韓国文政権は、GSOMIA破棄が来年4月の総選挙で与党勝利に「必勝パターン」としか見ていない。実は、これが韓国の運命に大きな影響を及ぼすという指摘が現れた。文政権は、国と国との関係を軽く考えているが、何十年間に渡る関係者の努力の上に築かれてきたものだ。文政権は、それを与党選挙のために壊すという暴挙に出ている。
『東亜日報』(8月24日付)は、「前在韓米軍司令官、70年間の韓米同盟を危険に陥れる」と題する記事を掲載した。
(1)「ビンセント・ブルックス前在韓米軍司令官は22日(現地時間)、韓国政府が協定終了を発表すると、「そのような決定が下されたことは不幸なこと」とし、「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了は、直接的な情報共有チャンネルを断つだけでなく、米韓日3国の情報共有協力という三角形の一辺を壊す結果につながる」と話した。ブルックス氏は東亜(トンア)日報との電話インタビューで、「均衡を保つ米韓日の安全保障協力の一軸が崩れれば、部分的な情報しか共有されず、総合的で全体的な絵を見ることができなくなる」と懸念を示した」
韓国は、日米韓三ヶ国の関係が単なる情報の共有程度と見ているが、それによって、総合的な全体的な認識を持つことができるとしている。テクニカルな側面でなく、共通の認識を形成するという。
(2)「ブルックス氏は2016年に在韓米軍司令官として協定の締結を見守った在韓米軍最高位の要人。ブルックス氏は、「協定が維持されてこそ敏感な軍事情報を迅速かつ効率的に共有することができる」とし、速度の問題を指摘した。特に、ロシアと中国が最近、韓国の領空を侵犯した事件を取り上げ、「このような問題に効果的に対応できなくなる」と強調した」
韓国が、GSOMIAを破棄したことで、中ロが「ハゲタカ」のように韓国の領空侵犯を始めている。日米韓三カ国が一体感を持っていれば無用の摩擦を防げるのだ。
(3)「ブルックス氏は、「今回の決定は本来の意図とは異なり、米国と日本の双方に誤って受け止められる可能性が非常に高い」と診断した。日本には「両国の協力から完全に手を引く」というメッセージに、米国には「韓国が北東アジアで構築されている同盟の構造を危険に陥れかねない」というメッセージに誤解される恐れがあるということだ」
韓国の今回の行動によって日米がそれぞれの誤ったイメージを持つ危険性があるという。日本は日韓の協力関係から完全に手を退く。米国は、北東アジアの同盟構造を危険に陥れると判断する。この二つのイメージが定着したら、韓国は生きてはいけない国となる。
(4)「韓国の協定終了の背景については、「積極的に韓日対立を仲裁するよう米国を引き入れ、日本に対する効果を高めることが目的と見える」と答えた。ブルックス氏は、「韓国が協定終了を決定したことで、北東アジアの平和と繁栄に向けて70年以上構築してきた同盟の構造が危険に直面した。正直に言って失望している」とし、「単純に協定の問題ではなく、韓日関係をさらに悪化させてもいいという考えがあるという点で問題だ」と強調した。「これは中国とロシアを喜ばせ、日本と米国は混乱させることだ」とも述べた」
韓国は大胆な行動に出ている。本心は、米国によって日韓対立を仲介して欲しいと思いながら、GSOMIA破棄という最終行動で、米国の仲介余地を無くした、とブルックス氏は見ている。「帰らざる河」になってしまった。