勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2018年11月

    111

    中国ほど身勝手な国はない。胡錦濤時代は、平和的台頭を一枚看板にして、空母保有計画を頑なに否定していた。一方ではこっそりと、ウクライナから廃船空母を「スクラップ」名目で購入し、空母に再建していた。現在の「遼寧」である。これを皮切りに、第2空母の建艦をしており、さらに第3空母(原子力空母の可能性)建艦に着手してことが判明している。

     

    この中国が、日本の「いずも」空母化に「平和憲法違反」と噛みついてきた。自国は空母を3隻持つが、日本は一切罷り成らぬというのである。空母は、移動する基地である。空母で艦載機を移動させれば、遠距離作戦の遂行が可能になる。中国が、その空母を日本海と東シナ海へ航行させ攻撃態勢を取ってきた場合、日本が自衛作戦により空母で迎え撃ち、海上で撃破する作戦は当然だ。中国の軍拡の脅威が、「いずも」の空母化計画を促進させている。

     

    『レコードチャイナ』(11月30日付)は、「『いずも』の空母化は平和憲法を完全に踏みにじるもの中国軍事専門家」と題する記事を掲載した。人民日報からの転載である。

     

    『人民日報』(11月30日)によると、日本政府が護衛艦「いずも」の空母化を検討しており、『防衛計画の大綱』に明記しようとしていることについて、中国の軍事専門家が『平和憲法を完全に踏みにじるものだ』と批判している。

    (1)「記事は、防衛省が改修しようとしているヘリコプター搭載護衛艦『いずも』は、海上自衛隊の中で最大の艦艇で、満載排水量は26000トン、飛行甲板は全長248メートルで、F35Bを離陸させることができると紹介。日本メディアが27日に『いずも』の改修を念頭に、戦闘機を搭載して運用する事実上の空母化の方針を新たな『防衛計画の大綱』に明記する方向で調整していると報道したことを伝えた」

     

    日本は、原子力空母まで保有する中国の攻撃から、いかに身を守るかという切実な脅威にさらされている。効率的に防御するには、「いずも」の空母化ぐらいは自衛策として許される。中国が自らの巨大軍備を棚上げして、日本批判するのは内政干渉である。

     

    (2)「日本政府がどのよう『いずも』を改修するかについて、軍事専門家の杜文龍(ドゥー・ウエンロン)氏は、「『いずも』の基礎の上に甲板を取り換えて耐熱能力を高め、改修後はF35Bとよくマッチし、短時間で(作戦)能力を持てるようになる」と分析した。 杜氏は、「日本はさらに大きくて能力の高い航空母艦を設計・建造する可能性があり、格納庫の数量は将来的な艦載機の数量に応じて臨機応変に決定できる。このクラスの航空母艦が出現すれば、日本は戦後最強の艦艇を有することとなり、他の編隊と組み合わせると非常に強い能力になる」としている。さらに、「いかなる方法であっても、空母を有することは進攻に属する。日本は空母所有を基本的な目標としているが、これは日本が平和憲法を完全に踏みにじり、『専守防衛』の方針を徹底的に突き破ることを意味している」との見方を示した」

    日本政府は、防衛費の対GDP比1%枠を守る方針を再確認している。米国との共同防衛作戦を展開して、中国の攻撃を撃退する戦略だ。同時に、豪州やインドも加わった、日米豪印の4ヶ国で共同作戦が詰められている。中国には同盟国が存在せず、ロシアが隙を見て攻め込む地政学的問題も抱えている。中国が突出した軍備を持てば持つほど、危機を招くという「安全保障のジレンマ」に落ち込むはずだ。中国の巨大軍備が、自滅のリスクを招く。これが、専制国家の皮肉な巡り合わせである。

     

    メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

    まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

    https://www.mag2.com/p/money/590125

    ここをクリックしていただければアクセスできます。

     

