勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2019年03月

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    韓国統計庁は、文政権に最も神経を使っている官庁である。前任トップは、何の落ち度もないのに政府の気に入らないデータが出たことで任期半ばに更迭された。後任は、文氏のお気に入りだ。

     

    その韓国統計庁が、21年に発表予定の5年に1度、見直す人口推計統計を、昨日繰り上げ発表するほどの慌てぶりである。昨年の合計特殊出生率が、歴史上最低の「0.98」に落込んだ結果である。一国の人口を横ばいに保つために必要な合計特殊出生率は「2.08」である。韓国は、この半分にも満たない水準に落込んだ。これが、人口推計を早めて発表した理由であろう。

     

    ここで、最近の合計特殊出生率の推移を見ておきたい。

     

    2014年 1.21

      15年 1.24

      16年 1.17

      17年 1.05

      18年 0.98

     


    この推移を見ると、韓国の政治状況を反映している。16年秋から始まった朴大統領弾劾で国中が騒然となり毎週、週末にはソウルで「100万人ロウソク・デモ」が行なわれた。これでは、国の将来に希望が持てなくなって当然。出産に慎重になったであろう。それが、17年の合計特殊出生率の低下に表れた。さらに、文政権の経済政策が非現実的なものである。妄念に酔った政策で一段と悲観論が高まったのだろう。18年は、ついに0.98と史上最悪の事態になった。

     

    文政権が続く限り、合計特殊出生率はさらに低下するだろう。若者は経済的に絶望し、結婚・出産に無関心という危機的な状況だ。高い失業率でも、最低賃金の大幅引上げの手直しに着手する素振りも見せない政治である。

     

    『日本経済新聞』(3月29日付け)は、「韓国、来年から人口減に」と題する記事を掲載した。

     

    韓国統計庁は28日、将来人口推計を発表した。総人口は早ければ2019年の5165万人をピークに減少に転じる。人口に占める65歳以上の高齢者の割合も65年に46%に達し、高齢化では日本を抜いて経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国のなかで首位になる。急速な少子高齢化は韓国経済にも影響を与えそうだ。

     

    (1)「出生率と寿命を低く見積もる『低位シナリオ』の場合、16年の発表では23年が人口のピークで、その後減りはじめると予想していた。今回の発表では人口減が4年早く訪れる。総人口は67年に3365万人まで減り、1972年の水準になる。高齢化も急速に進む。2017年時点の65歳以上の人口比は14%。国連の人口推計(15年)と比べると日本のほぼ半分の水準にとどまる。OECD加盟国の中でも低い方だが、65年にはほぼ2人に1人が65歳以上となる見通しだ。生産年齢人口(1564歳)も17年は73%と、OECD加盟国のなかで最高だが、少子高齢化によって65年は46%(中位シナリオ)と、日本(51%)を抜いて最低になる」

     

    2019年の総人口5165万人が、67年には3365万人に減るという。一方、北朝鮮の合計特殊出生率は1.8台であるから、北が人口増対策に動き出せば、遠い将来に南北逆転もあり得る。北が、核を持ち続ければ韓国にとっては二重に意味で脅威であろう。

     

    韓国に文政権が登場したことは、あらゆる意味で危機の増幅になることは間違ないであろう。韓国の政治・経済の混乱が将来への禍根につながるからだ。合計特殊出生率の急低下は、その象徴である。

     

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    海外投資家にとって、中国市場は「賭博場」のような存在だろう。安値から拾い始め、満腹状態になったところで売り浴びせる。中国の弱小投資家が、一様に逃げ惑う姿を想像するのだ。株式市場は投機の場である。知恵のある者が勝ち、準備の足りない向きは被害を受けるのは致し方ない。

     

    『大紀元』(3月28日付け)は、「中国株、海外勢による大規模な売り越し、調整局面入りとの見通し」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「27日の中国株式市場は3日ぶりに反発した。主要株価指数の上海総合は前日比25.62ポイント高の3022.72ポイントを付け、節目の3000台を回復した。しかし、アナリストは、25日の外国人投資家による100億元以上の売り越しで、中国株が調整局面に入ったとの見方を示した。ブルームバーグ(25日付)がまとめたデータによると、外国人投資家は25日、108億元(約1765億円)の中国本土株を売り越した。2016年12月、香港と深セン市場の株式相互取引が導入されて以来、最大の売り越しとなった」

