勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2018年12月


    韓国海軍が、日本の映像公開で次々と反論しているが、これまでの韓国側の主張を否定して、事実上、噓を認めていることに気づかないほど慌てている姿が滑稽である。

     

    問題の起った海域が、日本の排他的経済水域(EEZ)であるという重大事実を忘れている。海上自衛隊哨戒機の警戒水域である以上、眼下の韓国駆逐艦が何をしているのか関心を持つことは当然である。それにも関わらず、哨戒機が低空飛行して「威嚇した」などと言いがかりを付けている。重ねて言う。日本の管轄権のある海域なのだ。

     

    排他的経済水域とは、どういうものなのか。

     

    海洋法に関する国際連合条約に基づいて設定される、天然資源及び自然エネルギーに関する「主権的権利」、並びに人工島・施設の設置、環境保護・保全、海洋科学調査に関する「管轄権」が及ぶ水域のことを指す。

     

    『中央日報』(12月30日付)は、「哨戒機映像公開の波紋続く、韓国『非紳士的な威嚇飛行』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国軍関係者は28日に防衛省が公開した映像を分析した結果、日本の哨戒機が20日に東海(トンヘ、日本名・日本海)の大和堆近くの韓日中間水域で遭難した北朝鮮船舶を捜索した韓国の駆逐艦「広開土大王」に500メートルの距離まで接近し、150メートル上空で威嚇的に飛行したと把握した。軍関係者は「当時広開土大王は浸水していた遭難船舶の救助活動任務をしていた。日本側が非常に緊迫した救助状況にあるのを知りながら意図的に低空威嚇飛行をしたのは救助活動を妨害するもので、国際慣例を無視した非紳士的な行動」と指摘した

     

    下線を付けた部分は、これまでの韓国側の主張を否定し、「噓」であったことを認めたに等しい。従来は、北朝鮮の遭難船を捜索するためにレーダー照射していた。それが、たまたま哨戒機に向けられたと弁解していた。事実は、その時点で北朝鮮漁船は発見され、救助中であったのだ。これで、レーダー照射の意図が、海上自衛隊の哨戒機の威嚇であったことを証明した。

     

    「低空飛行したことが救助活動を妨害した」と、逆に日本を非難している。この海域は、日本の排他的経済水域であるから、哨戒機が低空飛行するのは当然の任務である。

     

    (2)「また別の関係者は、『日本の海上哨戒機は空対艦ミサイルなど武装搭載が可能な航空機。こうした武器体系特性を考慮すると韓国の艦艇に近接飛行するのは艦艇の安全を脅かす非常に危険な行為』と主張した

    この下線部分で、意図的にレーダー照射したことを問わず語りに示している。韓国駆逐艦もミサイルを保持しているはずだから、自らを被害者ぶった弁解をすべきでない。レーダー照射は日本側が行なったものではない。韓国が行なったのだ。この事実関係をぼかしてはならない。

     

    (3)「軍の一部では安倍政権が急落した支持率を引き上げようと強硬手段を取っているのではないかとの指摘も出ている。日本が映像を公開し哨戒機乗組員の相互交信内容の相当量を「ピー」という音で消去処理しながらも「This is Japan Navy(こちらは日本海軍だ)」として自分たちを「海軍」と称したのも安倍政権の指向が投影された呼び方という分析も出ている

     

    安倍政権の支持率は、高位安定型である。支持率の上下は普通の現象だ。政権7年目を迎えており、任期一杯務めれば日本の政治史上、突出した在任期間になろう。その安倍政権が、韓国に強い姿勢で出て支持率を上げる必要はさらさらないのだ。

     

    自衛隊の日本語名称は海軍でないが、英語では「海軍」である。外国に対して、英語で「海軍」と言って何の不都合があるのか。韓国が、海上自衛艦を国際観艦式に招待したのも「海軍」と認めた結果でないのか。それを、今さら対外的に「海軍」と言ったから、安倍政権の志向を表わしていると言い募るのは、「牽強付会」(けんきょうふかい)と言うべきだ。歴代政権の下でも、英語では「海軍」である。日本語は「海上自衛隊」だ。日本人自身が、この矛楯に気付いていない点もおかしい話だが。

     

