米国トランプ政権は、今秋の大統領選を前に、中国共産党員の入国禁止案を検討しているという。余りの影響の大きさに、トランプ氏も決断がつかないという。仮に実行されれば、家族を含めて2.7億人(2020年)が入国禁止となる。当然、中国の報復が予想される。「米中戦争」になろう。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』(7月17日付)は、「トランプ政権、中国共産党員の入国禁止を検討」と題する記事を掲載した。
米国のトランプ政権幹部は、中国共産党員とその家族の入国を禁止することを検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。米中政府の間で一段と緊張が高まる恐れがある。
(1)「査証(ビザ)発給を禁止する可能性についての議論は早期の段階にあり、発効の日程は定まっていないという。関係者によると、ドナルド・トランプ大統領はまだ計画を承認していない。渡米前の中国共産党員と家族だけを対象とするか、あるいは過去にさかのぼって適用するかなど、具体的な内容についてはなお議論が続いている。さかのぼって適用する場合、既に米国に入国している個人の国外退去につながりかねない」
米国が、過激な案を検討している。共産党員とその家族について、今後の入国か。過去に遡るとすれば、国外退去になる。当然、中国の報復が予想され、「戦時態勢」に落込む。
(2)「中国共産党員に関する情報は公開されておらず、米国がこうした方針をいかに実行するのかは不明だ。中国共産党は9000万人余(正しくは9200万人)りの党員を抱える。その家族を含めれば、数億人(注:2.7億人)の中国人が渡航禁止措置の対象となる可能性がある。協議を知る関係者の1人は、大統領の経済顧問の間で反対意見が出ていることから、トランプ氏が承認するか懐疑的な見方を示している。経済顧問らはこうした措置によって対中関係が修復不能なほどに損なわれる恐れがあると指摘している」
さすがのトランプ氏も、この過激な提案に慎重を期するだろうとみられている。ホワイトハウスの経済顧問らは反対姿勢のようだ。
『大紀元』(7月18日付)は、「『脱党』がグーグル・トレンド入り、米が共産党員の入国禁止の報道受け」と題する記事を掲載した。
トランプ政権が中国共産党員とその家族の入国を全面的に禁止することを検討しているとの報道を受け、グーグルで単語の検索回数の推移を示す「グーグル・トレンド」では、キーワード「退党(中国共産党からの離脱、または脱党ともいう)」の検索回数が急上昇した。
(3)「米紙『ニューヨーク・タイムズ』は7月15日、政府筋の話として、共産党員のほかに、米政府は中国軍と国営企業の幹部も入国禁止対象にする意向がある。中国当局の公表では、中国には9200万人の共産党員がいる。米政府は2億7000万人に影響が出ると試算した。報道を受け、グーグルで検索ワードの検査回数の推移を示す「グーグル・トレンド」では、17日午後3時24分ごろ、検索ワード「退党」の人気度動向の数値は最高値100となった。検索の大半は中国本土からだという」
グーグルの検索ワードでは、「退党」が最高値の検索になったという。米国への共産党員入国禁止のニュースが、注目を集めるのは当然である。中国で、最大の人気国が米国であるからだ。
(4)「米国の現行の「移民法」では、共産党員の米国への移民を禁じているが、共産党員の入国は禁止していない。一部の中国共産党員は、党員であることを隠し、米国籍を取得した。しかし、隠ぺいが発覚すれば、米国籍は、はく奪される。ネット上では、中国人や香港人ネットユーザーらはこの措置を歓迎する書き込みが多く見られた。「この措置を歓迎しない中国人はいないだろう。あまりにも感動したので泣きそうだ」「とても良い!汚職官僚はもう逃げられない」「中国共産党の高官の悪夢が始まった」「この措置は、香港人が『全党死清光(共産党を滅ぼそう)』と叫ぶより、パンチが効く」などと書き込み、米政府への支持を訴えた」
米国移民法では、共産党員の米国へ移民を禁止しているが、入国は認められている。それが、入国も禁止となれば、多大の影響が米中双方に出る。ネットユーザーは、共産党員の入国禁止に賛成という。共産党員への恨み辛みが表面化したものだ。