     


    a0070_000148_m

    韓国大法院(最高裁)は、すでに新日鉄住金への判決で徴用工への賠償命令の路線を引いていた。昨日、三菱重工への徴用工と勤労挺身隊員に対する賠償判決も同じ流れである。再度、日韓基本条約を否定する判決が下されたのだから、日本は国際司法裁判所で最終判断を仰ぐほかない。これ以上、感情論判決への反論をしても時間の無駄であろう。韓国の法意識がいかに世界から遅れているか。それを認識させるべきだ。

     

    『中央日報』(11月30日付)は、「徴用判決への対策、ためらう余裕ない」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「昨日、強制徴用および勤労挺身隊被害者に対する韓国最高裁の賠償判決が下され、最悪の韓日関係が奈落に落ちている。今回の判決は先月30日の徴用被害者に対する賠償責任を認めた最高裁全員合議体の判断の後に出たもので、予想されたものだった。こうした中で21日には慰安婦問題の解決のために設立された『和解・癒やし財団』の解散が発表され、韓日関係に及ぼす悪影響は致命的かもしれない。実際、日本政府は河野太郎外相の談話を通じて『国際裁判や対抗措置も含め、あらゆる選択肢を視野に入れ、毅然とした対応を講ずる考えだ』と宣言した。徴用判決で韓国に対する日本の世論は悪化するだけ悪化している。27日には埼玉県秩父市が来月から実施する予定だった江陵(カンヌン)との相互派遣プログラムを延期した」

    日本政府は、かねてからこういう判決が出ることを予想し、国際司法裁判所への提訴の準備を進めてきた。もはや、日韓関係を正しい方向へ戻すためにも、ためらうことなく提訴するべきだ。日本が、日韓基本条約で支払った「無償3億ドル」は、個人への支払いを含めた金額である。日本は、この無償3億ドルのほか、合計で11億ドル以上の資金を提供して韓国経済の復興を支援した。その日本が現在、韓国大法院から「人権には永久に時効がない」、とまで見下された説教を受ける身になった。

     

    (2)「裁判で勝った被害者が強制執行を通じて日本企業から物質的な補償を受ける場合、戻ることのできない橋を渡ることになる。どうにかして政府は後遺症を最小化する妙案を一日も早く見いださなければいけない。北朝鮮の核問題だけでなく北朝鮮のインフラ開発など外交安保的な側面で日本の力が必要な時が近づいている。隣国との関係を必要以上で悪化させてはいけない」

     

    韓国が、どんなに力んだところで、依然として日本の経済力の笠を必要としている。その大事な「命綱」を足蹴にして意気揚々としている構図が何とも可笑しく映るのだ。韓国市民の方が、はるかに日本について正しい認識を持っている。以下に、韓国人のコメントを取り上げる。

     

    『朝鮮日報』(11月30日)は、「『強制徴用、三菱重工への賠償命令』記事への韓国読者コメント」と題する記事を掲載した。

     

    日本による強制徴用被害者が日本企業を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、29日、再び原告勝訴の判決が出た。以下は判決を伝えた韓国語版記事「三菱重工業、強制徴用・勤労挺身隊被害者に賠償せよ」(291013分入力。日本語版未掲載)に寄せられた読者コメント。

    ■賛成順

    チョン・ホウォン(africa ****)さん

    実現しない賠償、責任を負えない正規雇用化、不可能な所得主導成長、逆行する脱原発。こうしたすべての中でも最たるものはイヌ・ブタしか信じていない北朝鮮の非核化。

    賛成49反対3

    イ・ウォンヨル(cys0 ****)さん

    韓日請求権協定当時に日本が要求した通り、在日朝鮮人をはじめとするすべての朝鮮人労働者に対して、日本政府の代わりに韓国政府が個人賠償することにしたなら、カネを渡した日本とカネを受け取った韓国政府がその責任を履行すればいいことだ。カネを受け取った政府はどこに行き、約束はなぜ守られないのか? 支離滅裂な言動はもうやめろ、判事たちめ。

    賛成33反対1

    イ・ウォンヨル(cys0 ****)さん

    大韓民国政府は卑劣で卑怯だ。韓日請求権協定当時、政府が代表してカネを受け取ったのに、法の手先(裁判官)を通して慰謝料として賠償を再び求めるのが正しいと言えるのか? 韓国政府が補償すべきだ。日本は当時、個人賠償を直接して、こうした問題の発生を防ごうとしたが、韓国政府が全部手に入れたんだよね。じゃあ韓国政府に責任があるのでは?

