勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2019年02月


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    中国の大気汚染が世界で注目されている。ここ2年ほど、強制的に排煙を出す企業の取締を強化しているので、北京に青空が戻り始めたとニュースになっている。これで、中国の環境問題が改善され始めたと見るならば、大間違いである。水質と土壌の汚染が深刻である。何ら改善策が打たれていないからだ。

     

    習近平国家主席に就任して以来、極度の情報隠蔽が行なわれている。環境問題では、大気汚染の改善だけが「特筆大書」されて報道されている。これは、「PR用」である。外国人が見えない所では、改善どころか深刻な事態が続いている。

     

    『大紀元』(2月25日付)は、「枯渇する揚子江、重度の土壌汚染、効果的な環境対策講じられていない」と題する記事を掲載した。

     

    カリフォルニア大学ロサンゼルス校は、中国環境問題について調査する「中外対話(China Dialog)」創業者イザベル・ヒルトン氏を講師に招いた。同校公式ページで19日、ヒルトン氏のインタビュー記事を載せた。聞き手は同大法学アレックス・ワン教授。


    (1)「ヒルトン氏は、中国の環境問題は大気汚染に注視されがちだが、水汚染はそれ以上に深刻だと語った。同氏によると、チベット高原を水源とし6000キロ流れて東シナ海に注ぐ「母なる河」揚子江(長江)は、数年前、流れが海に到達する前に、枯渇してしまうほどだったという。原因は、過剰な引水と地下水搾取、上水の破壊、汚染など複数あり、いずれも単純な解決策はないという。さらに、中国河川の地表水の20%が汚染レベル5という、人が接触するのも危険と認定される深刻な汚染となっている。
    ヒルトン氏は、『水不足だけではない。ひどい管理体制であり、はなはだしく汚染している』と述べた。また、長江北部を中心に、住民らはすでに衛生的ではない水を飲用せざるを得ない状態になっている」

     

    揚子江の水が、途中で消えてしまう問題は、数年前から指摘されている。中国は、1人当たりの水資源量で、世界的な「最貧水国」である。水の汚染問題は、企業が規制を守らないことが主因である。「ルールを守らない中国」は、上は中国政府から下は企業までと、止まるところを知らない。こういうルール違反が、摘発もされずに野放しである。被害者は、それを知らない末端の住民である。

     

    (2)「ヒルトン氏によると、次に軽視されている環境問題は、土壌汚染だという。深センなど情報技術(IT)先駆の都市を含む広東省は、香港の投資も受けて、あらゆる業種の工場を設置している。中国共産党政権は、全国規模の土壌汚染調査をしているといっているが、不透明さや機密事項が多数あり、外部調査も阻まれるため、実態把握が困難になっている。中外対話の調査者は、広東省東莞の土壌汚染による健康被害を調査しようと試みたが、当局の強い抵抗に遭い、実現できなかった。中国中央テレビは2016年、江蘇省常州市の学校で、短期間で生徒500人がリンパ腫や白血病にかかったことを明らかにした。原因は土壌汚染とされる」

     

    中国政府は、土壌汚染調査をやっているが結果を公表せず、「国家秘密」扱いである。公表されると、その土地が売却できなくなるためだ。土地は、地方政府にとって貴重な財源で売却益が歳入に計上されている。こうした国民無視の政策で、生徒500人がリンパ腫や白血病にかかった事例もある。国民の命より、財源確保が優先される政治である。

     

    (3)「2018年、中国はこれまで米国、欧州、日本など世界先進国から受け付けていたプラスチック廃棄物の輸入を停止した。ヒルトン氏はこれを評価しているが、いまだに当局は固形プラスチックの処理に明確なルールを設けていない。また、廃棄処理工場の設置は、住民からの凄まじい反発を受け、難航している。加えて、流行するインターネット・コマース(EC)で使用される梱包材量の消費量も増加して、廃棄処理問題の解決には、現状はほど遠いと指摘している」

     

    新たな汚染源は、プラスチック廃棄物の輸入である。これを細かく粉砕して原料にしているが、その過程がきわめて危険そのもの。政府は最近、これを輸入禁止処分にした。通販の普及に伴い、梱包材量の消費量も増加、新たな廃棄処理問題を起こしている。日本のように家庭から出るゴミ処理がルート化されていない結果だ。この程度の国家が、原子力空母を4隻建艦するとか、世界覇権を狙うとか、余りにもかけ離れた夢を持っている。


