勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    2021年05月

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    7月の東京五輪開催をめぐって、内外で開催中止の声が高まっている。隣国の韓国メディアでは無論、「反日」の立場から中止論を報道している。

     

    『ハンギョレ新聞』(5月28日付)は、「命よりお金? 危険水位を越えた東京五輪」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のキム・ソヨン東京特派である。

     

    (1)「日本国民の83%(朝日新聞の世論調査)が「命が大事」だとして五輪に反対するのは、当然の結果かもしれない。専門家らはコロナ禍での五輪開催は致命的な結果をもたらすと指摘している。最低でも全世界から選手やコーチら約9万人が入国し、ボランティアまで合わせると10万人以上が一定の場所に集まる。五輪とパラリンピックが開催される78月は、東京では一年中最も蒸し暑い時期だ。厳しい防疫対策が守られるかどうかなど、危険要素が多すぎる。「東京五輪はウイルスの“培養皿”になる」と懸念する声もあがっている」

     

    WHO(世界保健機関)の見解は、どうだろうか。日本のTVは、この話題で持ちきりである。WHOが、どのような見解で、どういう対策を取れば開催できるか。そういう案を出すべきだろう。

     

    (2)「国内外から五輪中止の声が相次いでいるにもかかわらず、国際オリンピック委員会(IOC)と日本政府は「安全・安心な五輪」が可能だと主張している。ニューヨーク・タイムズはコラムで「五輪強行の理由は第一も、第二も、第三もお金」だと主張した。IOCは主な収入源の放映権の販売だけで東京五輪で26億4600万ドルを手に入れるという」

     

    IOCが、守銭奴扱いされている。しかし、パンデミック下でどのような対策を取れば可能かという議論も必要である。今後、パンデミックは定期的に襲ってくる。人間による自然破壊がもたらした「逆襲」である。

     

    原発でも危険だから廃棄しろという議論の一方で、その危険性をどうすれば、コントロールできるかという視点が主張されている。東京五輪は、原発問題に似ている。危険をどのようにコントロールするかである。日本社会の英知の見せ場でもある。

     


    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月29日付)は、「東京五輪を救う方法、米は支援拡大を」と題する社説を掲載した。

     

    米国務省は5月24日、渡航警戒レベルの情報を更新し、米国人の日本への渡航に関し、日本での新型コロナ感染状況を理由に「中止勧告」を出した。この勧告の実際上の影響はそれほど大きくないが、日本が東京五輪に向け何万人ものアスリートと関係者を迎え入れ始める中で、間違ったメッセージを送ることになる。

     

    (3)「バイデン氏と菅氏が4月に出した(日米首脳会談の)共同声明は、「バイデン大統領は、今夏に安心で安全な五輪とパラリンピックを開催するための菅首相の取り組みを支持する」と宣言していた。バイデン氏が本気なら、渡航中止勧告の撤回が良い出発点になる可能性がある。しかし、ホワイトハウスは、ワクチンの供給と配布でも日本に緊急の支援を申し出るべきだろう。ホワイトハウスは今年、インドへの支援申し出で出遅れた」

     

    日米首脳会談の共同声明には、米国が日本の五輪開催を支持するという一項目が入っている。米国は、この精神を生かして何か日本への協力ができないかという提案である。

     

    (4)「日本政府への支援は、米国自体の利益にとって行う価値のあるものだ。しかし、中国が来年の北京冬季五輪の主催国であるという事実を思い起こすことも重要だ。独裁主義諸国は自国の政治モデルを顕示する場として五輪を利用する。東京五輪の失敗は中国政府にとって、プロパガンダ上の大勝利となるだろう」

     

    中国は、パンデミックを克服して冬季五輪を成功させたと宣伝するに決まっている。日本は「コロナに負けて五輪を中止した」と言うはずだ。そういう政治的宣伝に負けないためには、精密なコロナ克服法を打ち立てるべきである。日本が、それを不可能として放棄するのは余りにも工夫が足りない話だ。五輪中止論に凝り固まるより、可能性を見出して、それに努力を集中すれば道が開かれるはずだ。

     


    (5)「昨年の大会延期決定は残念だったが、世界が依然として新型コロナの正体解明に努めていた段階で、ワクチン配布が何カ月も先の見込みだった状態では避けられないものだった。五輪を今回開催すれば、1年以上に及んだロックダウン(都市封鎖)を経て世界が再び動き出したという重要なメッセージを送ることになるだろう

