勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2020年08月

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    中国政府は、米中対立が長期にわたるとの想定で「緊縮経済ムード」を流している。食事の際に残飯を出すな。「大内循環経済」と称して鎖国経済への準備を始めよ、という暗い雰囲気を醸し出している。これは、国内の不満を事前に抑えようという政治的な狙いだ。

     

    ここまで国民に耐乏生活を強いながら、世界共産革命を実現しようという「夢想」に酔っている。まさに「夏の夜の夢」である。共産主義に無関心、あるいは心酔していない政府高官は、国外脱出の機会を狙っている。地方では、当局が住民のパスポートを回収して保管するなど、脱出を阻止する動きがみられる。習近平思想を有り難がっている人々は、一握りしかいない。

     

    ここへきて海外移住ダッシュが起っている背景には、「デジタル人民元」の実験開始がある。これが制度化されれば、個人の預金の動向は完全に当局に捕捉される。それ以前に中国を脱出して「網にかからない」工夫を始めているのだろう。

     

    『大紀元』(8月28日付)は、「高官や富豪だけではない『低ランク人口』も海外へ、中国脱出ラッシュ広がる」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米『ラジオ・フリー・アジア(RFA)8月26日付によると、中国人富豪の張さんは「海外移住、または外国のパスポートを取得した高官は数百人どころではない」と話した。「中国に訪れる危機を目にしているからだ」と指摘した。また、「この危機は、血迷っている当局の指導者の衝動によってもたらされた。これによって多くの人々は、数十年蓄積してきた財産と努力の成果を失うだろう。皆は、家族の健康と子どもの将来を犠牲にして、中国共産党の指導者の狂気に付き合うことができないからだ」と明快だ」

     

    中国は古来、社会動乱についての嗅覚が働く民族である。2500年以上も、専制政治の下に暮らしてきただけに、独特の勘が働いているに違いない。

     


    (2)「米に亡命し、サイパン島に住む孔園峰さんは、「中国当局の汚職官僚は海外逃亡の際、共産党体制の異見者を装い、党の機密文書を持ち出すことがある」と語った。孔さんによると、汚職官僚が、気功グループ、法輪功学習者に対する中国当局の弾圧政策の機密文書を持ち出し、亡命先の国の政府に提出すれば、亡命が認められる可能性が大きい。孔さんは、「500万元(約7762万円)を持つ官僚はベトナムやタイに行くが、5000万元(約7億7616万円)を持つ人はスペインやモルディブなどの国を目指している」と話した。中国黒龍江省の民間企業の元上級幹部は、中国国民の海外移住・亡命は大きな流れとなっていると指摘した。「中国の富豪にせよ、当局の高官にせよ、中国にいれば希望を見出せないと同時に、大きなリスクが伴うからだ」と」

     

    資産が500万元の人は、ベトナムやタイなどの近隣国へ脱出。5000万元の富裕層はスペインやモルディブという。こうして、故国を簡単に捨てる人々の存在に戸惑うばかりだ。

     

    (3)「中国当局によると、「低端人口(低収入や低学歴などの低ランクの人々)」と軽蔑された一般の市民も、手を尽くして中国からの脱出を図っている。広東省出身の女性市民、孫さんはRFAの取材に対して、「今後、鎖国になるのではないかと心配していた。国内経済情勢が悪く、多くの若者が失業した。(中国という国は、今)船に大量の水が入り込んでいる状態だ。もう中国に帰りたくない。中国の見通しは暗い。国民はもう安穏に暮らせなくなっている」と話した。40代後半の孫さんと息子2人は7月、欧州東南部のバルカン半島に位置する国に入国した。国の名前は明らかにしなかった」

     

    米中貿易戦争で、中国経済の末端はかなりの混乱を招いている。その上、米中デカップリングが本格化すれば、中国経済の混乱はさらに激しくなる。「低端人口」の人々には、海外へ出るしか生きる道はないのだろう。

     


    (4)「孫さんによると、国内の生活環境が「劣悪」で、抜け出したい市民が多くいる。「500万~600万元以上の資産を持つ知り合いの中間層は昨年、移民ビザを取得し、いつでも海外に行けるように準備していた」。孫さんは、「今の中国では、金持ちも貧乏人も、皆が中国共産党政権に『遅かれ早かれ搾取される』と危機感を持っている。金持ちは、『ファイブ・アイズ』(注:米・英・豪・カナダ・ニュージーランド)の各国に行く。中間層の人は(欧州の)シェンゲン圏(注:渡航者がEU圏内に入域、または圏外へ出域する場合には国境検査を受けるが、圏内で国境を越えるさいには検査を受けないことになっている)の各国に移民するのだ」