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    日本の防衛省が、公開した韓国駆逐艦との遭遇模様は、生々しいものであった。海上自衛隊哨戒機は、韓国駆逐艦に対して、3回も艦名(ナンバー)まで告げて呼びかけ、レーザー照射の意図を訪ねている。それに対して、無言を貫いた。自ら犯したレーザー照射の問合せを、「ヤバイ」と認識して気づかない振りをしたのだ。

     

    韓国人の本質という言葉を使いたくないが、防衛省の公開した13分余のビデオは、韓国人社会の一断面を伝えている。自分が不都合の時は「ダンマリ」を決め込み、真面目に対応しないというご都合主義である。韓国駆逐艦に悪意がなく、単なるミスであればすぐに、その場で「エクスキューズミー」で終わった話だ。

     

    それが、「英語の発音が悪くて聞き取れなかった」と言い訳した。眼前を飛行する日本の哨戒機が、自己の艦名(ナンバー)まで出しての問合せである。気象状況は極めてよく、韓国駆逐艦は呼びかけに気づかなかったと「真っ赤なウソ」を言っている。韓国海軍とはいかなる組織であるのか。日常、日本の港に寄港している韓国艦艇が、悪意ある対応した裏に、韓国社会のゾッとする「反日」を実感する。

     

    『中央日報』(12月29日付)は、「『日本乗組員の英語の発音が悪くて』、韓国が哨戒機映像に反論」と題する記事を掲載した。

     

    韓国海軍の駆逐艦「広開土大王艦」(DDH-971)と海上自衛隊の海上哨戒機P-1の間のレーダー照射問題に関連し、防衛省が28日、「韓国側が火器管制(射撃統制)レーダー(FC)を照射した証拠」として日本側が20日に撮影した映像をホームページ上で公開した。しかし、韓国国防部は13分7秒の映像について「スモーキングガン(決定的証拠)ではない」と述べ、客観的な証拠を提示すべきという立場だ。何とも、形容しがたい感情に襲われる。これが、日本の友軍とされる韓国軍の実態なのだ。

    (1)「映像を見ると、6分6秒ほど進行した時点に日本哨戒機の乗組員が「あー、出しています。FCコンタクト(接触)」と報告すると、機長が「了解」と答える場面が出てくる。機長は「(電波を感知した時に出てくる)めちゃくちゃすごい音だ」とし「この音を覚えておいてください」と語った。「(電波感知に関する)データを取得した」という乗組員の発言もある。日本哨戒機の電子戦支援装備(ESM)が「広開土大王」のレーダー情報を把握したという意味だ。防衛省は日本哨戒機が3種類の周波数で計6回「広開土大王」に呼びかけたが、応答はなかったと主張した」

    これは、映像の説明である。ユーチューブで公開されているので、韓国の言い分がいかに欺瞞に満ちているかが分る。私は3回も見たが、韓国の矛楯した発言に驚く。


    (2)「韓国の国防部と合同参謀本部は日本の一方的な主張に一つ一つ反論した。映像に出ている声は緊急状況ではない語調であり、レーダーの周波数の属性に関する情報もないという分析だ。合同参謀本部の関係者は「照準を受けたのなら日本哨戒機は回避すべきだが、映像ではむしろ左に回って広開土大王艦にさらに近づいている」と述べた」

     

    このパラグラフでは、韓国の身勝手さがよく現れている。

     

    日本が、レーダーの周波数の属性についての情報を伏せたのは、日本側の探知能力を公開しないためだ。韓国は、これを理由にして「難癖」を付ける意図だが、軍隊であればその辺の事情は分るはずである。

     

    自衛隊哨戒機は、友軍の韓国駆逐艦が攻撃するとは想像もしないから、一応は回避して様子を見ていた。韓国はこれまで、北朝鮮の漁船を捜索していたときにレーダー照射したと言い訳したが、映像ではその時すでに北朝鮮漁船らしきものが映っている。北朝鮮漁船の捜索時にレーダーを照射した、と言うこれまでの主張もウソと判明した。実に、ウソにウソを重ねた言動である。韓国社会の本質(嘘つき)を浮き彫りにしている一件だ。


    (3)「日本哨戒機が「広開土大王」に英語で交信を図った内容も「(韓国の)火器管制レーダーアンテナが我々に向いている」となっている。もし照準状況であれば「照準を中止しなさい」と抗議すべきというのが、合同参謀本部の説明だ」

