勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2019年12月

    テイカカズラ
       

    韓国では、日本と政治的摩擦を引き起こすと必ず行なうことがある。日本から輸入する中間財を国内で代替生産しようという素材独立論である。今回の日韓対立では「反日不買」と同時に、素材独立を行なう立法を27日、行なった。その法律名は、「素材・部品・装備(装置や設備)産業の競争力強化に向けた特別措置法」と長たらしい。要するに、今度こそは日本に負けない産業競争力を実現するというのだ。

     

    『聯合ニュース』(12月27日付)は、「日本超える競争力育成、素材・部品・装備特措法可決」と題する記事を掲載した。

     

    「2001年に制定された現行の素材・部品特別法を全面的に見直したもので、対象に素材・部品に装備を加え、目標を今の「専門企業の育成」から「産業全般の競争力強化」に変更した。素材・部品・装備産業の中核戦略技術の選定、これら産業を先導する企業の選定・育成、買収・合併支援の法的根拠整備などを通じ、技術開発や人材育成、性能評価、需要創出にいたるまで全方位的に支援する。企業間の協力モデルに対し金融や立地など支援パッケージの内容も手厚くする。また、来年に2兆1000億ウォン(約2000億円)の特別会計を設ける。産業通商資源部の関係者は「素材・部品・装備産業の競争力強化を国家的課題とし、一貫性を持って持続的に推進する」と話した」

     

    2001年以来、この「国産化論」は政府の研究補助金が付いてきたはずなのに、なぜ効果をあげられなかったのか。それは政権が変れば、関心が薄れるという韓国特有の政治事情がある。朴槿惠政権ですら、同じ保守党政権であった李明博政権の目玉政策であった「環境政策」を引き継がず、朴政権は新たな柱をつくった。こうして前政権の目玉が、次期政権ではお蔵入りするケースが圧倒的である。

     

    国産化はなぜ進まないのか。政権交代で関心が薄れる以外に、次のような事情を抱えている。

     

    「韓国の電機大手幹部は、「品質、価格、納期。すべてを満たしているのが日本だからだ」と明快である。「韓国企業もつくろうと思えば、何とかつくれる。ただ歩留まりが悪かったり、割高になったりして、採用は難しい。価格や納期も品質のうちだ」。「研究開発と製品化の間には「死の谷」と呼ばれる高いハードルがある。それを越えるのは難しい」。サムスン電子の尹鍾龍(ユン・ジョンヨン)元副会長は指摘する。「生産技術のプロセスづくりは日本企業に一日の長がある。短期で成果を上げようとしても、うまくいくかはわからない」と言うのだ」(『日本経済新聞』(11月8日付)

     

    日本が世界を牽引する「部品・素材」大国である。「品質、価格、納期。すべてを満たしているのが日本だからだ」と舌を巻かれる存在が日本である。韓国が、この日本と喧嘩しても

    勝てるはずがないのだ。だから、感情論で世界中に日本の悪口を言いふらして鬱憤晴らしをするのであろう。

     

    日韓でのノーベル化学賞受賞者数の格差を見ても、韓国が日本に太刀打ちできないという見方もある。

     

    『中央日報』(7月6日付)は、「半導体素材の国産化率50%その裏には韓日ノーベル化学賞0:8」と題する記事を掲載した、

     

    (1)「半導体素材で最も多く使用されるのが化学・金属材料だ。韓国半導体協会のアン・キヒョン常務は「日本は基礎化学と金属製錬技術で韓国を大きく上回る」と述べた。基礎化学技術をみても日本は8人(今年を含めて9人)のノーベル化学賞受賞者を輩出したが、韓国は一人もいない。また日本には鉱山があるが、韓国は特にない」

     

    日本は銅・鉛・亜鉛という非鉄鉱山が多く、明治時代から鉱毒や鉱山の煙害に悩まされてきた。それ故、この分野の研究が進んだという事情を見落としてはならない。ノーベル化学賞の受賞者が多いという背景には、こうした側面もあろう。

