米国務省が、韓国のGSOMIA破棄に対して猛烈な批判を加えている。韓国首相が動揺を見せているのだ。韓国国会で、「GSOMIA終了決定が効力を発揮するのは11月23日」であることを上げ、日本が韓国を「ホワイト国除外」から撤回すれば、GSOMIAへ復帰可能との見解を述べた。
この戦術は、最初から計算されていた面も否定できない。韓国が、「積極的に米国を日韓対立の仲裁に引き入れ、日本に対する効果を高めることが目的と見える」との見解があるからだ。これは、ビンセント・ブルックス前在韓米軍司令官が、『東亜日報』(8月24日付)で指摘していた。昨日の本欄で紹介した通りである。
前記のブルックス氏は、今回の韓国によるGSOMIA破棄が、日米に取り返しの付かない誤解を与えているとしている。日本には「両国の協力から完全に手を引く」というメッセージに。米国には「韓国が北東アジアで構築されている同盟の構造を危険に陥れかねない」というメッセージに誤解される恐れがあるということだ。米国務省が、3回も韓国へ声明を発表しているのはこの現れである。
『聯合ニュース』(8月26日付)は、「日本の不当な措置、撤回なら軍事協定終了決定見直し」と題する記事を掲載した。
(1)「韓国の李洛淵(イ・ナクヨン)首相は26日、国会予算決算特別委員会で、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を決めたことについて、「終了決定が効力を発揮するのは11月23日」とした上で、「(対韓輸出規制など)日本の不当な措置が元に戻れば、わが政府もGSOMIAを再検討する方式が望ましい」との認識を示した」
下線を引いた部分は、日本が「ホワイト国除外」を撤回すれば、GSOMIA破棄を取り消すと発言している。これは、韓国側のGSOMIA破棄が、いかに合理的根拠のないかを証明する話だ。「ホワイト国除外」と「GSOMIA破棄」は、全く次元の異なる問題である。それを、強引に結びつけているのが韓国である。
(2)「協定の終了を決めた背景に関しては、「日本が根拠も示さず、韓国を安全保障上信頼できない国であるかのようにレッテルを貼り、いわゆる『ホワイト国(輸出管理の優遇対象国)』からも除外した」とし、「安保協力が難しいとされた韓国が日本に軍事情報を与えることが正しいのかという状態に置かれていた」と説明した。また、「GSOMIAは2016年11月に締結され、それ以前に戻ることになるが、その2年前の14年に韓米日3カ国の情報共有取り決め(TISA)が締結されている」として、「TISAを通じて軍事情報を共有できる体制はある」と強調した」
日本による韓国への半導体製造3素材の輸出手続き審査は、最大90日限度である。このことから、10月以降の輸出は順調に進むはずである。これを見れば、韓国の主張が誤っていることが判明するだろう。要は、韓国の戦略物資の管理がしっかりできていれば済む話である。10月以降の輸出状態が、韓国を納得させるであろう。