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現代自動車の外部諮問委が、2025年までに従業員の40%削減案を提示した。理由は、EUでの内燃機関車の製造中止である。「労働貴族」の象徴とされる現代自労組には厳しい人員削減案になりそうだ。ただ、労組側も事情を認識しており、最大限20%削減案を主張している。企業側は20%削減案が最小限としており、40%削減案が登場した背景である。

 

気候変動枠組み条約のパリ協定に基づき、オランダなどでは内燃機関の自動車販売が、2025年から中断される。韓国政府も今年末にエコカーロードマップを発表し、電気自動車・燃料電池車量産計画を明らかにする予定だ。内燃機関中心の現代車の労働組合員は、具体的な対応もなく闘争だけを続ける場合、長期的には職場を失うという心配が浮上している。こうして、エコカー生産工程への準備をしようという意見が組合員の中から出てきたという。

労使が問題の重要性を認識し始めた。ただ、労働組合は20%削減案を「最大値」と見なしている。使用者側は、20%削減案を「最小値」と見なして対立している。また、労働組合の内部でも意見が分かれている。パワートレインなど内燃機関の核心部品を担当する部門では、生産人員減案に強く反発しているという。

 

『中央日報』(10月7日付)は、「現代車労使に警告、人員40%削減しなければ共倒れ」と題する記事を掲載した。


「人員の40%を削減しなければ共倒れになる」。現代自動車外部諮問委員が最近、労使双方に出した警告だ。自動車産業の急変、生産工程の自動化などで現代車も人員削減が避けられないということだ。

 

現代自労使の苦悩は、世界の自動車産業共通の悩みである。日本は労使関係が円滑であるから、現代自のような悩みはないが、いかに雇用を守るかという点で共通している。

(1)「内燃機関の自動車を主に生産してきた現代車はその間、変化を拒否する労働組合と変化を図る使用者側が対立してきた。しかし昨年8月、雇用安定委員会が構成され、労使が共にエコカー対策に着手しながら変化が始まった。その結果として現代自動車の労使は2025年までに生産人員を20%ほど削減する案について共感した

 

労組側も2025年までに20%削減案を認めた。だが、問題はそれで済まない点である。現代自動車外部諮問委員は、40%削減でなければ「労使とも倒れ」と警鐘を打っている。上積みの「プラス20%」は、大変な騒ぎとなろう。

 

(2)「諮問委の関係者は6日、「労使がコンセンサス、すなわち共通認識をしたのは、生産人員を2025年までに20%ほど削減するのが避けられないという点」とし「具体的な削減人員の数を定めたわけではないが、労働組合が人員削減を受け入れたという点で意味がある」と述べた。算術的に現在5万人の国内生産人員を1万人ほど減らす案について労使双方の意見が一致したのだ」

労使の共通認識で、人員削減で一致した。これまでの戦闘的な現代自労組が、同意したことは、事態の深刻さを把握している結果だ。

 

(3)「雇用安定委員会の構成以降、労使は人員削減規模をめぐり対立してきた。労働組合は2025年までに生産職1万3500人が退職するだけに、これだけを補充すべきだと主張した。使用者側は「電気自動車や燃料電池車に自動車産業が移行しているため新規補充はない」と強硬な立場を見せた。議論が進められながら労働組合も人員減少を受け入れ、使用者側も電気自動車、燃料電池車生産への過渡期上の必須人員を考慮して折衷案を探した。特に労働組合が変化を認めたことは、自動車産業の変化に歩調を合わせなければ遅れを取ると判断したからだ」

 

パリ協定という大義名分には、現代自労組と言えど異議を申し立てられない。受入れるしかないのだ。


(4)「電気自動車や燃料電池車はエンジンと変速機が必要なく、内燃機関に比べて部品数も減少する。さらにモジュール化が進み、生産工程に必要な人員も減る。労働組合はこうした要因を考慮し、2025年までに5000-7000人の雇用減少を見込んでいる。外部の環境変化を無視すれば雇用の危機を迎えるという悩みもある。使用者側は電気自動車・燃料電池車への転換を積極的に推進するという立場であり、双方が対立する可能性は残っている。使用者側は2025年までにエコカーを年間45万台まで生産することを計画しているが、これをさらに増やす計画だ」

エコカーが、ガソリン車の売上減をカバーしてくれればスムースに移行できる。肝心のEV(電気自動車)は、蓄電池の性能改善とコスト引き下げがカギを握っている。今後、数年間に劇的な改善が進むとは期待できないのだ。そこで、浮上するのがHV(ハイブリッド車)である。現代自にはその技術がない。トヨタとホンダが、世界の独壇場になっている。