勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2019年02月

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    自衛隊が、今年10月に予定している観艦式で、中国はすでに招待されている。一方、レーダー照射問題で対立する韓国への招待状がまだ送られていないと、中韓で話題になっている。

     

    日本は、昨年10月の韓国主宰の国際観艦式で参加の条件に、「旭日旗」の不掲揚を求められるという屈辱を味わされた。旭日旗は、自衛隊旗であり国際的に承認されている。韓国国防部は、旭日旗が「戦犯旗」として騒ぎ立てる一部メディアに流され、旭日旗の不掲揚という考えられない要求を突付けた。結局、日本は参加を見送った。

     

    その後の日韓をめぐる問題を考えれば、韓国軍艦を招待すべきでなかろう。日本としては、宥和精神で招待論も出るであろうが、これは長い目でみて良い結果を生まない。これまで日本は、「まあまあ主義」「事なかれ主義」で、韓国の要求をほぼ飲んできた。そういう甘さが、韓国を増長させている。今回は、ピシッと線引きして招待を見送ることが、反省を求める機会になろう。

     

    『レコードチャイナ』(2月26日付)は、「自衛隊観艦式に中国を招待、韓国はまだ招待されず、『海自と韓国海軍の関係はすでに崩壊状態』と中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『観察者網』(2月25日付)は、自衛隊が今年10月に予定している観艦式で中国がすでに招待された一方で、レーダー照射問題で対立する韓国はまだ招待されていないと報じた。


    (1)「記事は、『日中両国関係の回復に伴い、中国海軍と海上自衛隊の雪解け、交流回復が進む一方で、レーダー照射問題を理由に海上自衛隊と韓国海軍の関係はすでに崩壊状態にあると言える』と伝えた。そのうえで、日本の複数メディアが25日に、『防衛省が多くの国を招待して今年10月に行う予定の自衛隊観艦式で、韓国が招待国リストに入っていないことが政府関係者の話から明らかになった』と報じたことを紹介。観艦式は海上自衛隊にとって最大規模のイベントで3年に1度開催され、首相が現場で艦隊を観閲するとしたほか、防衛省がすでに米国、オーストラリア、インド、シンガポールに加えて中国にもすでに招待を出していると伝えた。中国の参加が実現すれば、海上自衛隊の観艦式への参加は初めてとなる

    (2)「記事は一方で、現時点で韓国に招待を出していないことについて、韓国に対し強硬的な立場を見せる自民党議員が、『レーダー照射問題を棚上げにして韓国海軍を呼べば、誤ったメッセージと受け取られかねない。韓国が謝らないのなら、招待すべきでない』と発言したことを伝えた。また、岩屋毅防衛相がこの件について『すでに招待しないことを決定したというのは事実とは異なる。各種の状況を総合的に考えて適切に判断する』とコメントしたことを紹介したうえで、『観艦式まで半年以上ある中で、方針転換の余地を残したことは妥当といえる。ただ、レーダー照射問題を契機に、日韓両国の防衛関係悪化がかなり長い時間続くことは間違いなさそうだ』と評している」

     

    韓国としては、参加しにくい雰囲気であろう。レーダー照射問題で、あれだけ日本を非難攻撃した手前、参加を遠慮すべきだ。韓国は、友邦国に対しあたかも仇敵に対するように、罵詈雑言を発した。そういう礼儀を忘れた軍隊とは、冷却期間を置くべきだろう。

     

    韓国が、中国を恐れているのはその苛烈な報復主義にある。日本は、報復することなくすべてを受入れる包容主義できた。この差が、韓国の日中に対する差別的な対応を生んでいる。国家間でも「もたれ合い」は精算することだ。不条理な要求を突付ける場合は、それなりの厳しい対応をすべきである。日韓関係は、過去のもたれ合いを精算して、中国のように「ドライ」な対応に立ち戻る時期である。


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    中国でインフラ投資の資金調達難が起こっている。債券の売れ行きが悪い結果だ。投資家が、債券の安全性に疑念を持ち始めたもの。地方政府の発行する債券が、デフォルト懸念を持たれるという異常な事態に落込んでいる。

     

    習近平国家主席が、先の党幹部勉強会で指摘した「システミック・リスク」(金融機関の連鎖倒産)発生への危機感は、すでにインフラ投資の資金調達難に表れている。予断を許さない状況になってきた。

     

