勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2020年10月

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    韓国政府は、27日が締め切りとなるWTO(世界貿易機関)事務局長選挙で、韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長の当選を期して連日、2~3の外国首脳へ兪候補の売り込みを行っている。一方、これを阻止すべく日本が、「落選運動」をしていると韓国メディアが報じた。1年前、韓国政府が反日不買運動の先頭に立って、日本を刺激した以上、そのブーメランに見舞われていると記事は報じている。

     

    韓国は世界に出ようとしても、日本との関係を改善させなければ無理。かねてから、韓国ではこういう指摘がされてきた。日本を「天敵」扱いして、政権浮揚のテコにしてきた韓国政府は、大きな一撃を受けたようだ。日本を批判してきた文政権にとって、WTO事務局長選で落選すれば、ひとしきり「対日外交」のあり方が問われることになろう。

     

    『朝鮮日報』(10月27日付)は、「菅内閣『兪明希を阻め』WTO落選運動」と題する記事を掲載した。

     

    日本政府が世界貿易機関(WTO)事務局長選挙で韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長の当選を阻もうと、密かに各国に「ネガティブ・キャンペーン(落選運動)」を展開していることが26日、分かった。青瓦台と外交部が各国に「兪明希支持」を訴える総力外交に乗り出したことも、日本の妨害工作が今回の選挙終盤に変数になるかもしれないと見ているからだと思われる。昨年の与党関係者らが支持層結集のために行った「反日運動」が1年後にブーメランとなって返ってきたという指摘もある。

     

    (1)「本紙の取材を総合すると、先月発足した日本の菅内閣は、兪明希氏が次期WTO事務局長になることは日本の世論と国益に良くないと判断したとみられる。兪明希氏は、徴用賠償判決に対する報復措置として日本が昨年、輸出規制を実施すると、これをWTOに提訴する責任者となった。このため、同氏がWTOのトップになることを容認してはならない、という論理だ。兪明希氏が当選すれば、輸出規制訴訟はもちろん、ほかの紛争解決手続きでも日本が不利な状況に置かれる可能性があるとの判断も作用したという。「日本政府は候補者も立てられずに何をしていたのか」という非難が相次いでいる状況も懸念しているとのことだ」

     

    日本にとって韓国との貿易紛争が最多であろう。WTOで係争処理するだけに、その事務局長が韓国出身であれば、結論は火を見るより明らか。日本が係争相手国出身のWTO事務局長を回避したいのは当然だ。日本が、韓国から非難される理由はない。

     

    (2)「日本外務省は、今回のWTO事務局長選挙戦で重要な変数になるヨーロッパや中南米、アジア諸国に対して、兪明希氏を支持しないでほしいと要請していたことが分かった。輸出規制問題で両国が対立する中、韓国が事務局長を輩出すればWTOは公平性が疑わしいという論理を展開していることが分かった。また、一部の発展途上国では、日本の要求を聞き入れる見返りとして経済支援に言及していることも分かった」

     

    日本が、外交ルートを通じて「脱韓国候補者」運動をしていると、記事では指摘している。だが、日本の説得だけで事態が動くはずもない。欧州連合(EU)加盟国が26日(現地時間)、WTO事務局長選挙の決選でナイジェリアのオコンジョイウェアラ氏を支持することで合意した、とAFP通信が報じている。アフリカは、欧州の植民地にされてきたから、その「償い」という意味もあり、ナイジェリア候補者を推さざるを得ない事情もあろう。

     


    (3)「共同通信は25日、日本政府関係者の話として、日本政府がWTO事務局長選挙で兪明希氏と競い合っているナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相を支持することを決定した、と報じた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領や丁世均(チョン・セギュン)首相らが最近、他国の首脳と電話・手紙外交をして総力戦を展開しているのは、日本のネガティブ・キャンペーンの動きをキャッチしたからだ、という分析もある。韓国政府は、青瓦台の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長をチーム長とするタスクフォース(TF)を構成、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官らが毎日2~3件関連日程をこなすほど、今回の選挙に力を入れている」

     

    韓国が、WTO事務局長選に賭ける気合いは相当なものだ。文大統領自らが、各国首脳へ電話攻勢をかけ支持を要請してきた。それだけに当選できなければ、日本を恨むことになろう。