     

    この答えも厚かましい内容だ。 哨戒機が、「(韓国の)火器管制レーダーアンテナが我々に向いている」と発言していることを逆手にとって、韓国に抗議すべきだと言っている。これも、韓国は事実を認めて居直っている。哨戒機が、3回も呼びかけて問合せしているのに黙殺している。それが、今になって「韓国に抗議すべきだ」としている。こういう問題は、政府レベルの話で、最前線の指揮官レベルで直接、交わす内容ではない。実に、言いたい放題という印象である。

     

    (4)「日本哨戒機の呼び出しに答えなかった理由については、「日本乗務員が『Korea South Naval Ship(韓国海軍艦艇)」と呼んだが、通信状態が良くないえうえ英語の発音が悪くて『South』が『Coast』と聞こえた。海警を呼んだと考えた」と明らかにした

    通信状態が悪かったとは思えない。気象状況は晴朗で波もいたって静かである。英語の発音が悪いと日本を批判している。いくら下手な英語でも、「South」と「Coast」が同じ発音に聞えるはずがない。こういう見え透いたウソを平気で言ってくる。これが、韓国人の本質だろうか。

     

    徴用工裁判でも、あたかも強制のように言い募っている。実際は、志願した労働者である。日本製鉄の場合、敗戦で彼らが朝鮮へ帰るとき、退職金を払い激励会を開いて労をねぎらっているのだ。それが、「カネ欲しさ」で、強制労働となり、賃金も未払いという「脚色」が付けられることになった。

     

    日韓基本条約で無償3億ドルが、日本から韓国へ支払われた。だが、その名目は「経済協力金」で「賠償」でないから、改めて個人賠償を支払えという韓国大法院の判決である。永久に、日本からカネを絞り取ろうという魂胆と見受けられる。どんなに公平な視点で日韓関係を見ようと務めても、こういう事態の積み重ねでは、日韓和解は遠い道であろう。

     

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    台湾政府は、何ごとによらず中国政府から虐められている。中国へなびかずに、米国と協調しているからだ。だが、米中貿易戦争の始りで、にわかに状況が変ってきた。米中紛争が長期化する見通しの下に、台湾IT大手企業が中国工場の一部を台湾へ回帰させる動きが顕著なためだ。

     

    台湾政府は、台湾IT企業が中国へ進出し、間接的に「中国製造2025」の実現に協力することが、台湾の独立を脅かすことに気付くことになった。そこでこの際、台湾への回帰を促すべく、補助金を支給して支援する姿勢を強めている。

     

    中国は、対米輸出トップ20社のうち、15社までが台湾企業である。両岸(中台)が、平和で中国から台湾への威嚇もなければ、中台はウイン・ウインの理想的な形のはずである。最近のように、あらゆることで中国の台湾虐めが起ると、「敵に塩を送ることはない」というクールな考えに戻るのは当然だ。

     

    『ブルームバーグ』(12月29日付)は、「台湾・桃園、米中緊張で存在感高まる、大手エレクトロニクスが熱い視線」と題する記事を掲載した。

     

    米中貿易戦争で大きな恩恵を受けている都市がある。台湾北西部にある桃園市だ。台北市から車で1時間ほどの桃園市は長年、低賃金を求める台湾企業が中国本土に生産拠点を移したことで低迷していた。だが、米中間の緊張がエスカレートする中、テクノロジー大手各社は一部生産を台湾に戻しつつある。そしてその移管先の多くが、約200万人の人口を有する同市だ。トランプ米大統領は対中関税の強化を示唆しており、こうしたトレンドに拍車が掛かりつつある。

     

    (1)「中国本土に代わる生産拠点を探す大手エレクトロニクスメーカーは、同市に熱い視線を注いでいる。サプライチェーンの構図は台湾の大手企業が中国各地の生産拠点で製品を組み立て、「HP」や「デル」といったラベルを貼って出荷するというものだったが、その形が崩れる可能性もある。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を組み立てている和碩聯合科技(ペガトロン)とノートパソコン(PC)メーカーの仁宝電脳(コンパル)は今、1980年代以降続いた枠組みから脱却する準備を進めている。同じくアップルのサプライヤーとなっている英業達(インベンテック)を含めたこれら台湾3社は同市での事業を拡大。同市に本社を置く広達電脳(クアンタ)なども工場用地を探しており、同市は現在、台湾で最も人口が急速に増えている都市となっている」