     

    中国共産党に愛想を尽かす人々が増えている。金持ちは、「ファイブ・アイズ」へ、中間層は欧州のシェンゲン圏へ移住するという。

     

    (5)「中国当局は、国民の海外移民ラッシュを取り締まるため、近年、公務員や国有企業の幹部らに対して、パスポートを勤務先に上納するよう要求している。昨年10月以降、一部の地方政府は、公立学校の教師および定年退職者のパスポートを没収した。また、当局はパスポート没収の対象をさらに拡大している。中国紙『新京報』89日付によれば、北京市平谷区当局は、管轄下の各村の党委員会や居民委員会の幹部のパスポートを取り上げた。パスポートを申請中の幹部に対して、審査基準をさらに厳しくするという。湖南省のある一人の村党委員会幹部はRFAの取材に対して、8月に上層部が、今後、個人のパスポートを預かるという通知を受け取ったと話した。「全国統一で行われている」という」

     

    当局は、海外移住を食い止めるためにパスポートを取り上げている。ここまで来ると、海外移住が、相当に目立ってきたのであろう。今後、個人のパスポートを預かる動きが、「全国統一で行われる」と指摘している。海外旅行も影響を受けよう。中国人の「爆買い」は消える運命かも知れない。これで、経常収支の赤字化を防ぐという「プラス」が期待できるからだ。

     


    (6)「中国当局は現在、国民1人当たりの外貨両替を年間5万ドル(約534万円)までと厳しく規制している。しかし、仮想通貨調査会社のChainalysisの最新研究によると、過去12カ月で約500億ドル(約5兆3395億円)の暗号化通貨の資産が中国から海外に送金された。中国では、当局の為替規制を回避している投資家が多くいることがわかった」

     

    仮想通貨を使って、「年間5万ドル」という規制を軽々と超える裏技が広がっている。あの手この手を使って、個人の「資産防衛」が行なわれている。「上に政策あれば、下に対策あり」が、中国の伝統である。共産党を崇め奉っているのは表だけ。裏にまわれば、舌を出している民族なのだ。

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    世界における中国の評価は、今や大きく低下している。「曲者」という認識に変わったのだ。何をするか分らない「ずる賢い」国というイメージに堕ちた。新型コロナウイルスはパンデミック化させながら、われ関せずという態度であるから余計、各国を怒らせ警戒姿勢を強めている。

     

    中国の海外企業買収では、一様に警戒の眼差しを向けられている。中国が、何を企んでいるかと疑念の目を向けられているのだ。こういう信用失墜からの回復は容易であるまい。

     

    『大紀元』(8月29日付)は、「各国が中国投資を厳格審査、中国の海外企業買収取引は25%減」と題する記事を掲載した。

     

    各国は、中国資本への監視を強化している。今年の中国の対外M&A取引は151億米ドルで、前年同期比(注:比較時期が不明)25%減となっている。

     


    (1)「ブルームバーグは26日、今年の中国の対外M&A取引は151億ドルで、昨年の同時期に比べて25%減少し、2016年の最高額1960億ドルを大きく下回っていると報じた。中共ウイルスの流行に加え、米国、インド、オーストラリア、EUなどによる主に中国の投資家を対象にした「外資に対する業界の厳格な審査」も取引減少要因の1つであると分析される。公開情報によると、世界の多くの国が今年、国家安全保障を守るために外国投資に対する審査を強化しているという。先週を例にとると、オーストラリアと台湾の行動が大きな注目を集めている」

     

    各国が、安全保障上の理由で海外資本によるM&Aに慎重姿勢に変わっている。とりわけ、中国資本による買収に警戒心が強い。

     

    (2)「日本のビールメーカーである、キリンホールディングス(HD)は25日、オーストラリアの子会社を中国の乳業大手への売却を取りやめたことを明らかにした。契約に不可欠なオーストラリア外国投資審査委員会(FIRB)の承認が得られないと判断したためだ。オーストラリアは6月の初めに、同国企業または資源の買収を厳しく監視し、国家安全保障上のリスクがある場合には財務大臣はそれを阻止する権限を持てるようになる、という最新の「外国投資改革計画」を発表した」

     