     

    (4)「コンセンサス(満場一致)方式で事務局長を選出するWTO選挙の特性上、日本が最後まで韓国に反対すれば、兪明希氏の選出は非常に難しくなる。このため、韓国政府周辺では、「昨年、与党が大々的な反日・不買運動の先頭に立ったのが痛い」という声も上がっている。昨年、韓国政府が福島産水産物輸入禁止関連のWTO紛争で日本に勝利した時、青瓦台が「前例のない勝利」などの表現で日本を刺激したことも、兪明希候補の公正性を問題視する声を裏付けしている。元外交部幹部は「予想に反して(兪明希氏を)最終投票まで進出させが、日本のヴィートー(拒否)で当選できなければ、対日外交責任論が浮上するだろう」と語った」

     

    韓国は、日本の壁を改めて認識することになった。日本が行った植民地政策は、「近代化」であって、日本の財政負担となった。英国は、インド植民地経営で徹底的な収奪を目的とした。こういう比較もせず一方的に日本を恨む、罵倒する、謝罪と賠償を求める。日韓関係が上手くいくはずがないのだ。

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    米国大統領選挙が、あと1週間後に迫った。共和党と民主党は、前回大統領選に棄権した人たちの投票を積極的に呼びかけている。とりわけ、注目されるのは共和党のドブ板選挙である。戸別訪問して直接、投票を呼びかけているのだ。片や民主党は「声かけ」せずに静かな戸別訪問を続けるなど、選挙運動のスタイルも異なっている。この差がどう出るか。バイデン人気に上滑りはないか。検討してみた。

     

    刻々と、最新の世論調査結果が発表されている。いずれも民主党バイデン候補に有利な話ばかりである。選挙資金の寄付も、民主党側が共和党側を上回っており、TV広告で圧倒している。だが、共和党の戸別訪問はTVでのバイデンPRに肉薄する効果を持っており、最終結末は依然として不明である。

     

    前記のように、民主党および無党派グループはコロナ禍により、対面で有権者登録を促す活動を控えている。しかし、共和党は対面の戸別訪問を展開し、支持層のほか、あまり投票しないか投票したことのない有権者に働き掛けている。田中角栄・元首相によれば、有権者と握手するコミュニケーションが大事という。共和党は、「角栄式」を利用した戸別訪問だ。

     

    『ロイター』(10月21日付)は、「米大統領選を左右するのは『前回棄権者』、両党が争奪戦」と題する記事を掲載した。

     

    世論調査や期日前投票の様子を見ると、通常は選挙に参加しない米国民数百万人が、今年は傍観をやめる可能性がある。こうした有権者は大差で民主党支持に傾いている。民主党系分析会社・ターゲットスマートによると、普段あまり選挙に参加しない、もしくは今回初めて参加する有権者約730万人が、20日時点で期日前投票を終えている。4年前の同じ時点と比べ、2.5倍以上の数だ。今年は新型コロナウイルス感染症への懸念から、各州は不在者投票や期日前投票の選択肢を広げている。

     

    (1)「ターゲットスマートによると、これら投票を終えた人々のうち、民主党支持者が共和党支持者を16%ポイント上回っている。同社のトム・ボニア最高経営責任者(CEO)は「より熱烈な支持を集めているのはだれか、どこで差がつくかという視点で見た場合に鍵を握るのは、選挙にあまり参加しないか初めて参加する有権者だ」と語る。共和党側は、こうした数字を深読みし過ぎるべきではないと釘を刺す。今年はトランプ氏の主要な支持層である、大学を出ていない白人有権者の投票率も高くなる可能性があるからだ」

     

    トランプ支持者は、シャイな人が多く「トランプ」と口に出さない人が11%はいる。バイデン支持者では、これが5%ほど。トランプ氏の破滅的演説よりも、バイデン氏の木訥とした話し方が共感を得るだろう。こういう候補者のパーソナリティで、「シャイ率」が異なることも頭に入れて置くべきだ。

     