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    韓国ほど気の毒な国家があるだろうか。盧武鉉・元大統領の亡霊に縛られている。「親日」を世界最大の悪と捉える。そういう国家に発展性があるだろうか。どうしても、日韓併合時代が朝鮮民族の恥辱感から抜け出せない。悪いのは日本である。その日本を「やっつけろ」という思いなのだろう。これを裏付ける韓国政府による「世論調査」が発表された。

     

    『中央日報』(2月27日付)は、「韓国人8割、親日残滓は清算されていない」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府文化体育観光部は26日、「三・一運動および大韓民国臨時政府樹立100周年国民認識世論調査」の結果を公開した。

     

    この調査項目を見て、先ず驚かざるを得ない。韓国政府が、国民に対して悪感情を煽る項目を設定して、回答を迫るという煽動型調査である。韓国政府が、日本へ宣戦布告も同然の世論調査を行なった意図は、日本と和解しないというシグナルである。あくまでも日本と「戦う」という意志表示であろう。

     

    (1)「親日残滓の清算については80.1%が「清算されていない」と答えた。「あまり清算されていない」(49.3%)と「全く清算されていない」(30.8%)を合わせた数値だ。一方、「清算された」という回答は15.5%にすぎなかった。

    親日残滓という言葉に、悪意が込められている。隣国の日本に対するこういう意識を持たせることが、政治的な意図であることは明白である。その「悪い日本」が、朝鮮近代化の基礎を「無料」でつくったのだ。現代の韓国人は、こういう歴史的な事実を何も知らないで進歩派なるものに乗せられている。気の毒に思う。


    (2)「清算されていない」と考える理由は、半分近い48.3%が「政治家・高位公務員・財閥などに親日派の子孫が多いため」と回答した。

     

     「親日派の子孫」という設問が問題である。韓国社会が近代化されず、宗族社会の遺物を背負っている証拠は、この「子孫」という言葉に表れている。人間は生まれた門閥にかかわらず平等という近代精神から見て、およそ100年も遅れた感覚である。こういう国家に、現代の日本を語る資格があるだろうか。

    (3)日本に対する好感度を問う質問では69.4%が「好感が持てない」と答え、「好感が持てる」は19.0%にすぎなかった。

     

    韓国政府は、「好感が持てない」日本へ大学生を就職させようとしている。韓国青年へ裏切り行為をしているに等しい。こういう矛楯した項目を立てること自体 、日本への恩を仇で返すという韓国人特有のビヘイビアである。

    (4)「好感が持てる」という回答は年齢が低いほど高かった。19-29歳が33.3%、30代が20.3%、40代が16.4%、50代が15.7%、60代以上が12.9%だった。

    日本へ好感を持つ比率は、若者になるほど高くなっている。日本が有望な就職先であるからだ。日韓併合時代が終わって70年以上も経ち、日韓基本条約ですべて過去は清算したと思っていたら、この結果である。ならば、中国による1000年単位の支配に対して、こういう恨みを持っていないのか。

     

    中国は、若い娘を強制的に「上納」させてきた。朝鮮はこれを避けるために、幼子の娘を結婚させるという「自衛措置」をとったのだ。そういう哀しい話しを忘れた振りをして、日本だけを攻め立てる。冷静に歴史を見つめるべきだ。


    (5)日本との未来志向的関係のためには「謝罪と補償を見直すべき」という回答が40.6%で最も多く、「歴史共同研究」(25.4%)が必要だという意見も多かった。

    政府の世論調査で、堂々と「謝罪と補償を見直すべき」という項目を入れている。日本は、こういう文在寅政権を相手にできるだろうか。政府が煽動して「謝罪と補償」を求めている。こういう言葉は使いたくないが、金目当てであることは疑いない。

     


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    中国経済の核は、意外にも国有企業でない。民営企業である。例えば、民営企業は税収の5割、GDPの6割、都市雇用の8割と、経済活動の過半を占める。だが、習近平氏は国有企業を中国経済の核と定めている。この認識ギャップが、中国の経済発展にブレーキになっている。

     