     

    外国人投資家の大規模な売り越しによって、25日上海総合の終値が3100ポイントを割り込んだ。26日、上海総合が続落し3000台を下回り、前日比1.51%安の2997.07ポイントで取引を終えた。28日の終値は前日比0.92%安の2994.94ポイントで3000ポイントを割ったまま。チャートを見ると、3100ポイントが天井圏になっている。投機家集団はもはや上値を追えないと判断し、大量の売りに出たと見られる。大勝負は終わったのだ。

     



    (2)「中国経済情報サイト『華爾街見聞』は26日、中国国内証券アナリストの寄稿を掲載し、今後中国株市場の見通しについて悲観的な見方を示した。記事によると、25日の外国人投資家の売り越し金額は、1990年代中国本土株式市場の開始以来、2番目の大きさだという。また記事は、過去の記録にさかのぼって、1日の外国人投資家による売り越しが40億元(約653億4900万円)を超えた回数は10回しかないと指摘した。10回のうちの5回は、2015年の株暴落の時期に起きた。記事は2015年以降の4回について分析した。この4回の海外勢による売り越しは、2016年に1回と2018年に3回発生した。2018年の3回は株価相場に大きな影響を与えたという」

     

    3月25日の外国人投資家の売越額は、1990年代の中国株式市場開場以来、2番目の大きさという。この意味を考えていただきたい。中国経済の大混乱を見越した売りである。単なる一時的な利益確定売りというものではない。すべてを天井圏で売り抜けたのだ。海外投資家は、データ中心で相場観を
    形成している。それだけに、今回の大量売越しには深い意味が隠されていると見るべきだろう。

     

    (3)「中国株式評論家の水皮氏はこのほど、中国メディア『華夏時報』に寄稿し、年初から上昇し続けた中国株が、調整局面に入ったとの見方を示した。水皮氏は『この2週間、上海総合が3100台でもみ合いになっている。この状況の下で、25日海外勢が大規模な売り注文を出したことは、中国国内投資家が目にしたくない相場の調整が始まったことを意味する』とした。ブルームバーグは香港金融サービス会社、KGIアジアのアナリストの分析を引用し、中国経済失速に対して『外国人投資家たちはリスク回避姿勢を強めている』とした。『投資家は不確実性を回避するために、(中国株が)大幅に上昇した後、利益確定のために売った』。中国国家統計局は27日、12月の工業部門企業利益が前年同期比で14%減少したと発表した。ロイター通信が2011年10月に同統計を記録開始以来、最大の落ち込みとなった」

     

    海外投資家は、中国経済失速を織り込んで大量の処分に出たことは疑いない。次に買い出動する時期は、今年1月4日の大発会が2440ポイントであったから、その近辺までの値下がりを待っているのかもしれない。株価がそこまで下げるには、経済で相当の混乱を想定することになる。株価のキリモミ状態は、海外投資家が目にしたくない情景に違いない。


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    米中通商協議は、中国側による突然の踏み込んだ提案に沿って話が進んでいる。米国特別捜査官報告で、トランプ氏に関わる疑惑の証拠が出なかったことが理由であろう。これまで、時間稼ぎをしてきたが、中国経済の足下がふらついており、遅らせることがマイナスと判断したに違いない。中国側は、これまで米中首脳会談開催について6月説を流すなど、米国を揺さぶってきた。

     

    『ロイター』(3月28日付け)は、「米中通商協議は全分野で前進、技術移転で踏み込んだ提案―米当局者」と題する記事を掲載した。

     

    米当局者は27日、米中通商協議は議題となっている全ての分野で前進しており、強制的な技術移転に関する問題で中国側がこれまでにない提案を行ったと明らかにした。ただ、課題も残されているとした。

     

    (1)「当局者の1人は、中国がこれまでより踏み込んだ提案を行ったとし、『中国側は強制的な技術移転に関し、範囲や詳細の両面でこれまでにない話をしている』と語った。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官は協議再開のため、28日に北京入りする。さらには来週にもワシントンで協議が予定されている。ロイターはこの記事に向け4人の米当局者から話を聞いた」