    資本の論理の前に、安全保障が優先する時代になった。原因をつくったのは中国である。グローバル経済は、もはや名ばかりの存在である。米中デカップリングが、海外M&Aに反映されることになった。

     


    (3)「台湾経済部は18日、「93日以降、台湾の企業または個人が中国本土拠点のOTT(ストリーミングサービス)のためにサービスを提供することは禁止する」と発表した。その時点で、iQiyi(アイチーイー)とTencent(テンセント)のWeTVという中国の二大人気ストリーミングサービスは禁止される可能性があるという。同部はさらに24日、中国最大手のインターネット通販サイト「淘宝(タオバオ)」の台湾事業を手掛ける企業が中国資本であると認定した。1396万米ドルの罰金を科し、さらには6か月以内に台湾から撤退するか、または再申請を命じたと発表した。台湾では、中国による経済的なコントロールを回避するため、中国企業による投資が規制されている」

     

    台湾政府の中国企業への警戒心は一段と強くなっている。中国政府が、「台湾武力解放」を叫んでいる以上、やむを得ない措置であろう。

     

    (4)「台湾紙『アップルデイリー』は25日、「中国資本を厳しく審査する時が来た」と題した評論を掲載した。同文では、「台湾経済部が『淘宝台湾』へ対する行動は、同国の安全保障を守る上で重要な役割を果たした。疑わしい中国資本がさまざまな形で台湾に浸透し国家安全保障に影響を与えるのを防ぐために、厳密な調査と「実質的な管理」を行うことが重要だ」との見解を示した」

     

    疑わしい中国資本の台湾浸透を防ぐのは、台湾でスパイ活動するリスクを未然に防ぐ意味であろう。中国と聞けば、疑心暗鬼になる時代となった。

     

    (5)「前記の評論には、「台湾当局は最近、安全保障の観点から法改正し、中国企業が別の外国企業を使用した迂回投資を防ぎ、また中国の「政党、政府、軍事投資企業」による台湾投資も禁止することで、過去の検閲の抜け穴を塞いだ」「国際情勢が急速に変化する中、台湾は自由民主の陣営にしっかりと立ち、主権と民主と苦労して獲得した自由を断固堅守しなければならない」と書かれていた」

     

    資本の論理(グローバル経済)の前に、「台湾は自由民主の陣営にしっかりと立ち、主権と民主と苦労して獲得した自由を断固堅守しなければならない」という安全保障論理が立ちふさがっている。世界の自由貿易は、死んだと言うほかない。

     

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    韓国政府は、安倍首相の辞任後の日韓関係について、大きな変化はないとの判断を固めた。日本政府の公式姿勢は、旧徴用工保障問題が日韓基本条約で解決済みとしている。これを覆すことは不可能能であるためだ。韓国が対応を変えない限り、日韓関係は冷えたままという結論になる。

     

    『中央日報』(8月29日付)は、「韓国大統領府・外交部、『ポスト安倍』に変化を期待しない雰囲気」と題する記事を掲載した。

     

    安倍晋三首相が28日、持病の潰瘍性大腸炎の再発を理由に辞任を公式発表したことに対し、韓国の青瓦台(チョンワデ、大統領府)と外交部は「残念に思う」とし「新しい首相と友好協力関係の増進のために引き続き協力する」という公式反応を見せた。しかし内部では「『ポスト安倍』時代に誰が首相になっても大きな変化は期待できない」という分析を終えたという。

    大統領府の姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官は安倍首相の辞任発表直後、書面論評で「安倍首相の突然の辞任発表を残念に思う」とし「日本憲政史上最長寿首相としてさまざまな意味ある成果を残し、特に長い間、韓日両国関係の発展のために多くの役割をしてきた」と述べた。続いて「安倍首相の早期の回復を願い、わが政府は新しく選出される日本の首相および新内閣とも韓日友好協力関係増進のために引き続き協力していく」と明らかにした。外交部も公式立場で「安倍首相の早期回復を願う。新しい日本の首相および内閣とも韓日友好関係増進のために協力を続けていく」と明らかにした。

     


    (1)「青瓦台情報筋は、中央日報との電話で「強硬報復を主導した安倍首相の退場で対話の雰囲気が良くなる余地はあるだろうが、後任に挙がっている人たちも強制徴用問題では大きな差はない」とし「嫌韓論が依然として日本国内政治に有用であるだけに自民党総裁選挙でも活用されるだろう」という見方を示した。今年末の韓日中首脳会談をきっかけに新首相と韓日関係改善議論が本格化するかについては「対話は続けているが(過去の問題の解決に対する)誠意が問題」とし「ポスト安倍政権も過去の歴史に対する立場が変わらないというのが内部の分析の結論」と伝えた」