    国有企業優遇論者の習氏の回りには、市場経済を軽視する人物が集まっている。その結果、民営企業を育成する気構えがなく、食い物にする傾向が強い。民営企業家の多くが、これに悲鳴を上げている。ついに、中国の将来に見切りを付け、移住する民営企業家が現れた。

     

    『大紀元』(2月26日付)は、「『中国は深い淵に向かう船のよう』ある民営企業家の文章が反響」と題する記事を掲載した。

     

    上海市出身の54歳の実業家・陳天庸氏は、「中国は深い淵に向かう船のようだ」「根本的な変化がなければ、この船は転覆し、船にいる人が死んでしまうという運命は避けられないだろう」。米紙『ニューヨーク・タイムズ』にこう話した。

     

    (1)「陳氏は今年1月、南欧のマルタに移民した。同国行きの飛行機で陳氏は、『なぜ中国を離れるのか、ある民営企業家の飛行機からのお別れの言葉』と題する文章をSNSに投稿した。中国から離れた理由について、重すぎる税負担、俎上の魚のように民営企業からお金を吸い上げる当局の理不尽さ、製造業の海外移転など20項目を上げた。文章は瞬く間に拡散されたが、その後当局によって削除された。」

     

    中国の民営企業家が、南欧のマルタへ移住した。その理由が、SNSに投稿されて関心を集めている。重すぎる税負担や、当局からの理不尽な現金要求の実態を明らかにしている。当局によって投稿はすぐに削除された。だが、『ニューヨーク・タイムズ』中国語電子版は、当の民営企業家の陳氏にインタビューした。投稿の全貌が判明したのだ。

     

    (2)「『ニューヨーク・タイムズ』中国語電子版24日の報道は、陳氏が多くの企業家の本音を代弁したと指摘した。『中国の実業家は、中国の未来に対する自信まで喪失した』と報じた。陳天庸氏は、中国当局が民営企業から多くの資金を搾取しようとしていると述べた。税負担と社会保障の負担額は企業にとって重い負担となっている。社会保障の負担分は社員の給料の40%近くに達している。腐敗幹部も企業をATMのように金銭を要求している。陳天庸氏は投稿のなかで、国内の企業家に対して『(中国から)離れるなら、早く行動してください』と呼び掛けた」

     

    中国当局は、民営企業へ多額の税金を課している。国有企業にも、同じように課税しているのかは分らない。民営企業を政府の「ポケット」代わりにしていることは間違いなさそうだ。

        社会保障の負担分は社員の給料の40%近くに達している。

    ②腐敗幹部は企業をATMのように使い金銭を要求してくる。

     

    中国経済は今後、バブル崩壊で成長率の急減速に見舞われる。こうなると、民営企業は一段の「搾取対象」になりかねない。社会保障費の増大や軍拡を考えれば、民営企業は太るどころか、やせ衰えるであろう。

     

    (3)「中国市場研究機関、胡潤研究院が1月中旬、国内富豪465人を対象に行った中国景況感調査を発表した。これによると、『中国経済に強い自信がある』と示した人は、回答者の3分の1を占めた。しかし2年前、同様の回答をした人の数は全体の3分の2であった。また、1月に発表された調査では『中国経済に全く自信がない』と答えた人は全体の14%で、2018年の2倍以上となった。半分以上の回答者は、海外への移民を検討中、またはすでに手続きを始めたと示した

     

    国内富豪465人を対象にした調査では、半分以上の回答者が海外への移民を検討中、またはすでに手続きを始めたと回答した。母国への愛着心を捨てざるを得ないほど、中国は居心地が良くなくなっている。ビジネス環境の悪化という意味だ。この中国が、さらなる発展ができるのか。首を傾げざるを得ない。


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    韓国人は、絶対に他人へ謝らないという。自分があくまでも正しいと主張する。これでは、話し合いが成立しない。日韓問題の軋轢は、すべてこの韓国式「詭弁」から始っている。

     

    韓国メディアに、「論点すり替え」で日本を批判する典型的記事が登場した。

     

    『中央日報』(2月26日付)は、「文喜相議長の発言めぐる態度、村上春樹の忠告」と題する記事を掲載した。筆者は、同紙のソ・スンウク東京総局長である。

     