     

    中国側は強制的な技術移転に関し、範囲や詳細の両面でこれまでにない話をしているという。この問題は、中国にとって譲るに譲れない一線であったが、これにこだわっていると、中国経済自体に「自壊作用」が起ることを危惧し始めたのかも知れない。この点については後で取り上げる。

     

    (2)「ロイターは前月、米中通商協議について、強制技術移転とサイバー攻撃を通じた技術窃盗、知的財産権、サービス、為替、農業、非関税障壁の6分野で覚書が準備されていると報じていた。前出の当局者は『1カ月前の文書と現在のものを比較すると、全ての分野で進展があった。まだ目指すところには達していない』と述べた。当局者らは、通商協議の今後のスケジュールは明らかにしなかった」

     

    1カ月前の文書と現在のものを比較すると、全ての分野で進展があった。まだ目指すところには達していないという。妥結に向かっていることは間違いない。中国は、譲歩案を小出しにしながら米国の反応を伺っているに違いない。

     

    (3)「別の当局者は、『5月、6月まで続く可能性もあるが、誰にも分からない。4月に(合意が)あるかもしれないし、われわれにも分からない』と述べた。知的財産と最終的な合意の履行の問題が課題として残っているという。トランプ大統領は前週、米中通商協議での合意事項を中国が確実に履行するよう、中国製品に対する関税を「かなりの期間」維持する可能性があると明らかにしている」

     

    知的財産権問題と最終的な合意履行問題が課題として残っているという。この二つが、最大の問題点であることを窺わせている。中国は、できるだけ「知財権泥棒」をつづけ、米国に尻尾を捕まれてもペナルティは「軽微」にさせたいのだ。まだ、悪事を働く意思があると見える。

     

    (4)「2人目の当局者は、『一部の関税は維持する見通し』だと述べた。『これに関しては一定の譲歩を行うことになるが、全ての関税を撤回することはない』とした。1人目の当局者は『これは解決すべき課題であることは明白で、最終合意の重要な要素になるだろう』と語った」

     

    米国は、トランプ氏が繰り返し明言しているように「特別関税」の全撤廃意思がない。今後とも、中国に圧力を掛ける足がかりにするのだろう。それだけ、中国を信用していない証拠だ。

     

    中国は時間稼ぎしている間に、自国経済が悪化している。中国国家統計局(NBS)が27日発表した1~2月の中国工業部門企業利益は前年同期比14.0%減だった。ロイターのデータでさかのぼれる2011年10月以降で最大の落ち込みである。

     

     間もなく、昨年の経常収支も発表される。大幅減が予想されているが、市場で蒸し返されて、人民元が売り込まれる場面も予想される。これまで、中国が自慢してきた3兆ドルの外貨準備高も、一皮剥けば1兆ドル余の債務を含んでいる。すべてが「まやかし」の中国経済が、その実態を暴かれる日は近い。

     

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    米大統領トランプ氏は、毀誉褒貶の激しい人である。反対派からは蛇蝎のごとく嫌われている。言葉使いが粗野であり、過去を含めた振る舞いも褒められるようなことは一つもない。前任大統領のオバマ氏と比べれば、月とスッポンの違いだ。

     

    このトランプ氏が、反対派でも業績として認めるのは、対中国強硬策であるという。オバマ氏もサジを投げていた中国の行動に「タガ」をはめつつあるのだ。これは、トランプ氏のような荒馬でなければできない芸当である。北朝鮮の金正恩氏に対しても、怒って交渉の席を蹴るという演出をやって見せ、「米国を舐めるなよ」と言外に示す。「千両役者」の資格は十分と言えよう。

     

    『ロイター』(3月25日付け)は、「中国に改革迫るトランプ氏に一定の理、内外で支持拡大」と題する記事を掲載した。

     

    トランプ米大統領が「米国第一主義」推進のために真綿で首を絞めるように関税を駆使する行為は、企業経営者から同盟諸国、米議会の与野党双方の議員まで多方面の怒りを買ってきた。しかし、トランプ氏の政策にほとんど反対している人たちから幅広く支持されている取り組みが一つ存在する。中国に対して、市場原理をゆがめる貿易や補助金に関する各種慣行の修正を強く迫っていることだ。