     

    下線部は、重要である。これから繰返されるパンデミックに対する「挑戦モデル」になるような「戦い方」を世界に向けて提示することだ。日本に、そういう底力を発揮するチャンスがめぐってきたと思えば、アイデアも浮かぶはず。今からでも遅くない。不用不急の外出を取り止める。それだけで、東京五輪は開催できるだろう。日本社会の結束力が試されているのだ。戦後の灰燼から立ち上がった国民である。それをもう一度、思い出そう。

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    韓国では、文政権の不動産政策の失敗で、ソウルの住宅は政権発足時から8割物値上がりになった。若者達は、住宅資金を貯めるべく一攫千金の仮想通貨に手を出して大損を被っている。4月初旬の高値から5月下旬の安値まで4割もの暴落である。

     

    韓国が、業界推計では全世界の仮想通貨取引の1割を占める。ビットコインへの投資はそのうち1割に満たず、9割以上が実態不明のハイリスクな「無名通貨」に流れ込んでいる。その中心にいるのが20~30代の若者だという。住宅購入の資金作りで手を染めた仮想通貨取引が、最近の暴落で一段と傷を深めているはずだ。気の毒を絵に描いたような事態である。

     


    韓国の仮想通貨投資家が5月3日現在で587万3000人に膨らんだことが分かった。昨年末時点では162万6000人にとどまっていた。年初来で420万人以上増えたことになる。仮想通貨投資ブームとなった4月だけで191万人も増えた計算である。朝鮮日報が入手した金融委員会の資料で明らかになった。

     

    上記の4月参入組の191万人は、損するために仮想通貨取引へ飛び込んだようなものである。韓国銀行(中央銀行)も、仮想通貨取引の不安定性に注意を発していたが、今や世界の中央銀行が一斉に警戒信号を打ち出している。

     

    黒田総裁は27日のインタビューで、ビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)について「取引のほとんどが投資あるいは投機を目的としており、足元では価格の変動が非常に大きくなっている」と指摘した。「裏付け資産を持っていないため、値動きが激しく、基本的に決済手段としてはほとんど利用されていない」 とも語った。

     


    暗号資産を疑問視する声は、他の中央銀行首脳から上がっていた。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は単なる投機の手段だと指摘し、欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は実物投資の対象とみなすべきではないとの見方を示した。イングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁は「内在する価値はない」とし、「全ての資金を失う用意があるのなら買えばいい」と
    警告した。以上は、『ブルームバーグ』(5月28日付)が報じた。

    『朝鮮日報』(5月28日付)は、「韓国の仮想通貨投資家587万人、先月だけで191万人参入」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「投資額を見ると、20180年1月以降、127兆7000億ウォン(約12兆5400億円)が仮想通貨取引所に入金され、105兆ウォンが出金された。口座残高は22兆7000億ウォンだ。587万人が投資を継続していると仮定すると、1人当たり387万ウォン(約38万円)を投資している計算になる」

     

    1人当たり約38万円投資したことになる。このうち約4割の値下がりになっている計算である。値下がりで約15万円が消えた計算になる

     


    (2)「仮想通貨の新規加入者は昨年10月以降、毎月急増している。

    昨年10月   1万3000人

     11月  10万2000人

    今年   1月  36万7000人

     2月  84万9000人

     3月 111万6000人

     4月 191万5000人

    取引所に入金される資金も大幅に増加しており、昨年12月の3兆9000億ウォンから今年4月には33兆2000億ウォンへと9倍に増えた」

     

    この投資家の急増ぶりを見ると、すさまじい数である。韓国社会の熱しやすさを示している。「反日騒ぎ」もこの勢いでやるのだ。

     


    (3)「資料には、仮想通貨バブルを懸念する金融当局の見解も示されている。「外国より韓国で仮想通貨の価格が高い『キムチプレミアム』が再び生じ、投資家と投資資金が殺到するなど投機ブームの再燃が懸念される」との指摘だ。しかし、金融委は仮想通貨投機の過熱を懸念しながらも、「当面は追加的な規制策を打ち出すことは慎重に検討すべきだ」とし、規制強化には否定的な立場を示した。国会関係者は「仮想通貨市場が現在のように過熱している状況で下手に規制策を打ち出し、価格が急落すれば、投資家の不満が集中しかねず、消極的な姿勢を見せたようだ」と話した」