     

    韓国が、反日姿勢を改めない限り、日本が妥協的姿勢に転じるはずがない。喧嘩を売ったのは韓国である。その韓国が態度を変えなければ、日本は対応するはずがない。

     

    (2)「外交部も、「誰が新しい首相になっても韓日間の争点は変わらないだろう」とし「韓日関係に変化があるとは見ていない」という立場だ。「日本では与野党を問わず、韓国大法院(最高裁)判決が韓日関係の根幹を覆した重大な問題という視点が内部コンセンサス」とも話した。安倍首相の支持を受ける岸田文雄自民党政調会長、菅義偉官房長官、反安倍派の筆頭の石破茂元自民党幹事長などの次期首相候補は「差はあるとしても過去の問題の争点では同じ立場」ということだ」

     

    自民党として、旧徴用工保障問題に対応している。だから、自民党から首相が出る以上、変化はない。

     

    (3)「こうした中、「ポスト安倍」日本政権発足を韓日関係解氷のきっかけにできるかどうかは結局、青瓦台にかかっているという分析もある。韓国国家戦略研究院の申範チョル(シン・ボムチョル)外交安保センター長は「裁判所が差し押さえた日本製鉄の株式の現金化が進行する場合は2次報復をすると日本が予告した状況で、韓国が刀の柄を握っている」とし「韓日両国の企業が、自発的な寄付で基金を設立して徴用被害者に賠償するという文喜相(ムン・ヒサン)前国会議長の案のように、日本に受け入れられる余地を与えない限り冷却期は続くだろう」と述べた」

     

    旧徴用工保障問題解決案は、韓国が出さなければならない。その準備をしない限り、日韓関係は冷却期間の継続である。

     

    (4)「申センター長は、「次期首相候補のうち安倍政権と対立してきた石破元幹事長が相対的に韓国との過去の問題に柔軟な立場だが、日本の戦後秩序について1965年の請求権協定で強制徴用賠償問題は解決されたという立場はみんな同じ」と伝えた。これに先立ち文在寅(ムン・ジェイン)大統領は光復節(8月15日、解放記念日)の演説で、強制徴用賠償判決に関し「いつでも日本政府と向き合って座る準備ができている」としながらも「司法府の判決を尊重する」と述べた。これに対し日本外務省は、「対話が重要なら具体的な解決にいたる案を出してほしい」と要求している

     

    文大統領は、反日を煽り国民の支持を得ようとする政治的判断を優先している。この大統領の下で、解決案など出るはずがあるまい。


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    日韓の「民度比較」の好適なケースが、コロナ沈静化状況の違いである。日本は、市民一人一人が夏休みも注意して行動しているので、「第二波」を切り抜けられる見通しが出てきた。韓国は逆である。最終コロナ対策の「第3段階」へ引上げると、経済が麻痺することからその手前の「2・5段階」まで引上げる。

     

    韓国の自慢した「K防疫モデル」は、完全に破綻した。理由は、市民が結束せずバラバラであることだ。自分の目先利益を求めて行動し「自己抑制機能」を喪失した結果であろう。春先のコロナ第一波では恐怖感から協力したが、第二波では恐怖感が薄れて、韓国独特の「自己利益追求」が前面に出た。日本の市民との違いがはっきりと現れている。

     

    8月30日午前0時から当面は8日間、「2・5段階」の規制を開始する。防疫当局は、「少なくとも10日間」とも発言している。規制期間の延長は必至であろう。

     

    『韓国経済新聞』(8月29日付)は、「韓国首都圏でコロナ距離『2・5段階』夜9時以降は飲食店『シャットダウン』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国首都圏で強化された社会的距離「第2段階」が施行される。密接・密集度を減らすために営業方式を制限する方向で対策が準備された。飲食店の場合、午後9時以降は店内で飲食ができない。今回の防疫対策は30日0時から来月6日夜12時まで8日間適用される。



