日本は、韓国を「ホワイト国除外」する法的手続きが終わった。これを受けて、韓国の文大統領は「恨み節」を連発。日本が韓国を「ホワイト国除外」にした理由が曖昧であるという非難である。
日本は、韓国の戦略物資管理が杜撰であることを指摘している。この問題を韓国当局と話合おうとしたが、3年間できなかった点を上げているのだ。韓国にとって、この不都合な点は伏せており、もっぱら韓国大法院による旧徴用工判決への日本の意趣返しだと強調している。
徴用工判決が、日韓関係を悪化させていることは事実だ。韓国政府は、昨年10月の大法院判決後、今年6月中旬まで徴用工問題で日本との話合いを拒否してきた。韓国にとって、この不都合な事実も伏せているのだ。
この徴用工問題が端を発して、日韓政府間で戦略物資取り扱い問題の話合いもできなかったことが、結果的に「ホワイト国除外」を招いたのである。文大統領は、自分の胸に手を当てて見れば、原因はすぐに分るはずだ。それを、「分からない」とか「恣意的だ」とか言い募って、自らの責任をすべて日本に押しつける点で、典型的な「三百代言」と言わざるを得ない。トランプ米大統領によるG7での発言を借用すれば、「文氏はよく大統領になれたもの」と言うのが正直な感想である。
『聯合ニュース』(8月29日付)は、「日本は経済報復を正当化、正直になるべき=文大統領」と題する記事を掲載した。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日の臨時閣議で、「日本は経済報復の理由すら正直に明かしておらず、根拠なくその場その場で言葉を変えながら経済報復を合理化しようとしている」と批判し、「日本は正直にならなければならない」と促した。
(1)「文大統領は、「日本がどんな理由で弁明しようと過去の歴史問題を経済問題に絡めたことは間違いなく、どうにも率直でない態度と言わざるを得ない」と指摘した。日本が韓日関係悪化の原因として安全保障上の理由、韓日請求権協定違反、韓国大法院(最高裁)の強制徴用判決に対する韓国政府の態度など、その場に応じてさまざまに取り上げることを指摘した発言とみられる。また、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了決定を発表したことを受け、韓日間のあつれきの原因は韓日請求権協定に違反して国と国との信頼関係を損ねた韓国にあるとした日本の安倍晋三首相の主張に反論したともいえる」
文政権登場後、韓国は日本に何を行ったかを考えれば分るはずだ。日韓慰安婦合意を破棄し、徴用工問題では日韓基本条約を骨抜きにする判決を下した。国家間で結ばれた条約と協定の骨抜きや破棄が、文大統領就任2年たらずのあいだに矢継ぎ早に行われた。この事実を日本に突付けておきながら、日本は「過去の反省がない」と言いたい放題である。文氏の「三百代言」振りを浮き彫りにしている。喧嘩を売って来たのは韓国だ。この事実を忘れてはならない。
これでは当然、日韓関係は悪化する。日本が、戦略物資の管理問題で韓国へ話合いを申入れても韓国は応じない。日韓関係を悪化させたのは、文氏が大統領に就任してからである。こういう雰囲気の下では、日本が輸出手続きを厳格にやらざるをえない。ここまで指摘しても、韓国はまだ「自分が正しい」と言い張れるのか。
(2)「文大統領は歴史問題に対する日本の態度も正直ではないと指摘した。「過去の過ちを認めることも反省することもせずに歴史をゆがめる日本政府の態度が、被害者の傷と痛みを深くしている」と述べたほか、独島を自国の領土とする主張も変わっていないとした。文大統領は日本に対し「過去の歴史を直視することから出発し、世界と協力して未来に進まなければならない」と強く求めた。過去を率直に反省し過ちを何度も振り返り、隣人と和解して国際社会から信頼を得たドイツの例を深く心に刻む必要があるとした」
ドイツの犯罪行為は、ユダヤ民族抹消という恐るべき「人道への罪」である。韓国では、このドイツの罪と、慰安婦問題と徴用工問題を同一視する「牽強付会」組がいる。文大統領もその一派である。日本を「人道への罪」で問えと言うのは、文氏のような過激派だけだ。左翼の韓国法学者でも、そこまでは無理としている。根本的な理由は、日本人も朝鮮人も同じ職場の過酷な条件に置かれたという事実だ。そこには、差別がなかった。日韓併合で、朝鮮人も日本人になっていたからである。
日本は、太平洋戦争で被害を及ぼした諸国への賠償を済ませた。その後の経済復興では、ODA(政府開発援助)により支援を続けてきた。ASEANで、最も信頼を受けている国は日本である。全体の60%が日本支持派である。韓国は、日本にはるかに及ばない位置にある。この現実を謙虚に受入れるべきだ。二言目には、歴史の反省がないという。偏向した文氏の口からは、もはや聞きたくない言葉である。その裏には、反日を利用して利益を得ようという、さもしい狙いがあるからだ。