    賛成28反対2

    イ・ウォンヨル(cys0 ****)さん

    韓日協定で終わったことをなぜまた「カネ、カネ」というのか。韓国政府が受け取ったのだから、韓国政府に「よこせ」と言うべきだ。だから「チョーセンジン」と言われるんだ。日本政府は当時、「お前らの政府は信じられない。今後問題が発生するから直接個人賠償をする」と主張したが、韓国政府が丸ごと全部受け取って食いつぶし、また『カネを出せ』と言っている。数百兆ウォン(数十兆円)以上のカネを受け取っておきながら、商道徳なんてあるものか。

    賛成25反対4

    ■反対順

    チョ・ドンアム(s ****)さん

    日本のやつらの反人倫的な悪質さは公訴時効がない。当然、日本のやつらが賠償しなければならない。これ同じく、親日売国行為で蓄積した財産と権力は公訴時効がない。最後まで追跡し、すべて没収して初めて正義がよみがえる。親日売国奴をえぐり出すことこそ大韓民国に精気を取り戻すことができる方法だ。

    賛成4反対20

    イ・ソンジン(277 ****)さん

    何でここでチョッパリ(日本人の蔑称〈べっしょう〉)の肩を持っている人々を自国民だと言えるのか。お前らのようなやつらがいるから先祖は苦労したんだし、いまだに騒々しい。協力はするが、忘れない。あいつらから真の謝罪を受けて初めて未来が見えるというものだ。ドイツはやることがないから毎年謝罪しているとでもいうのか? お願いだから変なやつらはこの国から去ってほしい。

    賛成5反対14

    オ・スンホ(kok ****)さん

    実際には強制的に連行されても食べることもできず、賃金も受けとれずに働いていたということだ。当時の徴用は朝鮮人地域割当制により強制的に連れて行かれたものだ。小さい時に連れて行かれなかった子どもたちは飢え死んだ。解放(日本による植民地支配からの解放=日本の終戦)後、すぐに賠償を開始していたら、個人も主張して賠償を受け取っていただろう。日本は敗戦後にこじき国になり、賠償能力もなかった。625戦争(朝鮮戦争)の戦争特需で、米軍の軍需品生産により日本は再建され、625戦争中に米国の軍政から独立した。韓国はまだ戦争中だった。韓日協定なんて夢見ることもできなかった。個人補償なんて夢のまた夢だった。625戦争で廃虚になった韓国はアフリカのより貧しいこじき国になった。国民すべてが生きることに精いっぱいだった。

    賛成0反対7

     

    メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

    まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

    https://www.mag2.com/p/money/590125

    ここをクリックしていただければアクセスできます。

     

     



    文在寅氏は原発について、国内で新規建設を禁止、海外では積極的に売り込んでいる。これは、説明がつかないことだ。昨年5月、文氏が大統領就任とともに打ち出した「原発禁止」によって、韓国の大学で原子力学科の学生がいなくなってしまうほどのショックを与えている。こんな状態で、海外での原発メンテナンスの人材をどのように確保するのか。文氏に一貫した政策がない。

     

    早くも、この欠陥を突かれる事態が起っている。

     

    アラブ首長国連邦(UAE)は、韓国の独自技術によって建設中であるバラカ原子力発電所の運営・維持保守に関する契約を、フランス電力(EDF)と結ぶ事態が起っている。韓国原発業界は、こういう契約自体が不適切であること。また、長期的に韓国の原発独占運営権を侵害されかねないと懸念している(『朝鮮日報』11月29日付「UAEが韓国に無断で仏企業と原発運営関連契約」)。だが、UAEの立場になれば、韓国国内で新規建設を禁止している状況で、メンテナンスの人材が確保できるかどうか疑問に思うのも無理はない。UAEだけを責める訳にいかない事情があるのだ。