    『ロイター』(2月26日付)は、「中国、投資家の信頼感低下がインフラ投資を圧迫―発改委」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国の国家発展改革委員会(発改委)は26日、投資家の信頼感低下がインフラ投資計画を圧迫しているとの認識を示した。一部の省は計画されたプロジェクトで急速な落ち込みがみられるという。中国では、インフラプロジェクトは通常、地方機関やその他国家系機関が実行する」

     

    中国政府は、投資家の信頼感低下がインフラ投資計画を圧迫していると指摘している。資金調達が困難になっていることを表明したもの。インフラ投資が、財政資金支出でないことに注目すべきだ。債務でインフラ投資をするところに、過剰債務の一端が現れている。一部の省(地方政府)では、景気下支え役のインフラ投資が急速に落込んでいる、と率直に指摘している。

     

    (2)「発改委は報告書の中で、製造業界の投資も今年上半期に一定の下押し圧力にさらされる可能性があると指摘。昨年終盤以降、さえない需要や価格低迷を受けて企業利益が圧迫されていることが背景だ。不動産投資については、一部のプロジェクトが2018年以来建設中のため、第1・四半期は比較的急速な伸びを維持するとしつつ、新規着工は減少する可能性があるとした」

     

    現在の企業設備投資低下は、10年周期で発生する設備投資循環による落込みである。景気循環論で指摘する「中期循環」の発生が起ったものだ。上半期という短期に終息する性格でない。この点の認識が、中国政府には欠けている。

     

    不動産投資は昨年の今頃、大規模な着工をしていた。私は当時、その危険性を指摘しておいた。いよいよ、そのリスクがこれから発生する。不動産開発企業は、資金調達のために住宅在庫を投げ売りせざるを得なくなろう。「住宅暴落」に陥れば、住宅ローン返済困難の続出で信用機構は大きく傷つき、「システミック・リスク」が現実化する恐れが強まる。

     

    日銀の黒田総裁が、国会で中国経済について「急減速論」に触れている。

     

    『ロイター』(2月26日付)は、「中国経済は『かなり減速』、年後半に持ち直しへ=黒田日銀総裁」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「日銀の黒田東彦総裁は26日午前の衆院財務金融委員会で、中国経済について昨年後半以降、『かなり減速している』との認識を示した。もっとも、中国当局の政策対応によって年後半には持ち直すとの見通しを語った。今井雅人委員(立憲)への答弁。総裁は、中国経済が減速している背景について、政府による過剰債務の圧縮と米中貿易摩擦が中国企業に影響を与えているとの見方を示した。もっとも、『中国当局はすでに財政政策、金融政策において拡大策、刺激策をとっている』と述べ、年後半には景気は持ち直し政府が示している6%前半の成長率になるのではないかと語った」

     

    日銀総裁が、中国経済について発言するのは珍しい。「かなり減速している」と認めている。年後半に持ち直すとの見通しを語っているが、「外交辞令」と読むべきだろう。率直な見方を発言したならば、外交摩擦に発展する。現在の中国経済は、設備投資循環と在庫循環が重なっている。「短期回復」はあり得ない。


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    米中通商協議は、大詰めを迎えている。中国が、3月5日から始る全人代(全国人民代表大会、国会)を前に、米国が追加関税を科す事態となれば、習近平氏は最悪局面になるはずだった。それが、どうやら回避できる見通しである。

     

    一方の米国には、新たな悩みが出てきた。トランプ氏が「ディール」でさらなる成果を狙い、ファーウェイ問題で妥協するのでないかと危惧され始めた。かつて、トランプ氏は、ファーウェイ問題を取引きに使うニュアンスで話していたからだ。仮に、そういう事態になったら、米国の政治から独立している司法が、行政に利用される最悪ケースになる。

     

    中国に、司法の独立はない。習氏が、そう明言している。米国に司法の危機を招かぬよう、トランプ氏を監視すべきだ。もし、そうなると民主党が総攻撃を開始して、トランプ氏は一挙に不利な立場へ追い込まれよう。次期大統領選も危うくなる。習氏の誘惑に乗らないことを祈るだけだ。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2月25日付)は、「米中協議とファーウェイ問題は分けよ」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「米国と中国は新たな貿易協定に向けて前進しているように見える。それは、関税が米中経済に与えている打撃からの回復に欠かせない動きだ。だが一方で、ドナルド・トランプ米大統領が通商交渉の一環として、米国法をないがしろにするリスクが浮上している。そのリスクが鮮明になったのは22日、記者団がトランプ氏に対し、米国が貿易協定の一環として中国の華為技術(ファーウェイ)に対する起訴を取り下げる可能性について質問した時のことだ。トランプ氏は『今後2週間ほどの間にその全てを議論する。そして米国の連邦検事や司法長官らと話す』としたうえで、『だが決定はこれからだ。今現在は議論してない』と述べた」