    (1)「25日午前、衆議院予算委員会で自民党議員と外相の間で、次のような質疑が交わされた。

    平沢勝栄自民党議員=(天皇陛下は)会ったこともないのに文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が、勝手に頼まれたと言った可能性がある。天皇陛下は100%、こういう話をするはずがない。宮内庁も『面談をしたことはない』と確認したが、放っておけば事実のように広まってしまう。
    河野太郎外相=(天皇陛下が)文喜相議長と面会した記録はない。(文)議長の一連の発言は非常に不適切だと考えている」

     

    韓国の文議長は、天皇陛下に10年前に面会の際、「韓国を訪問し元慰安婦女性に合わせてくれるように依頼された」と発言した。この言葉の真偽が、日本の国会で問題になり前記のような質疑になった。私は、2月18日のブログで「ウソ発言である」と断定している。状況証拠から見て、「陛下が韓国政治家にそのようなことを依頼するはずがない。この問題は、国事行為で政府の承認が必要」という内容だ。宮内庁記録でも文議長が、陛下に面会した記録はないという。完全なでっち上げ発言で悪質である。

     

    (2)「俎上に載せられたのは、韓国の文喜相国会議長が最近米国で話したという聯合ニュースのインタビューだ。『戦争の主犯の息子である日王(天皇)が慰安婦のおばあさんたちに謝罪しなければいけない』と発言したブルームバーグのインタビューで波紋を呼んだ文議長が、聯合ニュースのインタビューでまた天皇に言及した。『10年前に日王から韓国に行きたいので仲立ちしてほしいと頼まれた時、とにかく(元慰安婦の)おばあさんたちが集まっているところに行って“申し訳ない”と一言さえ言えばよいと伝えた』という内容だ」


    慰安婦問題は、安倍・朴の首脳において解決済みである。今になって、被害者の了解を得ていないから無効という理屈は通用しない。韓国の元慰安婦の半分以上の人達が、日本の提供した資金を受領している。これは、了承したという意味である。未受領者は少数だ。それにもかわらず文政権は、日韓慰安婦合意を骨抜きにした。二国間の協定が、相手国の了解を得ず一方的に破棄同然の扱いになっている。日本が怒るのは当然である。国家間の協定を守らない韓国に、いかなる抗弁も許されない。

     

    (3)「警察幹部出身の自民党8選議員の平沢氏は、『文議長が10年前に天皇陛下に会ったかどうかが核心』とし『早期に措置を取るべき』と政府を促した。もちろん政治家の発言の真偽は重要だ。ない話を作り出したとすれば発言全体の信ぴょう性が疑われかねない。したがって文議長も適当な機会に事実をありのままに説明するのが正しい」

    文議長は、陛下のねつ造発言し、日本へ謝罪を求めるという二重の違反行為をしている。

    ①陛下のねつ造発言

    ②日韓慰安婦協定が正式破棄されていない以上、韓国は「慰安婦問題について一切の発言をしないという日韓合意に違反している。

     

    ここから韓国の得意の「論点すり替え」がはじまる。

     

    (4)「しかしこれよりもっと大きな問題は歴史問題に対する日本の政治家の態度だ。文議長や韓国人が望むことは、慰安婦のおばあさんに対して本当に申し訳ないという気持ち、その気持ちにふさわしい態度と行動だ。「天皇陛下が文議長に会ったのか」より、慰安婦・徴用問題で深まった両国間の感情の溝をどのように埋めることができるかに集中しなければいけない時だ。しかし日本の政治家は「どうか月を見てほしい」という要請には応じず、月に向けた指先にばかり毎日怒っている」

    韓国は、文議長の「ウソ発言」がばれて不利になると、次のように論点をすり替える「得意技」を見せる。「謝罪せよ」という情緒論で、自らのウソを棚上げするのだ。

     

    日本は、すでに総理大臣名で謝罪している。日韓慰安婦合意で10億円を提供した。韓国はそれを受入れたのだ。今になって、「もっと謝罪せよ」と言い出すのは契約違反である。解決した問題をぶり返す。あり得ない話なのだ。今起っている問題はすべて、韓国国内で解決すべきことがらである。それを怠り、日本へ持ち込むべきでない。韓国は、もっと大人になるべきだ。子どものような振る舞いを止めるべきである。