     

    『朝鮮日報』(11月29日付)は、「国内では脱原発、海外では原発を売り込む文在寅大統領」とだいする社説を掲載した。

     

    (1)「文在寅大統領は28日にチェコでバビシュ首相と会談し、現地での原発建設プロジェクトを韓国が受注できるよう協力を要請した。チェコは現在稼働中の6基の原発で国内における電力需要の3分の1を賄っているが、ここからさらに追加で23基の原発建設計画を進めている。大統領自ら原発セールスに乗り出すのは素晴らしいことだ。ただ国民としては文大統領の原発セールスにどこか府に落ちないところもある」

     

    (2)「文大統領は就任から1カ月後の昨年6月、『原発は安全でもないし安くもない。また環境に優しいわけでもない。脱原発の時代に進んでいく』と述べ、新規の原発建設計画の白紙化、既存の原発に対する設計寿命延長の放棄、延長稼働中の月城1号機の閉鎖を宣言した。韓国は自国では、『危険で費用が安くもない』との理由から原発を放棄したが、他国では「自分たちの原発は素晴らしい」と宣伝しセールス外交を行っている。これについて相手国の国民にどう説明するのか気になるところだ」

     

    確かに、文大統領は「二重人格」的な振る舞いをしている。国内の原発は危険だから禁止。海外では安全だからと言って売り込んでいる。海外で安全な原発ならば、国内でも安全なはずである。文氏の本心は原発賛成なのだろう。支持基盤の市民団体が反対している。だから、やむなく反対しているのでなかろうか。こういう理解をしなければ、文氏の行動は不可能である。

     

    文氏は大統領に当選するために、自らの信ずる道を捨てたように見える。もし、そうとすれば、大統領にはなるべきでなかったのだ。文氏は本来、政治家向きでない。リーダーシップに著しく欠けるからだ。社会派弁護士で止まっているべきだった。


    メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

    まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

    https://www.mag2.com/p/money/590125

    ここをクリックしていただければアクセスできます。

     




    韓国の人口問題は、月を追うごとに危機の度合いを深めている。一人の女性が出産する子ども数(合計特殊出生率)が、7~9月に0.95と1を割りこんだ。これは、韓国の将来を考える上で、「特大」の危険要因である。だが、韓国政府にはその危機意識がゼロである。北朝鮮問題に没頭する前に、実効ある出生率の改善策に着手しなければ、22世紀に韓国は地球上から消える運命だ。

     

    出生率を上げるには、まず若者の就職率を引き上げることである。それには、現在の最低賃金の大幅引上げを廃止して、生産性上昇率に見合った引き上げ幅にすることである。就職率が上昇すれば、経済問題が解決して結婚比率が上がる。だが、長年にわたる若者の高い失業率で、結婚する意欲が低下していることが判明した。

     

    韓国統計庁は、2018年社会調査結果を11月6日に発表した。韓国国内の満13歳以上の男女3万9000人を対象に、家族・教育・保健・安全・環境の5部門について調査したもの。それによると、出生率低下の理由が明らかになった。

     

    韓国国民の中で、「結婚はすべき」という回答者の比率は、16年の51.9%から今年は48.1%に下がった。調査が始まった08年以来、初めて5割を下回った。男女別で見ると、女性は48.1%が「結婚はすべき」と答え、男性(51.9%)に比べ結婚の必要性をあまり感じていないことが判明した。今回の調査で、子どもの私教育費が家計の大きな負担になっていることも分った。「子どもの教育費が負担になる」と回答した世帯主は64.4%に達した。

     

    結婚を希望しない人の比率が増えていることは、「価値観」と言ったことで済ましてはいけない。経済的な理由が大きいはずである。また、子どもの教育費がかかりすぎる点も、出生率を引下げている。いずれも、経済要因が韓国の出生率を史上最低にまで押し下げたのである。

     