     

    (2)「韓国より長い日本の半導体史も無視できない。日本は1990年代初期-2000年代後半に世界メモリー半導体市場を掌握した。上位企業10社の半分がNEC・東芝・日立など日本企業だった。今でも東芝などが健在だ。サムスン電子がトップになったのは2010年代初期だ。半導体業界の関係者は「20年以上も半導体強国だった日本とは違い、韓国が世界で頭角を現してからまだ10年も経っていない」とし「日本が半導体世界市場を掌握した当時に成長した素材・装備企業が、今でも高付加価値素材・部品の競争力を維持している」と説明した」

     

    1990年前後の日本は、半導体世界一の座を米国から奪い、日米経済摩擦が深刻化した。米国は、半導体が安全保障に関わるという理由で、日本に生産調整を要求、さらに急速な円高で、日本の半導体は息の音を止められた。日本は半導体製品で頓挫したが、半導体素材や生産設備で世界を牽引していることに変わりない。韓国が、日本に敵うわけがないのだ。

     

    a0960_008407_m
       

    中国の自動車市場は、昨年から前年比でマイナスに落込んでいる。この基調は来年も続くといわれ、「3年不況」が予想されている。その中で、ホンダが8月以降、11月まで連続4ヶ月、過去最高を更新している。

     

    本田技研によると、3月から5月にかけての3カ月も過去最高を記録した。11月だけを見ると、日本、北米全体、米国、欧州、アジア全体など、中国以外ではすべて前年比で落込んでいる。こうなると、ホンダが中国で好調な理由は、中国自動車市場にその理由を求めなければならない。

     

    その秘密は、ホンダを初めとする日系車が、中古市場で最高人気を得ているからだ。日系車を買えば、サービスはよい。故障は少ない。中古でも好人気という3拍子揃っている。これが、中国社会で高い評価を受けている理由である。

     

    『サーチナ』(12月27日付)は、「中国の中古車市場どうしてこんなに日系車が多いのか=中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『東方網』(12月25日付)は、「どうして中古車市場の大部分は日系車なのか」とする記事を掲載した。

     

    記事は、今や中国において自動車が多くの人にとって欠かせない日常の交通手段となっており、金銭的な理由から中古車市場を利用する人もいると紹介。そして、中国の中古車市場を見てみると日系車が大多数を占めていることに気づくとしたうえで、中古車業者が積極的に日系車を買い取る理由について4つの点を挙げて説明している。

     

    (1)「1つめは、日系車は品質が高く、耐久性や経済性に優れている点だとした。中古車であっても消費者は長く使えるかどうかを重要なポイントと考えており、故障率が低く、小さな故障ならすぐに直せるうえ、燃費もいいことで定評のある日系車が自ずと人気の的になるとした」

     

    日系車は、故障率の低さ・行き届いたサービス・低燃費で人気を得ている。サービス面では、トヨタのレクサスが、値上げするたびに売れ行きがいいという。その裏には、サービスの良さも人気の秘密だ。販売店では、お客の姿が見えなくなるまで見送る誠実さが評価されている。このきめ細かな配慮が、中国人のハートを掴んでいると指摘されている。

    (2)「2つめは、値崩れがしにくいことを挙げている。中古車業者は買い取った車の価値が急激に低下することを恐れており、その点で日系車は大きな強みを持っていると説明。また、2年ほど乗った後に売ることを考えれば、消費者にとっても値崩れしないのは非常に喜ばしいことだと伝えている」

     

    日系車の人気が高いことから値崩れしない。これは、販売側にとってメリットである。

     

    (3)「3つめは、日系車は広く名の知れたものが多く、消費者が広い選択肢から選べる点を挙げた。また、中古者業者にとっても日本車を多数取り揃えておけば車が売れないという心配がないとしている。そして、4つめでは、もともと新車販売で日系車の台数が多いため、中古車の取り扱い数も自ずと多くなると説明した」