     

    桃園地区が、台湾企業による中国からのUターンで注目される存在になった。桃園市は長年、低賃金を求める台湾企業が中国本土に生産拠点を移したことで低迷していた。それが、一気に春が来たように活気を取り戻している。中国は、この姿を横で見ており、米中貿易戦争を終わらせたいという焦りを覚えているに違いない。その米国は、中国の足下を見透かしており、次々と交渉のハードルを引上げている。中国も、苦しい立場に追い込まれた。

     

    (2)「(米国による)関税引き上げは、既に薄い企業利益をさらに押しつぶす脅威となる。バークレイズのエコノミスト、アンジェラ・シエ氏は(米中首脳会談以前に)「(米国が中国からの輸入品に課す)関税が25%に引き上げられれば、台湾企業は生産の台湾回帰や新たな場所への移転を速めるだろう。貿易戦争には不確実性も多いため、工場新設よりも台湾に持つ既存工場の生産能力を増強する動きとなる」と述べていた。台湾当局は免税措置を取るなどし、企業が生産回帰する機運を高めようとしている」。

     

    台湾IT企業は、台湾で工場新設するよりも、既存工場の生産能力を拡張するという安全策をとっている。貿易戦争に不確実性があるためだ。ただ、米中が完全な和解はあり得ない。中国が、米国の覇権を狙っている以上、安保戦略が絡むので将来的には冷戦の激化が予想されている。ただ、習近平氏が失脚する事態となれば事情は変るにしても、それこそ最大の不確定要因である。経営企画にとても織り込める話ではない。

     

    (3)「台湾の月額最低賃金は713ドルと、中国・上海市の労働者が期待できる347ドルの倍以上だ。それでも桃園への関心は台湾企業以外にも広がる。米カリフォルニア州サンノゼに本社を置くスーパー・マイクロ・コンピューターは桃園でのサーバー生産能力を増強し、新たな生産施設を建設する別の計画も進める。同社の同市への投資額は90億台湾元(約324億円)に膨らむと同市当局者は説明する」

     

    サーバー生産能力の増強は、中国のファーウェイやZTEが、自由世界から締め出されるという前提で動き出している。「ファイブアイズ」(米・英・豪・カナダ・ニュージーランドによるUKUSA協定:5ヶ国による高度の諜報活動協定)は、日本・ドイツ・フランス・印度に呼びかけており、中国2社の排除は決定的になった。この結果、今後の需要増が見込めるので、台湾の高賃金でも採算が合うという見通しを持っているのだ。早くも、中国通信機メーカー2社の落後を想定した経営戦略が練られていることに注目すべきであろう。

     

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    12月29日、米中首脳の電話会談が行なわれた。習氏が、米中通商交渉の早期解決を求めたことが分った。これは、米中貿易戦争によって中国の被害が甚大であることを物語っている。中国は、不動産バブルの処理が進まない段階で、米中貿易戦争の大波を被り、いまや瀕死の重傷である。習氏が、ここまでへりくだってきたのは、自らの政治責任追及の声が強くなっているのであろう。「徹底抗戦」を叫んだ張本人が、恥を忍んでトランプ氏へ電話をかけたのだ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(12月30日付)は、「習氏、貿易交渉で早期合意を、トランプ氏と電話協議」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は29日、トランプ米大統領と電話協議し、両国間の貿易交渉について『双方が歩み寄ってウィンウィンかつ世界の利益になる合意をできるだけ早くまとめたい』と呼びかけた。1日の首脳会談で決めた交渉内容に関して「両国の交渉団が積極的に進めている」とも強調した」

     

    中国の当局者は、米国が次々と要求のハードルを引上げていると困惑してきた。今回の習氏の電話会談により、米国が要求する合意書の文書化と事後点検を受入れたのだろうか。後で取り上げるトランプ氏のツイッターでは、「大きく進展しつつあるぞ!」と投稿している。この線で進んでいると見られる。

     

    中国経済が、相当に「痛んでいる」ことは間違いない。独裁国の習氏がここまで折れてきたのは、自己の権力の座が危うくなっているという危機感があるはずだ。8月初めの長老を交えた「北戴河会議」では、米中貿易戦争を始めた習氏の責任が問われたという。その時は。自信満々で反論するほど元気があったが、その後の事態悪化で習氏の形勢がにわかに不利になっている。

