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中国の不動産バブルは、ついに最終局面にきたようだ。地方政府が、不動産企業に住宅価格の値下げ禁止令を出したもの。パンパンに膨れ上がった不動産バブルの一斉崩壊を恐れた結果であろう。「土地錬金術」でGDPを世界2位に押し上げてきた中国。断末魔の局面に入ったことは間違いない。

 

『大紀元』(10月5日付)は、「中国各地で住宅価格値下げを禁止、誓約書を書かされた企業も、財政難防ぐためか」と題する記事を掲載した。

 

中国広西チワン族自治区の桂林市臨桂新区政府はこのほど、不動産企業に対して住宅物件の販売価格を値下げしないよう要求した。違反した企業は謝罪し、なかには値下げしないと誓約書を書かされた企業もあった。

 

(1)「中国版ツイッター「微博」のユーザー、「桂林房市資訊」の投稿によると、920日、区政府は「住宅価格の安定維持会議」で、販売物件の値下げを行った不動産デベロッパー大手、碧桂園控股有限公司(カントリー・ガーデン、以下は碧桂園)を名指して批判し、各不動産企業に対して「悪意のある値下げ行為をしないよう」にと要求した。また、区政府は各企業に住宅価格の下落を避けるよう指示した。碧桂園の地域執行総裁は謝罪し、恒大集団、新城控股、金科地産などの不動産大手は次々と、値下げをしないと誓約書に署名したという。湖北省や江蘇省などの各地方政府も、不動産企業に値引きを禁じた」

 

地方政府が、住宅価格の値下を禁止したのは、バブル崩壊で住宅価格が暴落した場合、経済が大混乱することを予防するためだ。地方政府の土地売却益への波及を回避する目的でもある。地方政府が、住宅過剰在庫がもたらす値下がりリスクの防止に乗り出している。肝心の住宅需要が、息切れしてきた結果、生じた値下げである以上、禁止しても値下がりが止るはずがない。

 

(2)「この投稿によれば、不動産開発を管轄する桂林市住宅建設局は、臨桂新区における碧桂園のすべてのプロジェクトを一時停止する措置を取った。インターネット上で、碧桂園で物件を購入したネットユーザーは、碧桂園は913日前後、1平方メートル当たり6000元(約89628円)の物件を1平方メートル当たり3900元(約58258円)まで減額したとコメントを書き込んだ

 

下線を引いた部分の値下がり率は、1平方メートル当たり6000元の物件が、3900元になったのだから実に65%引き価格になる。これは、暴落と言っても不思議でない、異常事態になっている。地方政府は、これを防ぐために強硬策に出て来たのであろう。

 

(3)「ネットユーザーの多くは、市政府が碧桂園の経営活動に直接に介入したと糾弾した。「値下げは企業の自主行為で、区政府の批判は完全に違法な市場介入だ。経済活動をわかっていない連中による野蛮な行為だ。2015年以降、住宅価格が急騰したにもかかわらず、なぜ当局は何も言わなかったのか?」と手厳しい」

 

市民にとっては、高値の華である住宅価格の値下がりは大歓迎である。そこまで強引に押上げたのは、地方政府である。土地売却益を維持するために地価を釣り上げたからだ。

 

(4)「今年に入ってから、中国当局は、金融リスクの拡大を警戒し、銀行融資が不動産企業に流れないように規制を強めた。米中貿易戦での景気後退に伴い、各企業が資金難に陥っている。碧桂園や恒大集団など各不動産大手は、資金回収のために、相次いで販売促進を行っている。中国メディアによれば、恒大集団は820日、全国532件の分譲マンションを対象に「22%オフ活動」を行った。また、同社は9月末頃、各中小都市の分譲物件を3割引きにすると伝えた」

 

金融当局は、不動産バブルの膨張を防ぐべく不動産融資を絞っている。一方、バブル警戒が強く締めすぎると、業者が苦し紛れに投げ売りを始めるので、それが不動産バブルの崩壊につながる。二進も三進も動けない状況を示している。中央政府は、不動産バブルを管理下に置く試みを始めているが、経済原則から見て成功する確率は低い。需給バランスが取れるところまで価格の下落は不可避だ。中国経済は、不動産バブルに逆襲される段階だ。地方政府は、市民からの批判覚悟で「値下げ禁止令」を出したに違いない。だが、需要が落込んでいる以上、「無駄な抵抗」と言うべきだろう。