     

    日系車と言えば、トヨタ、日産、ホンダなど代表的なブランドが揃っていることで、客には幅広く選択が可能になる。

    (4)「記事は最後に、中古市場において日本車は値崩れしない、耐久性に優れているといったメリットにより多くの消費者から人気を集めており、中古車業者も日本車を好んで買い取るのだとし「消費者、業者双方にメリットがあるからこそ、中古市場に大量の日本車が並ぶのだ」と結んでいる」

     

    中古車業者は、日系車の好人気を背景に優先して日系車を買付けることが、豊富な日系車の品揃えを可能にしている。こういう好循環が、「日系車ブーム」を引き起こしている。新車市場で、ホンダが過去最高の販売になっている裏には、中古車ブームが存在している。

     

     

    a0960_006628_m
       

    北朝鮮が、米国への「クリスマス・プレゼント」として、ICBM(大陸間弾道ミサイル)に関わる挑発行為をするのでないかと危惧されてきた。だが、26日を過ぎてもその兆候を見せない裏に、米軍の厳重監視体制が作動していることが分かった。

     

    軍用機は一般的に位置識別装置を作動させずに飛行し、航跡が公開されない。米軍は同装置を作動させている。これは、北朝鮮へのメッセージであり、「何か動けば、攻撃される」という恐怖感を与えている効果によるものかも知れない。

     

    『朝鮮日報』(12月26日付)は、「4機同時出撃、クリスマス期間中北を監視し続けた米偵察機」と題する記事を掲載した。

     

    クリスマス前後に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)による挑発に踏み切る可能性が考えられることから、米軍の有人・無人偵察機4機が2425日にかけて韓半島と東海で5回にわたり偵察活動を行った。偵察機を支援する米空軍の給油機も同時に飛んだ。米軍偵察機4機と空中給油機が同時に韓半島上空で作戦行動に乗り出すのは異例だ。このように韓半島周辺では緊張感が非常に高まっているが、その一方でトランプ大統領はクリスマスイブをフロリダ州のリゾート「マールアラーゴ」でゴルフをしながら過ごした。

     

    (1)「米軍の偵察機は、韓半島上空を飛行する際には位置識別装置の電源を切っていた。、最近はこれらを稼働させて任務に当たっていることを公表している。これについてある韓国軍関係者は「挑発をしたい北朝鮮の意志を折れさせる一種の心理戦という側面もあるだろう」と指摘した」

     

    北朝鮮は、米軍機監視下でICBMなどの実験・試射を行なう場合、いつ攻撃されるか分からないという恐怖感があろう。米軍機が、位置識別装置の電源を切らないのは、強烈な警告メッセージになっている。

     

    (2)「航空追跡サイト「エアクラフト・スポット」によると、米空軍は25日にRC135W「リベット・ジョイント」、E8C「ジョイント・スターズ(J-STARS)」、長距離高高度無人偵察機「グローバルホーク」、RC135S「コブラボール(2回)」の4機の偵察機を相次いで韓半島と東海上空に飛ばし偵察活動を行った。RC135WE8Cはそれぞれ韓半島上空9.4キロで、またグローバルホークは上空16.4キロで作戦を行った。RC135Sは沖縄の米軍嘉手納基地を離陸し東海上空を飛行した。在日米軍のKC135R空中給油機もこの日、東海上空で偵察機の長時間飛行を支援した

     

    米軍が、空中給油機まで出動したことは、長時間飛行を支援する体制であることを北朝鮮に告知している。

     

    (3)「RC135Wは米空軍の通信傍受用主力偵察機で、ミサイル発射前に地上の遠隔計測装置(テレメトリー)から発信される信号などを捕捉する。E8Cは半径250500キロ以内でのICBM移動発射台や車両などの動きを監視できる。グローバルホークは地上20キロの高さから30センチサイズの物体を識別できる偵察衛星クラスの無人偵察機で、3842時間の飛行が可能だ。RC135Sは最先端の電子光学機器を使って遠方を飛ぶ弾道ミサイルの軌道を追跡する」

