中国を利することになりそうだ。特に半導体などハイテク産業での覇権を狙う中国にとって、半導体世界首位のサムスンはいつかは追い越すべき対象と映る。数兆円規模の設備投資を政府主導で進める中国勢の追い上げに、サムスンといえど足踏みしている余裕はない。足元では半導体製造装置メーカーの「中国シフト」は始まっている。設備投資額が1兆円規模の半導体工場の建設計画が次々と浮上する中国は、生産設備を売る装置メーカーにとって有望市場。韓国半導体産業協会の安基鉉(アン・ギヒョン)常務は「日韓の間に壁ができれば、材料、装置、最終製品の各分野で覇権を狙う中国の半導体産業を利することになる」と警鐘を鳴らす」

 

日韓の政治的対立は、韓国経済滅亡のシグナルである。日本には絶対的強者の技術がある。韓国に売らなければ中国へ売れる。文政権は、この現実を知っているだろうか。我利我利亡者の民族主義者は、技術などの高等知識はゼロであろう。日本への憎しみは、「韓国の滅亡」と心得るべしである。