     

    習氏は、ファーウェイ副会長の孟氏を釈放させることに全力を挙げている。孟氏が米国の司法当局の監視下に入ると、中国の最大秘密が漏れる危険性が高い。それだけに、相当な手を使ってくるにちがいない。くれぐれも、用心すべきだ。交渉の議題にあげないことだ。

     

    (2)「ちょっと待って欲しい。連邦検事は貿易交渉の担当者ではない。米国の法律を執行する検察官であり、先月にはファーウェイの孟晩舟・最高財務責任者(CFO)を対イラン制裁違反で起訴している。従業員が米通信会社Tモバイルから技術を盗み出したとの罪でファーウェイも起訴した。米国が貿易協定の一環としてこうした起訴を取り下げるかもしれないとの示唆は、起訴が政治的だとする批判の説得力を高める。ファーウェイと孟氏は不正を否定している。起訴の狙いが単に貿易について中国に圧力をかけることなら、米司法省はそれを取り下げたうえで謝罪すべきだ。だが孟氏とファーウェイが米国法を犯した証拠が明白で、かつトランプ氏が中国への大豆輸出を増やすためにそれを見過ごすのだとすれば、米国の制裁と司法に対する信頼感は損なわれるだろう」

     

    孟氏起訴の狙いが、単に貿易について中国に圧力をかけることなら、米司法省はそれを取り下げたうえで謝罪すべきである。社説では、こう強調している。司法権の独立は、民主主義の根幹である。トランプ氏が、その根幹をないがしろにすることがあれば、民主党は絶好の機会と攻め込んでくるだろう。トランプ氏はこれまで、いくつかの点で法律違反の議論を呼んでいる。ファーウェイと取引に転じるようなことがあれば、トランプ氏の次期大統領はあり得ないだろう。そのような、法を無視する人間を大統領に据える訳にはいかない。

     

    (3)「また、米国の要請で孟氏を拘束したカナダに対してもひどい仕打ちとなる。中国はお返しとして、カナダ人2人を明らかに政治的理由で拘束したのだ。米国が起訴は政治的なものであり、大統領の気まぐれで取り下げになるとの結論に至るのなら、なぜカナダをはじめとする同盟国がそうした外交リスクに耐えなければならないのか。

     

    米国は、孟副会長逮捕に当たりカナダ政府に大変な負担を掛け、逮捕できたという事情がある。それを無視して、通商協議の取引材料に使ったということになれば今後、米国へ協力する国はなくなる。米国は、世界の孤児同然の扱いを受けるだろう。

     

    (4)「ファーウェイを巡るトランプ氏の発言は、世界の政治は不動産売買に似た取引で成り立っているとの同氏の見解を反映しているようだ。トランプ氏は、自身と習氏が条件で合意できればそれで済むと思っているように見える。習氏にとっては、それは真実だ。中国の独裁体制では自身の言葉が法律なのだから。だが、法を上回る人物などいない米国ではそうはいかない」

     

    トランプ氏は、「ディール」へ入る前に、使っていい手段と使ってはならない手段があることを認識すべ きである。トランプ氏の次期大統領選が、「ディール」にかかっていることを忘れないことだ。


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    日韓対立に終わりはあるだろうか。文政権になってから、法的に解決した過去の問題が、次々と掘り返されて「未解決」と言い募っている。日本は、「韓国疲れ」を起こしている。もういい加減にしてくれ、というのが日本人の8割が持っている感想だ。

     

    韓国は、日本へ敵対する一方、中国に親近感を持っている。日中が過去、朝鮮半島で起こした問題でも、韓国は違った対応である。中国には泣き寝入りだが、その恨みを日本に向けて「倍返し」である。不思議な対応だ。中国へは一目置いている。その代わり、儒教の朱子学を笠に着て、日本へは「教師」のように振る舞い、自らを恥じ入ることがない。