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    文政権は、ダブルスタンダードである。これまでの保守党政権を「積弊」と名付けて一掃を図っている。刑務所送りや自殺者を出すなど北朝鮮の「粛清」を真似た振る舞いを続けている。一方で、自ら唱道した「所得主導政策」の大失敗が明確になると、「財政主導政策」に衣替えして財政バラマキ政策に転換し始めた。正確に言えば、「移転所得主導政策」である。文氏は、この政策を「国家包容政策」と呼んでいるが大間違いである。

     

    「移転所得」とは、生産活動の伴わない所得である。補助金がその代表例であう。財政から支出されるもので、最低賃金の大幅引上げによる失業者救済の5兆3000億円はこの類いである。もしも、最低賃金の引上げ幅を数%程度に収めておけば、韓国経済は順調に回っていたはずだ。実際は、その2~3倍もの引上である。成長軌道から外れるのは当然である。

     

    文政権には、経済原理が通じない独断的な面が多い。ユートピアを夢見ているに過ぎない。文氏が、大統領任期の終わる2022年の経済は2%を割込み、財政面でも追い込まれるに違いない。右に巻くべきネジを左に巻いているので、機械(韓国経済)はガタガタになっている。

     

    革新派は野党時代、保守党政権の大型インフラ工事を「土建国家」と非難してきた。ところが、文政権はさらに大掛かりな「土建国家」を目指している。政策に定見がなく、韓国経済の自律的な発展を拒み、財政依存型の国家へ急傾斜しているからだ。前記の「移転所得主導政策」に加えて、赤字をつくるだけの大型インフラ工事に着手する。韓国経済は、もはや引き返しのきかない段階へ踏み出してしまった。

     

    こうして韓国の衰退現象は、文政権によって加速されるに違いない。文氏には、経済政策の欠陥を改める意思がない。日本としては、見物しているほかない。

     

    『朝鮮日報』(2月26日付)は、「韓国政府の土建ポピュリズムと地域利己主義」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国のリベラル系野党・平和党の国会議員らが25日に会見を開き、『政府が事前調査を免除した総額24兆ウォン(約2兆3000億円)規模の公共事業のうち、全羅北道のものはわずか1兆ウォン(約1000億円)しかない』とした上で、『全羅北道を愚弄(ぐろう)している』などと主張した。議員らはセマングム空港などに今すぐ税金を投入することも要求した。事業の妥当性を調べる事前調査を免除するのは、次の国会議員選挙で政府与党が票を確保するための税のバラマキに他ならないが、これをきっかけに全国各地で税金を確保するための競争が起こっているのだ。これでは税金ではなく、先に手に入れた者が得する持ち主のない金のようなものだ。このような現状は、政府が23件の妥当性調査免除事業を発表した時から予想されていた。とりわけ大統領の側近が知事を務める慶尚南道は別の地域に比べて2~3倍以上多い4兆7000億ウォン(約4700億円)の事業が承認され、他地域から不満の声が上がっている」。

     

    政治家が、選挙区で大型インフラ投資を実現させることは、政治手腕を発揮すると誤解されている。現在の中国を見れば分るように一度、この麻薬を口にすると引き返しが難しくなる。財政資金であるから、誰も懐が痛む訳でない。こうしてルーズなインフラ投資依存政策は、韓国経済の背骨を溶かす危険性が高い。

     

    (2)「現金バラマキの福祉競争も加熱している。中高生の制服代として1人30万ウォン(約3万円)支給は今や全国に広まり、釜山や金浦などでは中高生の修学旅行代まで支援している。ソウル市中区は基礎年金とは別『オルシン(高齢者の敬称)功労手当』として月10万ウォン(約1万円)を支給して周囲の区を刺激し、京畿道城南市はマンション外壁の塗装費用まで税金で支援する条例を審議中だ。南欧や南米の破綻国家はどれも同じようなプロセスを経て衰退していったが、韓国社会では誰もその危険性を指摘しようとさえしない」

     

    韓国は、「土建バラマキ」のほかに「福祉バラマキ」を始めた。国会選挙を控えてバラマキ競争は本格化する。文氏は、「国家包容政策」なる福祉政策に乗りだそうとしている。福祉政策の前提には、高い生産性維持が必要だ。文政権は、こちらには関心を持たない大衆迎合主義に陥っている。


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