     

    (1)「米中貿易協議が続く中で、さまざまな政治家や企業経営者、外交官らは、米国やその他の外国企業とその社員に痛手を与えてきた諸問題を解決するために、トランプ氏と通商担当チームにあくまで中国に意味のある構造改革を要求するよう促している。米国と中国を含む39カ国で自動車の座席や電子部品を生産するリア幹部のスティーブン・ガードン氏は、トランプ氏の『貿易戦争』は、企業や外国政府が不公正とみなす政策の改革を中国に強制してくれるとの期待を解き放ったと話す。『これらの問題がすべて提起された今、解決に乗り出すことについて米国内で政治的支持がより広がっており、後戻りはできなくなっている』という」

     

    関税引上げは、自由貿易の敵である。だが、中国のような自由貿易ルール破り国を反省させるには、劇薬を使うことも許される。トランプ氏は、このギリギリの線で中国に改革を求めており、自由主義国家から支持の声が届いているはずだ。

     


    (2)「トランプ氏が当初今月1日に設定していた新たな対中関税導入期限を延期した際に、同氏が中国からの巨額な米製品購入提案によろめき、構造問題を放置したまま協議に合意してしまうのではないかとの懸念が生じた。ところがそれ以降、多数のロビイストや企業幹部、外交官、米与野党議員らが入れ代わり立ち代わり、トランプ氏に構造改革要求を堅持するよう働き掛けている。自由貿易推進派の急先鋒でトランプ氏の関税政策を批判してきた共和党のケビン・ブレイディ下院議員も最近こうした説得に加わり、『われわれは中国がより多くの米製品を買うのを望んでいるとはいえ、もっと大事なのは中国に知的財産権や補助金、過剰設備など世界経済を歪めてきた分野で高い国際基準を守る責任を果たさせることだ』と強調した」

     

    先週には長年の対中貿易強硬派として知られる民主党のチャック・シューマー上院議員が、構造問題で引きさがり、米国産大豆などを中国に買ってもらうことで安易に妥協しないようくぎを刺した。このように、共和・民主の超党派でトランプ氏の支援に回っている。トランプ氏には、なんとも心強い応援団の登場だ。 海を越えたEUでもトランプ氏に声援を送る。

     


    (3)「欧州連合(EU)は、トランプ政権が今後、輸入自動車に関税を導入する事態を警戒しつつも、中国の技術移転強要や市場アクセス制限などに不満を抱いているという面では米国と変わらない。あるEU高官は北京でロイターに『われわれには域内企業から連日苦情が寄せられている』と語り、中国政府は再三にわたって外国企業の事業環境を改善すると約束しながら、ほとんど進展がないと指摘した。欧州委員会のマルムストローム委員(通商)は、中国が国際的な貿易ルールを自分たちに都合良く気ままに利用していると非難しており、まるで米通商代表部(USTR)の声明を聞くかのようだ

     

    先進国が一丸となって、中国の違法ビジネスを告発し、改革させる動きを見せている。これは、トランプ氏には心強く、中国には大逆風に映るはずだ。トランプ氏が、大統領2期目を視野に入れ始めたとすれば、中国は居ずまいを正さなければならなくなろう。習氏には、トランプ氏が最大の強敵になってきた。

     

    私は、トランプ氏の対中交渉を一貫して支持してきた。毎日、中国の実態を追いかけていると、その違法の数々が濁流となって、世界全体に押し出されていることに気付かされる。その危機感がきわめて強いゆえ、私もトランプ氏に拍手を送る一人である。

     

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    世界の自動車市場の中国と米国で、かつて輝いていた現代自にその面影はもはやない。中米の両市場で大きく後退しているからだ。

     

    この危機に立つ現代自が、先の株主総会で鄭会長の長男・鄭義宣(チョン・ウィソン)54歳が代表理事(代表取締役)に選任された。難題はいくつかある。ニーズに合った商品作り・デザインの一新・労組との交渉などだ。売上高営業利益率は3%を切っており、カー・メーカーとしては崖っ縁にたつ。現代自の切り札として、父親をさしおいて経営の舵を握れるのか。韓国経済の命運にも関わる経営再建である。

