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韓国大統領府は、あらゆる政策が素人集団によって決められる希有の組織である。韓国の大統領制が招いた欠陥である。各省庁にはむろん専門家がいる。だが、大統領府の秘書官は、大統領の指名で集められた人たちである。人縁で集まってきた「お仲間」である。

 

文大統領は、学生運動家上がりである。その縁で「勉強」よりも「運動」という学生生活を送った人たちが、大統領府で「専門家」として政策を決めている。これでは、まともな結論など期待できるはずがない。学生運動を共にした仲間が、『ハンギョレ新聞』のコラムで、これら秘書官を痛烈に批判したことがある。「不勉強も甚だしい民族主義者」というのだ。国民・国家が最大の被害者になる。

 

『韓国経済新聞』(10月7日付)は、「韓国経済専門家ら成長生態系崩れる『このままではL字型沈滞』」と題する記事を掲載した。

 

韓国の経済専門家は今年または来年を基点に韓国が年1%台の低成長局面に進入する可能性が高いと診断した。彼らは韓国政府が規制改革を通じ「起業しやすい環境」を作る形に政策方向を変えなければ、「L字型長期沈滞」は避けられないと警告した。

(1)「韓国経済新聞は6日、専門家11人を対象に緊急電話インタビューとアンケート調査をした。その結果、高麗(コリョ)大学経済学科の田炳憲(チョン・ビョンホン)教授ら6人(55%)が「今年と来年の経済成長率は1%台にとどまるだろう」と予想した。残りの5人も「来年も景気が回復するのは容易でないだろう」とみた」

 

ここで上げた専門家は、いずれも韓国で著名な経済学者という。その学者による経済診断では経済成長率「1%台」のL字型の経済を余儀なくされるという。これでは、失業率はさらに高まるという危険ゾーンに落込むであろう。この状態で「反日不買」を続けるのだろうか。意気消沈して気勢は上がるまいと同情する。

 

(2)「経済専門家が、今年と来年の成長率を1%台と予想した理由として、①設備投資減少、②消費萎縮の兆し、③米中貿易紛争など対外環境悪化などを挙げた。景気回復時期を来年と2021年とする回答者は1人ずつにとどまり、残りの9人はL字型沈滞が続くと予想した。西江(ソガン)大学の金秉柱(キム・ビョンジュ)名誉教授は「外であれ中であれ景気を反騰させるほどの要因はひとつもみられない」と話した」

 

今年と来年の成長率を1%台と予想した理由は3つ上げている。

設備投資減少

消費萎縮の兆し

米中貿易紛争

これら3項目は、GDPの主要需要項目であり、すべて「不調」という判断だ。残りは財政支出関連だけである。「バラマキ」によって維持するのだろう。

 

(3)「8月と9月の連続で「マイナス物価」を記録して起きたデフレーション(景気低迷の中での物価下落)への懸念に対しては回答者の91%に当たる10人が、「初期段階に進入したり進入の可能性を排除することはできない」と答えた。西江大学の趙章玉(チョ・ジャンオク)名誉教授と同大学経済学部のチェ・イン教授はさらに踏み込み、「構造的デフレ局面に進入する様相」と診断した。消費萎縮が続き物価を引き下げる圧力が高まるだろうという判断からだ」

 

生産者物価と消費者物価が8~9月、同時にマイナスへ落込んだことは、偶然の現象でなく需給関係が著しく悪化している証拠である。需要不足によって引き起こされたものだ。最低賃金の大幅引上げによる雇用構造の破壊が、家計を直撃して消費支出を抑制している結果である。これは、文政権の政策ミスであり、大統領府の素人スタッフの思いつき政策によるものだ。

 

(4)「相当数の専門家は1%台の成長率の原因として経済政策の失敗を挙げた。ソウル大学経済学部の李承勲(イ・スンフン)名誉教授は「賃金引き上げ、雇用保障などのような聞き心地の良い緒政策を実体経済に適用して副作用を大きくした。こうした政策が韓国経済の足を引っ張っている」と話した。内外で不確実性が浮上し企業の投資心理が冷え込んでいることも成長率をむしばんでいるという評価が多かった」

文政権は、基本的に「反企業主義」である。企業へ規制を強めることが、消費者にプラになるという誤った観念に支配されている。規制を外して企業に自由な意思決定させるという政策理念が分らないのだ。これでは、文政権が続く2021年5月まで政策変更はあり得ない。