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現代自動車は、2025年までに「パリ協定」にあわせた内燃機関(ガソリンカー)抑制で、最大限40%の従業員削減案が取り沙汰されている。こういう暗いニュースに追い打ちをかける話題が持ち上がってきた。「ネクスト・チャイナ」と期待をつないだインド市場が振るわないのだ。

 

ここで、インド自動車市場の動きを見ておきたい。『日本経済新聞』(9月10日付)から引用した。

 

インド全体の新車販売の落ち込みが止まらない。8月の販売台数は前年同月比33%減少し、統計を遡れる2006年以降で過去最大の減少幅になった。金融機関の貸し渋りのほか、相次ぐ政策変更が販売の大きな逆風になっている。今年16月の販売台数はドイツに抜かれて世界5位に後退した。長引く不振は「官製不況」の様相も呈している。

 

インドの新車販売は17年に前年比10%増の402万台に達し、ドイツを抜き世界4位に浮上した。昨年7月に変調が表面化し、乗用車販売が9カ月ぶりに減少した。市場全体では、昨年11月から今年8月まで10カ月連続で前年割れである。原油高と通貨安で始まった低迷の主因は、自動車ローンを扱う金融機関の貸し渋りに移った。ただ、足元の不振は業界の現状を顧みずに「制度や規制を変えた政府の不手際だ」との声が多いという。

 

『朝鮮日報』(10月8日付)が、「ネクスト・チャイナと期待したが現代・起亜自、インドの車市場低迷で『非常』」と題する記事を掲載した。

 

インドの自動車市場が深い低迷の沼に陥り、現代・起亜自動車の悩みが深刻になっている。ここ数年間で中国での販売が急減し、新たにインドに目を向けたが、最近インドの成長までもが腰折れし、海外での販売不振が続く可能性が高まったからだ。

インド自動車工業会(SIAM)によると、今年に入って8月までのインドの全体の自動車販売台数は194万3230台で、前年同期比15.3%減少した。特に8月の販売台数は前年同期比33.2%減の24万8421台にとどまった。

 

昨年までインドは、ここ数年間の成長速度が世界で最も速い自動車市場として注目を浴びていた。インドは13億人を超える人口を抱えているが、自動車普及台数は中国の3分の1にすぎず、成長潜在力の大きな市場という分析が相次いで示されており、インドが中国・米国に次いで世界3位の市場に浮上するとの見通しも多かった。

 

世界最大の自動車市場である中国が2010年代半ば以降低迷している状況で、インドは一時期、高速成長を続けた。2016年のインドの自動車販売台数は前年比7%増、17年には同8.7%増となり、昨年も5.1%増加した。インドの自動車市場の成長が悪化し始めたのは昨年の第4四半期(10~12月期)からだ。

 

「米国と中国の貿易紛争によって世界景気が鈍化し、インドも直撃弾を受けたことに加え、最近いわゆる「影の銀行」と呼ばれる非銀行系金融会社が相次いで破産し、金融危機が重なって消費が冷え込んだのだ。サムスン証券のイム・ウンヨン研究員は「最近インド政府が完成車に適用する安全と環境規制を強化したことで、自動車価格の引き上げも避けられなくなった」として「需要の萎縮が来年まで続く可能性が高い」と話した」

 

「インドの自動車市場が揺らいだことで、現代・起亜自も非常事態となった。現代・起亜自は2017年以降、中国で苦戦すると、成長潜在力の大きいインドを「ネクスト・チャイナ」として目を付け、同地域に多額の投資を行ってきた。インド・チェンナイ第1、第2工場が稼働中の現代自動車は現在、65万-70万台水準の年間生産量を、今後は75万台水準まで拡大するため増設に700億ルピー(約1050億円)を投じた」

 

「起亜自動車も今年、インドのアンドラ・プラデシュ州に年産30万台規模の初の工場を完工し、稼働を開始した。現代・起亜自は今年発売した新車のうち一部をインドで最初に発売し、現地市場攻略に力を注いだ。起亜自は今年6月、小型スポーツ用多目的車(SUV)セルトスをインドで世界初めて公開し、現代自は軽自動車級の小型SUVベニューを国内に先駆けてインドで発売した。中国での不振が続く中、インドまで成長が腰折れし、現代・起亜自は低迷している海外販売実績をなかなか回復させられずにいる」

 

インドの乗用車販売で、約50%のシェアを握る日本のスズキにとってインドは生命線だ。1982年に進出し、圧倒的なブランド力を誇る。主力市場の販売不振が響き、スズキの4~6月期の連結営業利益は626億円と前年同期比46%減少した。在庫調整のためマルチ・スズキは9月7日と9日の2日間、国内2工場の操業を休止。今後の業績を大きく押し下げる可能性があるという。スズキすらインドで苦戦している。「新参者」の現代・起亜車にとっては、地獄であろう。ここは、背を低くして耐えるほかない。