     

    『中央日報』(3月26日付け)は、「経営の全面に出た鄭義宣首席副会長、現代車が解決すべき4つの課題とは」と題する記事を掲載した。

     

    今月22日に開かれた今回の現代自動車株主総会の最大イシューは鄭義宣現代自動車グループ首席副会長の代表理事選任だった。昨年9月に首席副会長に就任して以来、現代車・モービス代表理事を兼職することになり、起亜車・現代製鉄など核心系列会社の社内理事にも登載された。鄭夢九(チョン・モング)会長がまだ退いていない状態で経営の全面に出るのは、3世経営者としては異例のことだ。財界では現代車グループの経営成果の責任を負い、未来価値を証明するのは全て鄭義宣氏の役割になったと評価する。

     

    (1)「鄭義宣氏は、父親(鄭夢九会長)の業績を守って自身の経営能力を立証しなければならない。現代車グループは今後5年間、研究・開発分野に45兆ウォン(約4兆3700億円)を投資して営業利益率7%、自己資本利益率(ROE)9%という目標を提示した。過剰生産で困難を強いられていた中国工場を構造調整(注:売却)し、新本社になる大規模資本が投入されるグローバルビジネスセンター(GBC)建設は、外部投資を受けて進めることにした。明確な未来の目標を提示して株主を説得した点はひとまず肯定的評価が出ている」

     

    今後5年間の経営目標を掲げた。

        研究・開発分野に45兆ウォン(約4兆3700億円)を投資

        営業利益率7%

        自己資本利益率(ROE)9%

     

    これらの目標を出さなければ、株主総会で選任されないというハードルがある以上、「大風呂敷」を広げて見せた面は否定できない。現代自動車の17年の研究開発費は、売り上げの2.6%にとどまった。この数字は競合他社であるフォルクスワーゲンの6.7%、トヨタの3.8%、そしてBYDの3.6%と比べて大きく見劣りする。

     

    カー・メーカーにとって、R&Dをどれだけ支出できるかが生命線になっている。現在の現代自の低収益率の下では、ない袖は振れぬ状況である。ここで、労組との話し合いが不可欠であるが、成功の見込みはない。労組は「働かない・高賃金・長期勤務」という反企業主義を前面に出している。悪いことに、時の政権は文在寅である。組合べったり主義で大企業が「哀訴」しても振り向きもしない冷淡な態度だ。次期政権が保守派になれば、再建の可能性もあろうが、ともかく経営が政治がらみになっているのが不幸である。


    (2)「グローバルコンサルティング会社ナビガントリサーチは3月19日、今年『自動運転車リーダーボード』を発表した。自動運転車技術を開発する完成車メーカーと情報通信技術(ICT)企業を戦略と実行部門に分けて評価している。現代車グループは2年連続で15位にとどまった。日本のトヨタが昨年12位から今年9位に順位を引き上げたが、現代車グループは足踏み状態だ。現代車グループの課題は未来競争力だ。内燃機関から電気モーターへ、人が運転する車から自動運転車へ、個人所有からシェアへと自動車業界のパラダイムが変化していてグローバル完成車メーカー間の熾烈な激戦が予想される

    父親の現代自会長・
    鄭夢九氏は82歳である。ここ2年ほど公の場所に顔を見せていないと言われる。韓国がいくら儒教社会とはいえ、高齢で経営の指揮権を発動できないトップを「有り難がっている」慣習は時代遅れと言う前に、経営の私物化として批判されるべきであろう。自動運転車技術を開発する完成車メーカーと情報通信技術(ICT)企業を戦略と実行部門に分けて評価する『自動運転車リーダーボード』によれば、現代自は15位という。未来戦略でも大きく水を開けられている。

     

    改めて韓国社会を儒教との関わりで見ると、何とも古色蒼然とした組織であることに気付く。大統領は皇帝気取りで独断独行。企業は長幼の序で「父親第一」である。ここには、経済論理の通用する余地がほとんどなさそうである。後は、衰退のみというのが偽らざる感想である。

     

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