     

    韓国に見られる「殺気」だった投資熱に恐ろしさを感じる。下線のように規制強化に踏み切れば、それをきっかけにして暴落して責任を追及されかねない点を恐れているのだろう。だが、すでに世界主要中央銀行は、はっきりと警告している。韓国も注意ぐらいはしておくべきだろう。

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    中国揚子江(長江)流域が例年よりも早く洪水期に入った。南部の一部地域には20日間雨が降り、中国9省79カ所の河川地域に洪水警報が発令された。例年より1カ月近く早い。河川や湖、貯水池の水位が急上昇している中、今年は最悪の洪水被害が出るのでないかという懸念が出ているという。

     

    昨年7月の大洪水も歴史的なものだった。三峡ダムが決壊するのでないかと、世界中で注目した。中国水利省は昨年7月末、長江上流部で第3波となる洪水が発生し、数百万人が避難している長江の氾濫が、さらに悪化する可能性があると警告したほど。今年は、武漢市で5月の洪水では156年ぶりと報じられている。昨年以上の洪水に見舞われる危険性が出てきた。

     


    『中央日報』(5月28日付)は、「中国に歴代級の洪水が襲う? 揚子江の5月水位、156年ぶり最高」と題する記事を掲載した。

     

    中国気象局によると、今月に入り、中国中南部地域は5回の豪雨に見舞われた。雨が降った日は15~20日で、平年に比べて2倍以上だった。26~27日、浙江省や江西省、福建省、湖北省、四川省、貴州省、広西省、雲南省、チベットの一部地域などに100ミリ以上の大雨が降った。

    (1)「揚子江が貫く湖北省武漢市の漢口測量所は26日、156年ぶりに最高水位を記録した。揚子江水資源管理委員会によると、この日午前10時川の水位は25.05メートルを記録した。これは1865年の水位観測開始以来、5月に記録されたものの中で最高値となる。現在、揚子江中下流の水位は平年比2.3~4.1メートル高く、昨年同期比4.6~7メートル高い状態だ。これに伴い、揚子江流域気象センターは警報水準である非常レベル4段階対応を発令した」

     


    中国国内ネットユーザーが今年3月、撮影した映像では湖北省武漢市の長江の一部流域で水が枯れ、完全に露出した川底が砂漠のようになっていた。武漢市の長江流域は従来、冬の渇水期に入っても多少の水が流れていたという。それが、完全に干し上がったのは、上流の三峡ダムの水量調節機能が失われている証拠と見られている。

     

    三峡ダムを建設した目的は、長江(揚子江)の増水期に洪水を防ぐために貯水し、渇水期になると放水して下流の水不足を解決することだった。今、「三峡ダムはこの役割を果たしていない。むしろ、増水期に放水して、渇水期に貯水すると状態で逆行している」と指摘されている。問題の根本は、中国当局の「自然改造」「人は必ず天(自然)に勝つ」という思想が破綻したと指摘されている。環境破壊の報いが始まったのである。

     

    武漢における揚子江の水位が、5月で156年ぶりの高水位になっているのは、三峡ダムの水量調節が失敗している結果と見られる。三峡ダムの建設が、気象条件を変えてしまった危険性に直面しているのだ。

     

    (2)「江西省では、すでに洪水被害が発生している。19日から始まった大雨でハ陽湖の水位が急激に上昇して56万人が水害を受け、40万ヘクタールの農地が水に浸った。各地の道路や村で浸水被害があり、ほとんどの学校も休校になった。経済的損失は3億8000万人民元(約66億円)に達すると推定された。江西省修河やハ陽湖一帯は、毎年洪水被害が発生する地域だが、今年は例年より20日ほど早いと現地メディアは伝えた」

     

    江西省では、すでに洪水被害が発生し56万人が水害を受け、40万ヘクタールの農地が水に浸ったという。今年は、例年より20日ほど早く、洪水被害が発生している。

     