    (1)「新型コロナウイルス感染症中央災難安全対策本部は28日、こうした内容の防疫措置を発表した。飲食店の場合、午後9時から翌日午前5時まで店内で飲食ができない。飲酒も同じだ。テイクアウトとデリバリーに限り許される。それ以外の時間はこれまでと同じく店内での飲食が可能だ。また、強化された措置に基づき、訪問者は電子出入者名簿認証過程を踏むか、手記出入者名簿を作成しなければいけない。適用される業種は一般・休憩飲食店、製菓店など約38万カ所

     

    下線部にように厳しい規制だ。中小・零細企業への打撃は不可避である。韓国経済の下押し効果は、一段と大きくなる。


    (2)「カフェの場合、時間に関係なく店内を利用できない。営業時間のテイクアウト・デリバリーだけが可能だ。ただ、フランチャイズ型コーヒー専門店に先に適用することにした。飲料などをはテイクアウトする場合にも出入者名簿を作成しなければならない。スポーツジム、ビリヤード、ゴルフ練習場など2万8000カ所の室内体育施設に集まることも禁止する。中央災難安全対策本部の関係者は「室内体育施設では飛沫の発生が多い活動が主に行われる」とし「利用者の滞留時間も比較的長くなる。最近、室内体育施設発の集団感染が発生した点を考慮した」と説明した」

    カフェやスポーツジム、ビリヤード、ゴルフ練習場などに集まることも禁止する。

     

    (3)「首都圏にある学習塾も非対面授業だけが可能だ。読書室、スタディーカフェにも人が集まってはいけない。計6万3000カ所にのぼる。教習所(同じ時間帯の9人以下の学習者)は今回の集合禁止措置から除外されたが、依然として集合制限措置は適用される。出入者名簿管理、マスク着用など核心防疫守則を必ず守らなければいけないということだ」

     

    読書室、スタディーカフェにも人が集まってはいけない。図書館も同じ扱いであろう。

     

    (4)「この日、中央防疫対策本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は定例会見で「感染病モデリングの専門家らは『現在の流行状況が続く場合、来週は一日に800人から2000人まで感染者が増加し、大規模流行につながり兼ねない』と警告している」と述べた。続いて「流行状況を今すぐ統制しなければ感染者が幾何級数的に急増し、医療システムが崩壊して社会の必須機能がまひしたり、莫大な経済的被害につながるおそれがある」と憂慮を表した。鄭本部長は特に最近の首都圏状況が最も深刻だと強調した。首都圏全体が危険地域ということだ」

     

    首都圏では、流行状況を今すぐ統制しなければ感染者が幾何級数的に急増する。当然、医療システムが崩壊して社会の必須機能がまひしたり、莫大な経済的被害につながるおそれがある段階まで来た。韓国は、第一波と同じ罠に陥っている。学習効果がなかったのだ。

     

    (5)「鄭本部長は、「今後少なくとも10日ほどは出退勤、病院訪問、生活必需品の購入など必須の外出を除いて集まり・旅行など人との接触を減らし、宗教活動、各種会議も非対面に切り替えてほしい」と要請した。さらに「外部活動をする場合は必ずマスクを着用し、手洗い、2メートルの距離維持などを徹底的に守ってほしい」と呼びかけた」

     

    防疫当局は、今後少なくとも10日ほど、と規制期間を予告している。文大統領は強権発動をちらつかせているほど。日本とは随分と違い、張り詰めた雰囲気が感じられる。日韓の「民度」の違いと言えば、韓国は激怒するだろうが、現実を見ればそう言わざるを得ない状況だ。 

     

     

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    新型コロナウイルスの原因究明に当っているWHO(世界保健機関)は、中国へ調査団の先遣隊2名を送ったが結局、現地の武漢市入りができなかった。中国が、承認しなかったのであろう。あくまでも現地での原因調査を阻み、「中国賠償責任論」を回避する積もりだ。

     

    これが、国連の5大常任理事国の振る舞いである。不利なことは徹底的に回避して責任を取らないで逃げ切ろうという算段であろう。トランプ大統領の選挙公約では、中国にコロナウイルスの責任を完全に取らせると明記している。それだけに中国は、WHOの正式調査を何が何でも逃げおおしたいに違いあるまい。この国が、世界覇権を狙っているのだ。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(8月28日付)は、「WHOのコロナ調査チーム、武漢入りせず」と題する記事を掲載した。

     

    世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの発生源の究明に向けて中国に派遣したチームが湖北省武漢市に入っていなかったことが明らかになった。中国政府の調査に対する姿勢に西側諸国の懸念が強まりそうだ。

     