    (2)「今年の大統領選は、前例破りの現象が目立つ。11月3日の投票日まで2週間弱の時点で、3500万人以上が投票を終えているのも異例だ。民主党の選挙対策関係者らは、あまり選挙に参加しない有権者の動員という点で、今年は自分たちが有利だと考えている。2016年の大統領選でトランプ氏が意表を突く勝利を収めた経緯が、そう考える一因だ。ウィスコンシン大の政治科学教授、バリー・バーデン氏によると、前回投票に出掛けなかった人々の一部は、トランプ氏が僅差で勝利したことで罪の意識にさいなまれた。「これらの人々は、4年前の出来事に仰天した。だから今回こそは、過去の後ろめたさを償おうとしている」と分析する」

     

    期日前投票が、すでに3500万人もいる。大方は民主党票でないかと見られるという。ただの期待であるが、投票先を言いたがらない「シャイ」な人も相当数いるだろう。結果は、開票して見なければ分からない。

     

    (3)「一方のトランプ氏陣営も激戦州で、あまり選挙に参加しない有権者に攻勢を掛ける。例えば、ペンシルベニア州ではボランティアが家々を回ってこうした有権者に話し掛け、有権者登録や投票の方法、場所を教えている。同州の投票記録によると、努力のかいあって、共和党の選挙登録者数は2016年に比べて差し引き20万人増加している。同州では長年、共和党が民主党に選挙登録者数で差をつけられてきたが、その差が1970年代以降で最も縮まっている。共和党はフロリダ州とノースカロライナ州でも同様の運動により、選挙登録者数の民主党優位を浸食している」

     

    共和党の選挙は、ローラー方式である。一軒一軒、しらみつぶしに戸別訪問して有権者と対話して説得するスタイルだ。このパラグラフでは、その成果が出ているという。前回、大統領選では、これが成果を上げたのだ。身体の不自由な人には投票所まで送迎するというきめ細かい戦術を取っている。今回は、さらに磨きを掛けているに違いない。

     


    (4)共和党の分析会社、マジョリティ・ストラテジーズが13日にまとめ、ロイターが閲覧したリポートによると、フロリダ州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、ネブラスカ州下院第2選挙区の6カ所は、無党派の有権者のうち、既に投票を終えた人々よりも、まだ投票していない人々の方が、共和党に投票する確率が高い。ただ、まだ投票していない人々に対し、このまま棄権してしまわないよう説得するのは、より難しい作業だ。そうした有権者を引きつけるのが、トランプ氏による大規模な選挙集会だ。同陣営幹部によると、13日にペンシルベニア州ジョンズタウンで実施した集会では、参加者の約23%がこれまで投票したことのない人々だった。18日のネバダ州カーソンシティの集会は、この割合が30%に達した」

     

    トランプ陣営はこうした出席者を集会後の数日間で改めて戸別訪問し、対面で投票を呼び掛ける戦術を取っている。同幹部は、「そうした家に有権者登録用紙や投票用紙を配る時にも、われわれは配布に確実に気が付いてもらうため、ドアもノックするようにしている。そこが違いだ。民主党はそれをやっていない」と語ったという。共和党は、大規模集会を頻繁に開いている狙いが、これで分るだろう。前回選挙時よりも、さらに戸別訪問に磨きを掛けている。

     

     

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    米国は9月15日から、ファーウェイへのソフトと半導体の輸出を全面禁止した。従来の抜け穴を封じるため、「米国技術(設備)を利用して生産した世界中の半導体」と網を広く張った結果、水も漏らさぬ輸出禁止体制が出来上がっている。

     

    ファーウェイが、ここまで米国を怒らせたのは、中国政府と一体になってスパイ活動を行なってきた「咎め」である。ファーウェイが、「民間会社」であるというイメージ(実際は政府株主)を使って、米国の主要大学や研究機関に補助金や研究器具を供与し、その成果をかすめ取ってきた。また、スパイ活動も積極的に行い、北欧ではファーウェイ社員が逮捕されている。ファーウェイはこういう悪事の露見で、米欧で広く営業地盤を失っているのだ。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月26日付)は、「ファーウェイにのしかかる米国の重圧、成長に陰り」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への圧力が高まっている。米国が半導体供給を締め付けているほか、同社の第5世代移動通信システム(5G)製品を排除する国も増える中、事業成長の鈍化が目立っている。深圳を拠点とするファーウェイが23日発表した1~9月期の売上高は伸びが鈍化した。同社はその前日、新型スマートフォンを発表。自社開発の高性能半導体を搭載したスマホはこれが最後になる可能性があると表明した。ニュー・ストリート・リサーチの通信インフラ担当主任、ピエール・フェラグ氏は「ファーウェイが何をすることができ、何をしてはいけないかを決める枠組みを米政権は設定した」と語った