    (3)「水資源部洪水予防部課長の王偉躍氏は、「普通、北緯20度程度の亜熱帯高気圧帯の位置が著しく北上したうえ、勢力が強い状態で北側の冷たい空気が繰り返し南下し、江以南地域に多くの雨を降らせている」と明らかにした。中国気象庁は「今後1週間、揚子江南部地域に大雨が頻繁に続く予定」としながら「警報信号発令時には外出を控えて浸水被害の防止に備えてほしい」と呼びかけた」

     

    今後1週間、揚子江南部地域に大雨が頻繁に続く予定という。これから7月末までの洪水期間に、どれだけの被害が出るか分からない。中国は、「自然改造」という名の下に大掛かりな自然破壊を行なってきた。今後、その逆襲を受けることになろう。国民が、最大の被害者である。

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    韓国は、伝統的な中国恐怖症が治っていない。今回の米韓首脳会談における共同声明の内容は、事前に中国側へ伝えていたという。この調子では、米国の秘密情報も筒抜けになる危険性が出て来た。とても、「クアッド」(日米豪印)の一員に加えられないリスクがあるようだ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(5月29日付)は、「中国が容認した米韓協調 文政権、危うい『綱渡り外交』」と題する記事を掲載した。

     

    バイデン米大統領と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日の会談で協調をアピールし、共同声明には台湾問題を盛り込んだ。韓国が急に米側に傾いたようにもみえるが、中国は強い批判を控えている。小国が大国の間でバランスをとる「綱渡り外交」が奏功した形だが、それは綱から落ちる危うさもはらむ。

     


    (1)「中国の反応は米韓首脳会談の直後ではなく、2日後だった。外務省の趙立堅副報道局長が「台湾問題で言動を慎み、火遊びをするな」と述べた。言葉は激しいが、外交専門家の間では、批判のトーンは抑え込まれたと受け止められている。韓国は首脳会談にあたり中国への配慮をちりばめた。共同声明は中国を直接名指しせず、文氏は記者会見で「両岸関係(中台関係)の特殊性を勘案しながら、韓米は協力する」と付け加えた」

     

    中国が、米韓共同声明に対して強烈な反応を示さなかった裏には「理由」があった。韓国が事前に、米韓の共同声明の内容を知らせていたのである。韓国は、こういう外交上の秘密を連絡し合う仲であることを示した。

     

    (2)「26日には韓国のテレビに出演した中国の邢海明駐韓大使が、共同声明で中国の名指しがなかったことについて「韓国政府は大変努力された」と笑顔で語った。反発を懸念した韓国は「中国は韓国の立場を理解している」(大統領府関係者)と胸をなで下ろした」

     

    駐韓中国大使が、韓国へ理解ある姿勢を見せたのは当然であろう。

     


    (3)「ソウルの外交関係者は「中国は首脳会談前に大方の内容を知らされていた」と明かす。韓国政府は中国側との事前の擦り合わせで落としどころを探ったとみられる。中国は日米豪印4カ国の枠組みである「Quad(クアッド)」について共同声明への言及を容認する一方、香港や新疆ウイグル自治区などの人権問題には触れさせないように調整したようだ」

     

    共同声明文には、香港や新疆ウイグル自治区などの文言は見られない。これは、中国が反対した結果である。

     

    (4)「韓国には中国との関係悪化を引き起こした朴槿恵(パク・クネ)前政権の教訓がある。2016年に米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備を決定した時のことだ。朴氏はそれまで、中国との蜜月を演じていた。前年には北京に出向き、習近平(シー・ジンピン)国家主席と共に「抗日戦争勝利70年」を祝す軍事パレードを閲兵した。ところがTHAAD配備に中国は猛反発し、韓国製品を締め出す厳しい制裁措置を繰り出した。韓国政府には「事前相談なしの決定が中国の怒りを招いた」との反省が引き継がれている」

     

    韓国は、THAAD問題の発生について「事前相談なしの決定が中国の怒りを招いた」という認識である。この例でいけば、韓国は中国関係の問題について、中国の事前承認をすべて必要とすることになる。これこそ、従属外交そのものである。韓国をクアッドへ入れることは危険この上ない事態となろう。

     


    (5)「大国に囲まれる朝鮮半島で「綱渡り外交」は地政学上の宿命といえる。中国とソ連が対立した1950年代に、北朝鮮の金日成主席が両国の間で展開した外交は有名だ。金日成氏は61年、互いの防衛義務を定める「相互援助条約」を中ソの双方と締結した。大国同士をけん制させながら、両国から経済や武器の支援を巧みに引き出した」