     

    韓国人のこのような行動を説明する記事が現れた。

     

    『中央日報』(2月25日付)は、「韓国、日本より中国が協力国というのは古代史的観点」と題する記事を掲載した。

     

    駐韓外信記者クラブ会長を務めたマイケル・ブリーン氏は、特に日韓併合時代に関して「韓国人は現実にも偏見にももっと正直になるべきであり、もっと許すべきだと考える」と、韓国人の歴史認識に厳しい診断を下した。

     

    ブリーン氏は1982年以降2年ほどを除いて韓国に暮らす、韓国を「故国に選択した人物だ。これまで金泳三(キム・ヨンサム)大統領、金大中(キム・デジュン)大統領のほか、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席にも取材している。そういう長い取材経験を通して、現代韓国人の対日観に苦言を呈している。

     

    (1)「ブリーン氏は記者に対し、「(歴史認識は)理解できるが、客観的なものではない」とし、また「選別的」という趣旨で述べた。ブリーン氏は「韓国と日本が東アジアで自由市場経済民主主義の2国という事実を受け入れることにも失敗している」とし、「日本より中国が(韓国と)協力国だと見るのは古代史的な観点だ」と話した」

     

    韓国の対日観は常時、日本へ謝罪を求める「資格」「権利」があるという錯覚に満ちている。過去の問題は法的に決着した。それで区切りを付けるということはない。エンドレスであるから、日本は「韓国疲れ」を起こす。個人間でもそうだろう。しょっちゅう昔の愚痴を持出されたら、誰でも去って行くはずだ。

     

    「大同小異」という言葉がある。韓国は、「小異」(こういう言葉を使うとまた噛みついてくるが)を捨てて、「大同」(民主主義・市場主義)を大切にする。この一点を共通の価値観にして守る認識が希薄だ。これが、少しでもあれば事態は変るだろう。

     

    日本へ「謝罪しろ」という言葉の連発は、韓国が自らを上位者として意識し、日本にそれを確認させる作業なのだろう。儒教社会の悪しき慣例である「上下関係」の認識過程である。日本は、こういう無駄なことに付合う習慣がない。韓国は、中国に対しては畏れ多くて言えないから、日本へその鬱憤を向けているに違いない。日本を軽く見ている証拠だ。こういう「我が儘な振る舞い」には、どう対応すべきか。妥協は、さらなる「謝罪要求」につながる。

     

    (2)「日帝強占期(日韓併合時代)を経験した金大中(キム・デジュン)世代と、現在の世代を比較した。「記者として取材してみると金大中世代は、本人も含めて(日帝強占期に)そこまで否定的でなかった。その後の世代がそうなっている。教育のためだと考える。日帝強占期については後回しにできなければいけない」。ブリーン氏は1998年に金大中大統領が小渕恵三首相と「韓日パートナーシップ共同宣言」を通じて韓日間の全面的交流・協力の道を開いたことを高く評価した」

     

    日韓併合時代を生きた韓国人は、日本への一定の配慮があった。朴正熙・元大統領は、お忍びで来日し、日本の政治家とゴルフを楽しんだという。その朴氏は、日韓併合で日本人教師から進学を勧められ上級学校へ進んだ。李朝時代であれば、農家の子どもが進学することなどあり得ないと言っていたというのだ。

     

    文在寅大統領の「師匠筋」にあたる金大中氏も、陰に陽に日本の支援を受けていた。韓国で軍事政権に追われる身の金氏は、日本を舞台に韓国の民主化運動を行なっていた。このように過去の日韓関係は、現在よりもずっと親密であった。トゲトゲしいものではなかったのだ。

     

    (3)「ブリーン氏は代案として、韓国人がアイデンティティーを抗日または反日の枠で探すところから抜け出すべきだと助言した。ブリーン氏は「アイデンティティーを探すためにあまりにも過去志向である。いくつかの意味で現代の韓国人のアイデンティティーは(民主主義が本格化した)1987年に始まった」と語った。

     

    韓国人のアイデンティティーは、1987年(韓国民主化宣言)に始ることを提案している。「反日・親中」が、古代史の名残である以上、いつまでもこの殻に閉じこもって、日本の現代に目を塞いでいることは日韓双方にとって不幸である。ことあるごとに、秀吉の朝鮮出兵を持出す韓国人の心情は図りがたい。この秀吉の後が、日韓併合である。日本へ謝罪を求める「ネタ」に事欠かないのだ。