     

    ファーウェイは事実上、米国の管理会社になった形である。部品やソフトウエアなどの輸入は、米国が左右する実権を持っているからだ。基幹技術を持たない中国企業は、米国の意思に反した行動を取れば、こういう結末を迎えるという実例となった。

     

    (2)「ファーウェイの1~9月期売上高は前年同期比9.9%増の6710億元(約10兆5300億円)と、前年同期の24%増から伸びが鈍化した。同社はそれについて「基本的に予想通り」だったと説明しているが、7~9月期(第3四半期)の売上高は前年同期比3.7%増と、前年同期の27%増からさらに大幅に後退した。喫緊の課題となっているのは、事実上全ての製品を支える半導体の調達能力だ。米商務省は今夏、915日以降いかなる企業も米国の技術を用いた半導体をファーウェイに販売することを禁じる新規制を発表した。米国製のハードもしくはソフトウエアは実質的にあらゆる最新半導体に何らかの形で使用されている

     

    7~9月期(第3四半期)の売上高は、前年同期比3.7%増。前年同期の27%増から大幅に後退した。これは今後、期を追って前年同期比マイナスになることを明確に示唆している。来年に入れば、ファーウェイが完全に「死に体」となろう。米国が、ファーウェイの生命を奪う形になった。

     

    (3)「ファーウェイは22日、最新スマホ「Mate40」を発表した際、自社が抱える課題に関心を引き寄せることになった。消費者部門トップのリチャード・ユー氏は最新端末のカメラ性能をアピール。スマホに搭載された社内ブランドのマイクロチップ「キリン」について、アップルの「iPhone(アイフォーン)12」のチップより多くのトランジスタを組み込んでいると誇った。ユー氏はその一方、自社の半導体を搭載するのはこれが最後になる可能性が高いと認めた。キリンを製造しているのは台湾積体電路製造(TSMC)だ。米規制によってTSMCはファーウェイへの供給を禁止されているうえ、供給体制の整っている代替業者は存在しない」

     

    ファーウェイは22日、最新スマホ「Mate40」を発表した。新型発表は、今回が最後になるという。最新半導体の入手が不可能になるためだ。借り物技術の悲劇である。

     

    (4)「不安材料はそれ以外にもある。ファーウェイは第2四半期にサムスン電子を抜いて世界最大のスマホメーカーとなったが、ファーウェイをトップの座に押し上げたのは中国消費者の旺盛な需要で、海外での販売は落ち込んだ。そしてカナリスのアナリストによると、3四半期には、海外ばかりか中国でもスマホの販売が減少した

     

    中国でのスマホ販売(7~9月期)が減少したのは、中国の購買力の落込みを反映している。中国ではパンデミックによる所得格差が拡大しており、底辺層はもはや新型スマホを購入できる力を失っている。中国経済については厳重警戒すべき段階にある。

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    韓国自動車業界トップの現代自は、7~9月期に営業赤字へ転落した。理由は、品質管理問題という。具体的には、米国でのエンジン・トラブル解決費用の発生である。EV(電気自動車)でも相次ぎ発火事件を起こしている。こちらは、蓄電池の問題であるが、現代自にとってはこの分野が鬼門のようだ。

     

    『聯合ニュース』(10月26日付)は、「現代自が営業赤字転落、品質関連費用の増加響く 7~9月」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国の現代自動車が26日に発表した7~9月期の連結決算によると、営業損失が3138億ウォン(約290億円)となり、赤字に転落した。新型コロナウイルス感染拡大による販売減と、品質管理に関するコスト増が影響した。エンジンの品質管理に関し、2兆1352億ウォン(約1973億円)のコストが発生したことが原因である。7~9月期の売上高は2.3%増の27兆5758億ウォン(約2兆5480億円)、純損失は1888億ウォン(約175億円)だった

     