     

    北朝鮮が、中ソ対立の際に中立を守ったのは当然である。中ソはともに北朝鮮のスポンサーであるからだ。だが、米中対立で韓国が中立を守れるはずがない。韓国は、中国と同盟関係にないからだ。ここら辺りが、朝鮮民族特有の生き方なのだろう。

     

    (6)「安保と経済ともに米国一辺倒だった韓国は、2003年に発足した盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が「バランス外交」という言葉を口にし始めた。この年、韓国の対外輸出は中国が米国を抜いて首位となった。米中対立の激化で、両国のはざまにある韓国の相対的な重要性は高まっており、文氏が政治的な師とする盧氏が打ち出したバランス外交は展開しやすくなっている」

     

    バランス外交は、二股外交という意味である。2000年代には可能であっても、現在の米中対立激化時代には不可能である。韓国は、米国から疎外され利用されるだけの弱い立場に転落する。そういう「ヌエ的」韓国は、信頼に値した国家でないからだ。

     

    (7)「文氏は今回、韓国企業による4兆円規模の対米投資計画を米国に持参し、北朝鮮との対話姿勢や南北融和への支持を取り付けた。中国に対しては緊密な連絡を続けている。文氏は26日に与野党の代表を招いた席で、習国家主席の早期訪韓を推進する考えも示した。ただ、今後も文氏がきわどい立ち回りで乗り切れるかは不透明だ。韓国に臨時配備している6基のTHAADの扱いも難題になる。今は環境影響評価を進めている段階で、文氏は遠からず正式配備するかどうかの判断を迫られる」

     

    米中対立の激化という時代背景を考えるべきである。米中が平和的関係であれば、二股外交は成立する。現状は、真逆の関係になっているのだ。

     

    (8)「韓国では「綱渡り外交」は積極外交を評価する意味で使われるが、一方で「鯨のけんかでエビの背中が裂ける」ということわざも存在する。弱者が強者の争いの巻き添えを食らうという意味だ。次期大統領選に向け保革が対立しており、外交での失敗は許されない状況が続く」

     

    朝鮮李朝末期の外交が、なぜ失敗したかを考えるべきだ。李朝はロシアを頼った結果、英米が日本の朝鮮統治を認めたことだ。世界情勢は、独裁国と民主主義国の対立である。韓国が、中国との関係を切れないのは、李朝がロシアを選択した誤りと同じである。歴史は、繰返すのか。嘆息せざるを得ない。

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    韓国は、中国に対して借りてきた猫のように振る舞う。日本へは俄然、高姿勢に立ち向かってくる。徴用工問題・慰安婦問題という歴史に関わることから、最近は旭日旗・福島原発処理水に加えて、東京五輪ホームページの竹島地図問題で喧嘩腰になって立ち向かってきている。

     

    日本への劣等感を吹き飛ばすためか、次々と問題を探して来る感じだ。日本からすれば、「またか」という感じである。ここまで角突き合わせてくると、中に立つ米国も大変であろう。

     

    米国にとってはこうした韓国の仕掛ける「喧嘩」は、対中国戦略を組立てなければならない状況から言って「些事」(さじ:つまらないこと)である。韓国が青筋立てて騒ぐほどの問題か、という実感であろう。韓国でも大所高所から見て、米国が韓国に対して日韓関係改善へ圧力を掛けるだろうとの見解が出てきた。

     


    『聯合ニュース』(5月28日付)は、「韓日関係改善へ米国が圧力強める可能性、対応策必要―韓国研究機関」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府系シンクタンクの対外経済政策研究院(KIEP)は5月28日、先週の韓米首脳会談に関する報告書を公表し、今後は韓日関係の改善などに対する米国からの圧力が強まる可能性があるため対応策が必要だと指摘した。

     

    (1)「報告書は、首脳会談の内容や主要国の反応を分析し、今後の見通しをまとめたもの。それによると、首脳会談では韓米日協力の重要性が強調され、台湾海峡や南シナ海など中国が敏感に反応する問題が取り上げられたと説明。その上で「この先は韓日関係の改善と域内の安全保障面での役割向上に対する米国からの圧力が強まる可能性がある」とし、対応策を講じるべきだと指摘した」

     