     

    これが、韓国人の変らぬ「対日観」である。朝鮮は、自らの力で世界史の扉を開けられなかった。その民族としての悲哀が、日本への羨望となり、謝罪を求める嫉妬に変っていくのであろう。この韓国人の心情を癒やす役割が、日本に課されるとは余りにも不合理である。心の傷は、自分で乗り越えるべきなのだ。

     

     


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    韓国経済は、労働組合による強烈な労働攻勢で、労働生産性が低下し、賃金コストが急増するという危機的な状況に立ち至っている。この認識は、広く韓国で定着しているが、データで確認できたのは今回が初めてである。

     

    韓国の労組が、なぜ「労働貴族」と揶揄されるほど強硬なのか。労働者は、かつて弱い立場で企業に利益を搾取された。現在は、労組の団結によって企業搾取を許さない。これが、「正義」の実現と考えている。こうして韓国労組は、企業の支払い能力と無関係に、自らの要求を押し通すことが「正義」そのものである。労組は、賃上げを正義の実現と捉えている以上、この正義論の誤りを諭す方法が、韓国に存在しないのだ。企業が倒産するまで高賃金要求が続くはずだ。重ねて言えば、韓国労組は賃上げ=正義の実現と捉えている。

     

    日韓関係も同じだ。日韓基本条約(1965年)当時は、韓国の経済力が弱くて日本の主張通りに仕切られた。現在の韓国は、日本との経済力格差が縮小したので昔、要求できなかったことは、これから要求可能になる。これが、「正義」の実現であると見ている。だから、日本は韓国の要求を飲め、という言い分である。こうして、韓国独特の「正義論」が絡むので、日韓の妥協はあり得ない。つまり、韓国は正義であると言い張る。日本は、それが「国際法違反」と見ている。平行線である。

     

    ここから本論に入る。

     

    労組の賃金所得は上位所得階層20%に入る「富裕層」である。労働者が、高い賃金を得ることは悪いことでない。問題は、生産性との関連である。高い生産性を上げて高い賃金を得ることが理想である。韓国は、そうなっていないのだ。少ない労働で高い賃金という、はなはだ身勝手な要求を出している。

     

    『韓国経済新聞』(2月25日付)は、「労働生産性急落、金融危機後に韓国の製造業競争力急落」と題する記事を掲載した。韓国経済研究院が24日、「製造業生産性と単位労働費用国際比較」と題する報告書を発表した。41ヶ国を分析したもの。

     

    この報告書によると、韓国の労働事情は2008年の金融危機を前後として大きく変った。金融危機以前は企業に協力的であった。だが、金融危機による企業倒産で、労働者にしわ寄せされたという認識を持つようになった。労組は、金融危機の被害者である。ここから、「少ない労働で高い賃金獲得」へ戦略を変えたと見られる。

     

    低い労働生産性と高い賃金獲得が組み合わさると、賃金コストの上昇が起るのだ。その結果、企業利益率が低下し、国際競争力が低下する。韓国労働組合の行動が、2009年前後に大転換した。それ以降、韓国経済の危機が深まっている。韓国独特の正義論から言えば、韓国労組の「暴走」は食い止められないのだ。進歩派政権の登場と、韓国労組の「アベック闘争」によって、韓国経済は大混乱に陥らざるを得ないメカニズムができあがった。詳細は、以下のデータに示した。

     

    韓国の1人当たり労働生産性

    2002~2009年に年7.0%増加した。中国、ポーランド、スロバキア、ルーマニアに次いで5番目に高い水準だ。

    2010~2017年は年2.8%増加にとどまり順位が28位に大きく落ち込んだ。日本の4.1%、ドイツの4.0%、フランスの2.9%など主要先進国より増加率が低かった。

     

    韓国の1人当たり単位労働費用(賃金コスト=賃金÷労働生産性)

    2002~2009年に年0.8%だった単位労働費用増加率順位は37位

    2010~2017年に年2.2%に高まった。単位労働費用増加率順位は3位

     

    2010~2017は、韓国の賃金コスト上昇速度が上がっている。現状から見て、今後さらに上がるだろう。韓国に進歩派政権が続く限り、韓国経済破綻の可能性は一段と高まるであろう。こういう状況で、いつまで「反日」を叫ぶだろうか。

     


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