    現代・起亜自動車が9月3日(現地時間)、火災を引き起こす危険のあるブレーキのオイル漏れを修理するため米国で59万1000台をリコールすると発表した。リコール対象は起亜自動車の2013年~2015年の中型セダンオプティマと2014年~2015年のSUVソレント44万台、現代自動車の2013年~2015年のSUVサンタフェ15万1000台。米安全規制当局の発表では、ブレーキオイル漏れによる火災は現代自動車で15件、起亜自動車で8件報告されている。以上は、『レコードチャイナ』(9月4日付)が伝えた。

     


    エンジンといえば、人間の心臓に当る。ここで、発火事故が米国で起こっている。いずれも、5年以上も前の製品である。部分的な改修に止まらず、新品のエンジンに交換すれば、その費用は莫大となろう。

     

    世界的な自動車企業は、売上高営業利益率が5%を割ると「危険ライン」とされている。税金や人件費を払った残りで、十分な研究開発費が捻出できないというのが理由である。現代自の営業利益が、7~9月期に損失であるのは由々しき事態である。

     

    EVでの発火事故も気になる。これまで発生したコナEVの火災について、現代自が事故の原因を明らかにしていないことだ。これまでの事故から火災の原因となるだけの共通点を見いだすのも容易ではない。以下は、『朝鮮日報』(6月14日付)が報じた。

     

    充電器をつないであったかどうか、充電が終わっていたかどうかなど、状況がそれぞれ異なっているためだ。このため、コナEVのオーナーたちは不安な日々を送っている。原因が解明されないため対策を講じることができず、自分の車がいつ燃えだすか分からないといった不安で胸がいっぱいなのだ。幸い、これまでの事故による人命被害はなかったものの、もし車の中に人が乗っていたり、隣の車に火が燃え移ったりしていたら、どうなっていただろうか。

     

    コナEVのオーナーたちの間では「車両火災は致命的な事故なのに、現代自は車を販売したらしっ放しで、何も対策を講じようとしない」といった不満の声が上がっている。特に2018年にはコナEVを生産する蔚山工場でコナEVによる火災が2度も発生した。こうしたことが明るみに出たことで、「現代自は事故原因を内部的にすでに把握しておきながらも、実は隠しているのではないか」「車両が危険だということを知っていながらも、発売し続けているのではないか」と疑問視する声が上がっている。


    こういう事故について、現代自が詳細な情報を発表しないことが、現代自製品の販売にブレーキを掛けて当然であろう。



    (2)「現代の関係者は、「品質管理に関する費用を除けば、7~9月期の営業利益は市場の予想値(9458億ウォン=約874億円)を大きく上回る水準」と話した。7~9月期の世界販売台数(卸売りベース)は99万7842台で、前年同期比9.6%減少した。国内販売は同21.9%増の19万9051台、海外販売は15.0%減の79万8791台だった」

     

    現代自は、品質管理に関する費用を除けば、7~9月期の営業利益は市場の予想値(9458億ウォン=約874億円)を大きく上回ったという。7~9月期の売上高は27兆5758億ウォン(約2兆5480億円)である。会社側の言い分をそのまま受入れて、品質管理費用2兆1352億ウォン(約1973億円)をゼロとすれば、営業利益は2兆4491億ウォン(2263億円)となろう。売上高営業利益率が8.9%になる。現代自の営業利益率は危機ライン5%を上回る。内部留保がたっぷりあれば、7~9月期の純損失1888億ウォン(約175億円)を避けられたはずだ。その意味で、経営基盤は脆弱である。

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    韓国政治は屈折している。同じ歴史問題でも中国への批判は遠慮しがち。日本へは速射砲で反応してくる。この違いは何か。中国へは恐怖感が先立ち、言いたいことも言えない遺伝子が、過去3000年の歴史の中で生まれているのだろう。片や日本へは遠慮会釈なく非難の矢を放つ。儒教における日本は、化外(けがい:野蛮国)扱いである。韓国政治は、現実を無視して古代の価値観に縛られて日本を見ている。歴史観にいささかの進歩もなさそうだ。

     