     

    (2)「中国共産党機関紙の人民日報(電子版)が報じた。北朝鮮問題についても意見交換し、習氏は「朝米が引き続き対話によって前向きな成果を得ることを支持する」との立場を改めて表明。201911日に米中国交締結40年を迎えることにも触れ、「中国は中米関係をとても重視している。お互いの重要利益を尊重しつつ関係を発展させていきたい」とも語った」

     

    米中首脳電話会談は、人民網が報じたもの。トランプ氏との電話会談の成果をいち早く報じたかったのだ。それほど、トランプ氏の感触が良かったと見られる。来年年11日は、米中国交締結40年になる。習氏は、これに賭けている。それにしても、APEC(アジア太平洋経済協力会議)では、ペンス米国副大統領と丁々発止でやり合ったが、もはやそういう力もなくなってきたのだろうか。

     

    トランプ米大統領は29日、中国の習近平国家主席との電話協議後にツイッターで「取引はうまくいっている」と明かし、貿易戦争の打開に向けた米中協議が順調に進んでいると訴えた。トランプ氏は「長くとても良い電話協議をした」と指摘。来年年31日が期限の米中協議を念頭に、「もし合意が成立すれば、包括的であらゆる分野や争点を網羅したものになる。大きく進展しつつあるぞ!」と強調した。日本経済新聞電子版が伝えた。

     

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    台湾は、中国で猛威を振るっているアフリカ豚コレラの感染を恐れ厳戒態勢だ。台湾の空港では、中国帰りの観光客が中国産豚肉を持ち込まぬように、目を光らせている。たとえ少量でも、一律72万円の罰金が課されており、余りの高額に空港で泣き崩れる人まで出ているという。

     

    豚コレラ予防の特効薬は存在しない。罹病すれば、100%死亡という恐ろしい感染症である。生きた豚の移動や豚肉製品として流通するだけで感染地帯が広がるリスクを抱えている。中国ではすでに北京まで感染地帯に含まれており、いずれ全土へ拡大するものと予想されている。日本の研究では、イノシシの感染症に効くワクチンが、アフリカ豚コレラ予防に効果があるかどうか、試されるという段階である。

     

    台湾政府が、豚コレラの予防を「水際作戦」で食い止めるには、中国から豚製品を持ち込まさせないことに尽きる。それには、厳罰しかないのだ。

     

    『台湾・中央社』は、「中国からの食肉違法持ち込み相次ぐ、豚コレラ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国で猛威を振るうアフリカ豚コレラ(ASF)の侵入を防ぐため、台湾は水際での取り締まりに力を入れている台湾。今月中旬からは食肉を違法に持ち込んだ際の過料が大幅に引き上げられている。桃園空港では21日、中国人による食肉の違法持ち込みが3件摘発され、それぞれに20万台湾元(約72万円)の過料が科された」

     

    治療薬のない豚コレラ予防のためには、豚肉持ち込みに対して厳罰もやむを得ない。それにしても、次のパラグラフで取り上げられるように、豚ひき肉約0.3キロ。値段は50人民元(約800円)相当の罰金が72万円である。罰金は900倍にも相当する。

    (2)「3人のうち、台湾に嫁いだ女性が所持していたのは、豚ひき肉約0.3キロ。値段は50人民元(約800円)相当で、里帰りをした際、冬至(今年は12月22日)に家族で食べる団子の材料にしようと買い求めたものだった。女性は想定外の出費にその場で泣き崩れたという。ほかの2人はいずれも個人旅行客で、このうち一人の女性は豚足約3キロ、もう一人の女性は鶏肉やアヒル肉、豚肉、ビーフジャーキーなど約1.2キロを所持していた。機内アナウンスや空港内のポスターなどで告知しているものの、3人は『字が読めない』『気付かなかった』などと弁解したという」

     

    新制度は、無許可で食肉を持ち込んだ場合の過料の最高額が100万元(約360万円)、中国などASF発生地域から豚肉製品を違法に持ち込んだ場合の過料の最低額が20万元である。これだけの罰金をかければ、中国からの持ち込みも防げそうな感じがするのだが、さて。

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