    (1)「先ごろ、WHO2人組のチームが3週間訪中したが、その間ふたりは2019年12月に新型コロナ感染が初めて確認された武漢には入らなかったとWHOが認めた。WHOは、このチームは本格的な国際調査団を派遣する準備をしただけとしているが、大型調査団が武漢入りするのかどうかは明言していない。「WHOの派遣チームは3週間、北京にとどまり、武漢の近くには行かなかった」と、ある米政府高官は、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に、「決定的証拠を見つける機会が失われた」と語った」

     

    新型コロナウイルスの発生源特定は、時間が経てば経つほど困難になろう。中国は、それを狙っているのだ。これから起こるだろう中国への賠償責任追及を、法的に回避する道を探っているに違いない。それには、決定的な証拠を握られないこと。あくどいやり方である。

     

    (2)「米政府高官は、(派遣チームが武漢に行かなかったことが)本当だとすれば、世界の公衆衛生を保全すべき立場にあるWHOの問題事例がまた1つ増える。この感染症流行の極めて重要な初期段階において、世界の保健という公益よりも一加盟国への政治的配慮を優先したことになる。我々は今、その政策の大きな代償を背負わされている」。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は当初、80万人を超える死者を出している感染症の発生源の調査を求める豪州や米国などの声にいらだちを示していたが、5月にはWHO主導の調査を支持する考えを示した。「この動物由来ウイルスの起源と人間への感染経路を特定する」とするWHOの決議は世界130カ国以上に支持された。しかしこの決議には、透明性とアクセスの点で懸念がつきまとっている」

     

    世界130カ国以上に支持された、「この動物由来ウイルスの起源と人間への感染経路を特定する」とするWHO決議は、中国によって反古にされようとしている。しかし、世界は何もできない。これほど無力なWHO決議があるだろうか。中国に掣肘を加える方法はないのか。歯がゆい思いである。

     

    (3)「この件について、WHOは先週、「WHO2人組のチームが先般、ウイルスの起源に関する調査の下準備のために中国で3週間の任務を終えた。本格的なミッションに先立つ役割であり、共有すべき『ミッションの成果』はない」とした。ヤンゾン・ファン米外交問題評議会シニアフェロー(グローバルヘルス担当)は、信頼度の高い調査結果を得るためには、調査チームは武漢や南西部の雲南省など中国各地でどこにでも自由に立ち入る必要があると指摘する」

     

    WHO調査団は、自由に中国国内を調査する権限が与えられていないのだ。あくまでも、現地国の「政治的立場」に左右されるとすれば、WHOの権限を強化するほかないだろう。

     

    (4)「ファン氏は、「調査が純粋に科学的な試みになることを期待するのは現実離れしている」と言う。中国の機嫌を取ると同時に公正な科学的調査の体裁を確保するために、WHOはウイルスの起源となった動物の特定に専念し、公衆衛生上の失策には立ち入らない可能性があると同氏は指摘する。WHOは今週、FTの取材に対し、先遣チームが武漢ウイルス研究所の上級研究者らとオンラインで対話したことを明らかにした。武漢の市場周辺と最初の集団感染について、数週間から数カ月のうちに予備的な疫学調査を実施することで中国側と合意したという

     

    中国は、「数週間から数カ月のうちに予備的な疫学調査を実施することで合意したという。この予備的な疫学調査の期日を曖昧にしている理由は、コロナ発症の痕跡を消してしまうための時間であろう。

     


    (5)「新型コロナの発生源となった動物を調べる研究者は、中国南西部に生息するキクガシラコウモリが発生源である可能性が高いとみている。このコウモリは、新型コロナの遺伝子配列と96%一致するウイルスを保有していたことがわかっている。しかし、それがどのような形で人間に感染したのか、解明はほとんど進んでいない。おそらく別の動物が中間宿主として媒介したと考えられている。「ゼロ号患者(最初の感染者)」についてもまだ答えは出ていない。中国国内でのいくつかの研究によると、最初期の患者には、感染源となった疑いのある武漢の市場と接点のなかった人たちも含まれている」

     

    下線分が疫学的にもっとも重要な部分であろう。コウモリのウイルスが、どうやって人間に感染したか。そのもっとも大事な点の調査が、中国によって妨害されている。それが、解明されれば、中国責任論を補強できる。この肝心な点を調査させず、逃げ切りを狙っているのだろう。トランプ氏でないが、「中国に責任を取らせる」という気持ちは分るのだ。

     

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