    『中央日報』(10月26日付)は、「また中国の顔色伺い? 同じ歴史わい曲めぐり日本には『遺憾』、中国には『疎通』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府が韓国戦争(朝鮮戦争)の責任を米国に転嫁した中国に対して一歩遅れて「ローキー(low-key)」基調の立場を明らかにして問題になっている。



    (1)「韓国外交部は25日、中国の習近平国家主席が韓国戦争を米国帝国主義侵略に対抗した戦争だと規定したことについて「韓国戦争勃発など関連事案はすでに国際的に論争が終わった問題で、このような明らかな歴史的事実は変わり得ない」とし「韓国戦争が北朝鮮の南侵によって勃発したというのは否定することができない歴史的事実」と明らかにした。続いて「韓国政府は関連動向を鋭意注視していて、われわれの関心事案について中国側と必要な疎通と措置を取っている」と強調した」

    朝鮮戦争の勃発の過程は、旧ソ連の崩壊によって「秘密資料」が公開された結果、北朝鮮と中国が開戦責任を負うべきであることが明らかになっている。中国は開戦時に朝鮮人部隊を編成して、38度線を突破させた。こういう経緯から言えば、習近平国家主席が朝鮮戦争を米国帝国主義侵略に対抗した戦争だと規定したことは、大嘘というべきだ。

     

    (2)「習主席は今月23日、「抗米援朝参戦70周年記念式」で「米国政府は国際戦略と冷戦思考から出発し、韓国の内戦に武力干渉することを決めた」と演説した。米国から北朝鮮を守るために参戦が避けられなかったという中国の韓国戦争観がそのまま反映された発言だった。朝鮮戦争の責任を否定する中国の態度は新しいものではないが、中国最高指導者の口から直接出た発言だったため波紋を呼んだ。特に、習主席のこの日の行事出席は、2000年の江沢民元主席以来、20年ぶりのことだった」

     

    習近平氏は、「抗米援朝」(米国に対抗し北朝鮮を支援)という意味で、朝鮮戦争の責任を米国に押し付けようという魂胆である。これは、現在の中国が米国の圧力を受けて身動きできない状態に陥っていることへの意趣返しである。

     

    (3)「中国最高指導者のこのような歴史わい曲発言が出てくると、韓国内では直ちに批判世論が起きたが、政府は動かなかった。満一日が過ぎた24日夕方になってから立場を表明した。「また中国の顔色伺いをしているのではないか」という指摘が自然に出てきた。一歩遅れて発表された政府の反応も水準が低かった。抗議どころか遺憾表明もしないまま疎通を強調したのは、低姿勢とは何が違うのかということだ」

     

    韓国政府は、習近平氏による歴史を歪曲する発言に対し沈黙した。この無様な態度を、韓国メディアが批判している。醜いほど、中国に傾斜しているとしか言いようがない。

     

    (4)「一部では、「日本の指導者級が歴史わい曲をしてもこのような形で対応するだろうか」という批判まで出てきた。実際、今月17日、日本の閣僚や議会関係者らが靖国神社に供物を奉納した際、外交部は直ちに報道官の論評を出して「深刻な遺憾を表す」とし「韓日関係の未来志向の発展要求に応じるよう強力に促す」と明らかにした」

     

    韓国は、靖国神社問題まで干渉してくる。厳密に言えば、韓国は日本によって「戦場」になった訳でないから、「発言権」はないのだ。戦勝国気分で、日本を批判しているにすぎない。便乗組である。

     

    話は変わるが、福島原発処理水問題で政府として抗議しているのは韓国だけである。他国からは、そのような声が聞かれないのだ。韓国という国が、日本に対していかに越権行為をしているかを物語る事例である。

     

    (5)「今回の習主席の発言に関連し、政府の立場表明の方式も釈然としなかった。外交部は政府の立場を当局者名義の論評などを通して公開するのではなく、メディアの問い合わせに回答する形式を取った。それもせいぜい3行にすぎなかった。これは日本の靖国供物奉納に対して報道官名義の論評だけではなく、フェイスブックでコメントまで出しながら強力に対応したこととは対照的だ

     

    韓国政府は、対中国については腫れ物に触るような態度だ。日本には言いたい放題。こういう矛楯に気付かないとすれば、韓国進歩派の「いいからかげん」さを象徴している。まともに相手にならない政権である。

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