    日米韓三ヶ国が、中国の海洋進出へ対抗するには協力することが必要である。韓国は、そういう視点を忘れ、日本への意趣返しに全力を挙げている。米国にとって、この状態を放置できず今後、韓国へ改善圧力を掛けることは当然であろう。江戸幕府に喩えれば、日本は「御三家」である。韓国は、中国との縁を完全に切れなければ「外様」扱いである。韓国は、米国から日韓関係改善を求められて当然の立場なのだ。

     


    (2)「会談の共同声明で示された対北朝鮮政策に関しては、「北への配慮と米国の外交的戦略が同時に盛り込まれた」と評価し、これを土台に米朝の非核化交渉再開と連動する形で南北関係も徐々に改善する可能性があると期待を示した」

     

    北朝鮮問題も、日米韓三ヶ国は一体となって解決に当るというのが米国の立場である。日韓が角突き合わせていたのでは、北朝鮮問題も先へ進まないに違いない。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月18日付)は、「バイデン政権『日韓との同盟重視』バランス外交に腐心」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「バイデン米政権がアジアで最も重要な同盟国2カ国とどうバランスを取っているかを知りたければ、スーツの襟元を見ればいい。アントニー・ブリンケン米国務長官とロイド・オースティン国防長官は東京で、北朝鮮に拉致された日本人への連帯感を示す青いピンを刺していた。だが両氏が3月17日にソウルに到着した時、ピンは外されていた。このことは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権との関係を重視している韓国では、これがそれほど重要な問題ではないことを示している」

     


    米国は、日韓が大事な同盟国であるが、仲違いしていることに頭を痛めている。以前は、日本へ歴史問題で妥協を求めた。現在は、韓国の偏狭な対日姿勢を改めさせることに主眼が置かれている。韓国は、米国が日本へ圧力を掛けてくれると思い込んでいるが、中国問題の浮上で逆になっているのだ。このことに気付かないのだから困る。

     

    (4)「日本と韓国はいずれも防衛の分野で米軍に大きく依存しているため、米国の外交上の歓心を買うことにとりわけこだわっており、もし一方が肩入れされることがあれば、他方がそれを見逃すことはない。日本と韓国は何十年もの間、この地域における米国のお気に入りの同盟国になるべく腐心してきた。そのため、米政府関係者の一言一句に始まり、米大統領からの電話をどちらが先に受けるか、また歴史問題や国家安全保障などさまざまな問題を巡りどちらが米国の支持を得るかに至るまで、気がかりの種は尽きない」

     

    このパラグラフは、随分と露骨に書いている。日韓が、米国のご機嫌取りに終始してきたという。これは事実に反する。日本はベトナムへの出兵を断っている。日米経済摩擦問題でも、随分とやり合った関係である。日本が、米国を「利用」してきたのだ。防衛費の限度として、対GDP比1%の枠に収めてきたのはその適例であろう。その分を、経済成長予算に向けてきた。日本は、「軽武装・高成長」路線であった。

     


    (5)「違いは大きいものの複雑に絡み合っている日韓に良好な関係を維持させるのは、米国の重要な役割だ。日本と韓国には多くの米軍が駐留している。米国の同盟国である両国は、米国が中国や北朝鮮、ロシアなどを巡る外交政策上の難問に取り組む上で中心的な役割を担っている。米国務省東アジア・太平洋局のソン・キム氏は先週、「われわれは米国と同盟国の関係強化のみならず、同盟国間の関係強化にも取り組んでいる」とした上で、「日本と韓国ほど重要な国はない」と述べた」

     

    米国にとって、中朝ロをめぐる対策を練る上で、日韓ほど重要な国はないであろう。三角形の頂点に立つ米国は、底辺の日韓がグラグラしていたのでは安定した力を出せないのだ。

     

    (6)「ある韓国政府アドバイザーは、米国が日本を初の外遊先に選んだことを不快に思っていないとした上で、『日本がわれわれより強い国であることを受け入れている』と話す。『それが国際秩序で、事実であるにすぎない』」

     

    韓国が日本と競争をしたがることは、はなはだ迷惑である。日本の技術と資本で急成長した事実を忘れて、日本へ背伸びして立ち向かってくるのは、正直なところ「鬱陶(うっとう)しい」のである。日本は、韓国を相手にしていないのだ。そのことが分からず、絡みついてくる。それが、現実である。

     

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