     

    米軍は、「ネズミ一匹」通さないという完璧な情報収集体制をとっていたことが分かる。世界最先端の米軍が、威信をかけた守りと言えよう。

     

    (4)「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がトランプ大統領へのクリスマス・プレゼントとして「ミサイル」を飛ばすか、あるいは「きれいな花瓶」を贈るかは、米国現地でクリスマスが始まる25日夜(韓国時間)から26日未明にかけて明らかになりそうだ。これまで北朝鮮はワシントンの朝の時間帯に合わせて米国向けの談話を発表してきた。一方で北朝鮮が不確実性を高めるため挑発の時期をクリスマス後に先送りするとの見方もある。朝鮮労働党中央委員会全体会議(今月下旬)→金正恩氏による新年の辞(11日)→挑発(1月初め)というシナリオも考えられるだろう

     

    北朝鮮は、クリスマス.・プレゼントを中止しても、1月に先送りする可能性は強い。

     

    (5)「韓国軍当局は、ICBMまたは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)によって挑発が行われる可能性が高いとみている2017年に北朝鮮がICBM用のエンジン実験を行ったときは燃焼時間が200秒間だったが、これが先日の「重大試験」ではその2倍(7分)にまで長くなった点に韓国軍は注目している。これはエンジンの推進力向上を意味すると同時に、それによってICBMの弾頭重量を拡大し、破壊力を最大限に高めることができるからだ。新型エンジンを銀河や光明星といった新型の宇宙発射体に装着し「事実上のICBM発射実験」を強行した上で「宇宙を平和利用する権利」などと強弁する可能性も考えられる」

     

    北朝鮮は、ICBMかSLBMによる挑発をする可能性が高いという。その場合、米国の反応は「最高度」となろう。米軍が偵察で見逃すと、逆に米軍の威信に傷がつくという緊張した場面が続く。

    a0960_006618_m
       

    韓国には国立外交院という組織がある。そこが、来年の日韓外交関係の予測を発表した。それによると、日本は来年の東京五輪を機に民族主義が復活すると想定し、韓国と対立するという物騒な予測を発表した。この報告書を読むと、「韓国は正しい、間違っているのは日本」というきわめて陳腐な前提で組み立てられた「ストーリー」である。

     

    五輪は、平和の祭典である。その五輪を機に、なぜ日本が民族主義になるのか。民族主義と言えば。韓国の文政権は文字通り、民族主義である。朝鮮民族は朱子学に基づき道徳的に優れているという根拠のない誇りで、「排日」を叫んでいる。この現実を外交院はどう解釈しているのか。韓国が、歴史問題を持ち出すこと自体、民族主義の表れである。

     

    日本は、東京五輪で過去を語ろうとしているのではない。未来社会の発展を構想し、それが世界の発展にいかに寄与するか。ここに、焦点を合わせている。燃料電池自動車、水素発電所といった究極の無公害技術の実用化を目指している。この日本が、どうして民族主義に戻るのか。五輪精神と真逆である。

     

    『朝鮮日報』(12月26日付)は、「来年の韓日関係、民族主義高まり対立繰り返す 韓国研究所」と題する記事を掲載した。

     

    韓国国立外交院の外交安保研究所は26日、「国際情勢2020展望」報告書を公表し、来年は韓日両国で国内の政治日程に合わせて過去の歴史問題と結び付いた攻撃的な民族主義が高まるとの見通しを示した。

     

    この報告書は、日韓首脳会談の成果をなんら組み込んでいない点で「不完全報告書」である。むしろ、日韓に誤解と争いの種を持ち込もうという「意図」さえ感じる政治的偏向した内容と判断せざるを得ない。

     

    (1)「報告書では、

    .強制徴用被害者の賠償問題

    .旧日本軍の慰安婦問題

    .独島問題

    .日本産水産物の輸入規制問題――などの事案を巡り、対立が繰り返される可能性があると指摘した」

     