    文政権は、所得主導成長論という空想の経済理論に固執している。これが、国家滅亡の種を蒔いているようなものである。早くそのことに気付くべきだ。韓国の革新政党が、新奇をてらって「経済政策モドキ」を取り入れてはしゃいでいる。これが紛れもなく、「亡国政策」である。文政権は、歴史の批判に耐えられるだろうか。文在寅氏こそ、「積弊一掃」の対象であろう。



    メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

    まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

    https://www.mag2.com/p/money/590125

    ここをクリックしていただければアクセスできます。

     



    世界中の投資家が、固唾を飲んで12月1日の米中首脳会談の成り行きを注目している。結果次第で、株価は大変動のリスクを負っているからだ。

     

    米国は、強気の姿勢を崩さない。米太平洋艦隊は28日、米軍のイージス駆逐艦と補給艦が台湾海峡を航行したと発表した。米軍の艦船による台湾海峡の通過は今年3回目。米太平洋艦隊は声明で「台湾海峡の通過は、自由で開かれたインド太平洋に向けた米国のコミットメントを示している。米海軍は今後も国際法が許す範囲で飛行し、航行し、行動する」と表明した。台湾海峡を航行したのはイージス駆逐艦「ストックデール」と補給艦「ペコス」の2隻。中国からの反応はない。 以上、『ロイター』(11月29日付)が、伝えた。

     

    米海軍まで動員して、米国が中国へ不退転の決意であることを示している。それは、今回の米中貿易戦争の本質が、覇権争いであることを示唆するものだ。こういう、背景を見ると、単なる米中貿易赤字の問題を超えて、地政学的対立を証明している。

     

    この点については、私の「メルマガ9号」で詳細に取り上げている。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(11月29日付)は、「米中首脳会談に市場波乱リスク、固唾のむ投資家」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「クレディ・スイスの中国アナリストらによると、G20(米中首脳会談)が最もうまくいった場合、中国政府は米国からの輸入を増やし、海外投資家への市場開放を続けると約束する。だが、そうなる確率は10%未満だという。一方、同アナリストらは25%の確率で、何の合意も形成されず、新たな関税の脅しが続くと予想。現実になれば相場の急激な調整につながるだろうと話している。中間のシナリオ(65%)は、6~12カ月間の部分的な停戦期間を設け、この期間は新たな関税を発動しないというものだ。発表済みの関税は例外となる」

     

        妥結する確率10%未満

        何らの合意なしの確率25%

        6~12カ月間の休戦確率65%

     

    決裂の確率が25%。休戦は65%になっている。米海軍が台湾海峡にイージス駆逐艦と補給艦の2隻を航行させたのは、台湾防衛姿勢を鮮明にし、「一つの中国論」を無視する態度を表明にしたものだ。米国覇権を狙う中国に、米中復交時の「約束」を守る必要はない。そう言いたげな行動である。ここまで、米中関係が悪化している現実を見落としてはならない。もはや、貿易赤字問題を超えている。

     

    (2)「産運用会社ブルックス・マクドナルドのエドワード・パーク氏は、トランプ氏の発言が交渉戦略の一部である公算が大きいと述べ、似た例として6月に北朝鮮との合意に達する前に発言をエスカレートさせていたことを挙げた。米中政府については、『いずれにとっても停戦に持ち込むことにはメリットがある』とパーク氏は述べた。野村のストラテジストらは妥結がありそうだと話す。その場合、オーストラリアドルは上昇し、日本、欧州、新興国市場の株価は大きく押し上げられる見通しだ。投資家が安全資産の米国債から株などのリスク資産に移るため、米10年物国債の利回りは3.25%に向けて上昇する可能性があるという」

     

    ここに登場しているアナリストの見方は、かなり狭い範囲の議論のように思える。米国がなぜ、ここまで強硬になっているか。トランプ氏の個人的な性癖といった視点で捉えていると大局を見誤ると思う。最悪事態を想定してリスクを取ることが賢明でなかろうか。



    メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

    まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

    https://www.mag2.com/p/money/590125

    ここをクリックしていただければアクセスできます。

     


    このページのトップヘ