    日韓首脳会談では、対話路線で解決するという結論になった。この報告書とは、前提が異なる。報告書は、日韓首脳が対話しないという前提であり。来年の対立激化を「期待」しているような構成である。以下に、コメントを付す。

    .は、文国会議長案を法案として成立させる。

    .は、日韓慰安婦合意を韓国が破棄したから、韓国の責任で行なう。日本は無関係。

    .は、時間をかけて話合いで解決する

    .は、韓国の一方的な非科学的な風評被害の典型例。日本は対抗手段を講じるだけ。

     

    (2)「研究所は両国内の政治日程について、日本は安倍晋三政権が東京五輪を機に民族主義をあおり、憲法改正のため自民党の党則を変更して総裁の4選を可能にするよう推進する可能性があると分析した。韓国については来年4月の国会議員総選挙を挙げた。特に、韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた強制徴用訴訟判決に関連し、早ければ来年春にも行われる日本企業の韓国内資産の現金化措置により、韓日関係が大きく揺れ動くと予想した」

     

    日本が憲法改正をしようがしまいが、日米同盟の枠内で行なうことだ。仮に、日本が米軍撤退要求でも出せば、民族主義復活と騒いでも良かろう。だが、米国と一体化して中国の専制主義に対抗しようという日本を、日韓併合時代のような視点で見ているのか。そちらの方が問題である。

     

    安倍首相が、4選するかどうかは日本人の意思で決まることだ。安倍=極右とレッテルを張りたいのだろうが、それは日本人への冒涜である。これこそ、内政干渉だ。

     

    (3)「日本政府は、現金化が行われた場合に備え

    .韓国産輸出品に対する報復課税

    .日本製品の供給停止

    3ビザの発給制限――などの報復措置リストを既に準備しているとされる。

    一方で、研究所は日本の対韓輸出規制措置に関して「(韓日間の)強制徴用(問題の)協議に時間がかかっても、輸出規制は事実上撤回される可能性が高い」と分析した。日本の輸出規制は自国企業に被害が及ぶ上、グローバル供給網の混乱を招くため控えざるを得ないというのが研究所の説明だ」

     

    韓国は、日本企業の資産を担保に取っている。日本は、万一売却されれば、国際法で認められた「外交保護権」を活用するだけ。こうなれば、日韓外交は断交一歩前の状態に落込む。この点は、先の日韓首脳会議で安倍首相が念を押している。韓国は、1億円未満の日本資産の現金化で、未来永劫の損失を被るはずだ。韓国が、それを承知で売却行為に出るならばやむを得ない、日本も対抗するしかないのだ。この場合、韓国は確実に墓穴を掘る。

     

    (4)「韓国についても、「韓日関係がどのように展開しても、現実的に日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了の延期を覆し、韓米関係を再び最悪の状況に追い込む可能性は低いとみられる」と分析した」

     

    韓国は、日本の半導体3素材の輸出手続き規制問題とGSOMIAをセットで考えている。韓国がGSOMIAを破棄すれば、米韓同盟に風穴が開くだけ。韓国が損失を被ることとなろう。

    a0960_006602_m
       

    韓国は、先の日中韓首脳会談での日韓首脳会談と中韓首脳会談で、それぞれ別の顔を見せたことが明らかになった。日本に対しては「強気姿勢」を、中国に対しては「泣き寝入り」である。内容的に見て、どちらが重要かと言えば、日本は「些細なこと」、中国に対しては「重大な外交上の問題」である。相変わらず、日本には強気で対応し、中国には尻尾を巻いた振る舞いである。このダブルスタンダードは、みっともないことだが、韓国にはそういう認識でないようだ。

     

    『聯合ニュース』(12月26日)付は、「文大統領発言中に記者団退出、 日本側「強い遺憾」韓国政府」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の外交部当局者は26日、中国・成都で24日に開催された韓日首脳会談で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の冒頭発言中、日本側が記者団を退出させたことについて、「外交ルートを通じて日本に強い遺憾を示した」と明らかにした。

    (1)「日本側は、「意図的ではなく、(経緯を)調べて追加で釈明する内容があれば知らせる」と説明したという。会談当時、文大統領が冒頭で「(両国は)一時期ぎこちないことがあっても決して遠ざかることのできない仲」とした発言の通訳が終わった直後、日本側関係者が記者団に退出を要請した。首脳会談で記者団に公開される冒頭発言が終わる前に記者団を退出させることは異例で、「外交欠礼」との批判が出ている」

     

    はっきり言えば、些細なことである。韓国が、こういう点でわざわざ日本へ「遺憾」を申入れてきたことに裏がある。日韓首脳会談の会場選びで、日韓はさや当てした。韓国が、日中韓三カ国首脳会談の会義場を主張したのに対し、日本が安倍首相宿泊ホテルを主張。結局、日本の主張通りになった。この「恨み」が尾を引いたのだ。

     

    韓国は、この意趣返しに安倍首相宿泊ホテルへ定刻より1分遅れて到着。安倍首相は、出迎えるべく待っていた。時間になっても文大統領が表れず、安倍首相は気にして時計を見た姿がTVに映されていた。韓国は、こういう形で嫌がらせをしたことは間違いない。日本側が、文氏の冒頭挨拶中に記者団を退出させたことへの「遺憾申入れ」も会義場選択のいざこざと無縁ではない。

     

    (2)「一方、文大統領が23日に開かれた中国の習近平国家主席との会談で、香港と新疆ウイグル自治区を巡る問題について「中国の内政」との立場を示したと中国側が発表したことに関し、「中国側の言及があり、(文大統領が)『分かった』という趣旨の言及をした」と否定し、「適切な時期にこうした立場を中国側に伝える」と述べた」

     

    中国は、文大統領が香港問題と新疆ウイグル族問題について「内政問題」と発言したとする記事を大々的に報じた。実際は、中国の主張に対して「そうですか」という程度の「相づち」であったと韓国側は言っている。中国は、さも韓国が同意したというトーンで報道したのだ。これは、米国やEUでの中国批判に対して、韓国が中国側に付いたというイメージを与えるもの。米国やEUにとっては、韓国の裏切り行為である。

     

    韓国がこの問題で誤解を受ければ、外交上において大きな損失のはずである。それにも関わらず、中国へは抗議しないという。なんとも解せない話である。これにも裏があるのだ。中国から「THAAD(超高高度ミサイル網)導入に伴う制裁解除を狙っているためだ。

     

    『朝鮮日報』(12月26日付)は、「韓中首脳会談後、中国メディアが限韓令解除の可能性に言及」と題する記事を掲載した。

     

    中国共産党の機関紙、人民日報は25日、四川省成都市で開かれた韓中日首脳会議を1面から3面を割いて報じた。「旅行交流を積極的に推進する」などの内容を盛り込んだ3カ国協力の「10年ビジョン」の全文も掲載した。

     

    (3)「こうした中、一部の公式メディアは「限韓令(韓流禁止令)」解除の可能性にも言及した。グローバルタイムズは同日、「韓中関係の改善がK-POPスターに希望を与えている」と題する記事を掲載し、韓国の俳優が出演するテレビドラマが中国で放映される可能性があると報じた。同紙は中国のエンターテインメント業界の話として、イ・ジョンソク、オ・セフン、クリスタルなどの韓国の俳優が出演するドラマが中国本土で放映される可能性があると伝えた」

     

    中国では、韓国への経済制裁を解くという報道が出てきた。韓国政府は、これに期待して、前記の中国による「韓国同意」報道に抗議を見送っているのであろう。あるいは、中国が報じたように明確な「賛成」意思を示したのかも知れない。もし、そうだとすれば「韓国は信頼できない国」という印象を強めるだけである。

    このページのトップヘ