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けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

 

天安門事件から30年

自由が守る香港の未来

中国共産党の死角どこ

 

昨年7月から始まった米中の通商協議は、今なお結論が出ないまま、相手の腹の探り合いを続けている。大きなヤマ場は、今年の5月にあった。妥結寸前までこぎ着けたものの、中国が反対派の動きで反古にして、振り出しに戻ったままだ。そうこうしているうちに、香港で民主化デモが始り、米国は国是から言って支援せざるを得ない立場になっている。

 

米中通商協議は、香港デモの終息と深い関係を持つようになってきた。香港デモは、次第に過激化している一方、中国人民解放軍が介入機会を待つ動きを見せているからだ。今年は、天安門事件が起こってから30年になる。おびただしい人々が犠牲になった事件だ。中国学生の民主化請願運動が、「暴徒」扱いされ銃剣の犠牲になった。

 

天安門事件から30年

当時の天安門請願デモに比べた現在の香港デモは、はるかに「実力闘争」スタイルに変っている。中国最高指導部としては、いつまでも放置できない動きであろう。あくまでも「武力鎮圧」の方針をちらつかせており、香港政府にその準備をさせている。「マスク使用のデモ禁止」がそれだ。香港議会の議決を経ずに強権的に発動したもので、次の一手はさらに強硬策となるのだろう。

 

香港の12大学の学生会は10月6日、「覆面禁止法」の施行を受け共同声明を発表した。香港政府と中国共産党政権が、香港の法治を破壊していると強烈に非難したもの。12校の学生会では、「香港『基本法(憲法に相当)』によれば、行政長官が直接立法する権限を持っておらず、「覆面禁止法」などの非常事態は宣言できない」と、その違法性を指摘している。声明の最後では、「自由を与えよ。さもなければ死を与えよ」と強調。香港の若い世代は、「暴政に屈服することなく、自由を手に入れるまで命を懸けて抗争していく」と締めくくっている。

 

学生会の声明では、今後、香港行政当局が外出禁止令、通信や集会の権利規制、市民の資産没収などの行政命令を次々と施行し、香港市民の自由を奪っていく恐れがあるとの認識をも示した。「覆面禁止法」を発令した緊急条例は、英国統治下の1922年に制定された。1967年、中国共産党支持者による大規模な暴動を鎮圧するために初めて発動された。今回が2回目にあたる。以上は、『大紀元』(10月7日付)から引用した。

 

香港行政当局は、長く続くデモ収拾策として「覆面禁止法」を持出したが逆効果になっている。香港12大学の学生会が、団結して対抗する姿勢を見せており、中国政府は黙認できない立場である。30年前の天安門事件を鎮圧した実績を持つだけに、「学生をつけあがらせるな」という感情的反発が強い。

 

中国政府は、香港デモに必ず報復するという見解が登場した。『フィナンシャル・タイムズ(FT)』(10月8日付)が、中国政府の怒りの声を伝えている。

 

中国の指導者たちは、香港の問題を話し合うために「秋後算帳」という格言を使っているという。一般的な言い回しでは、「機が熟した時に復讐する」ことを意味する。中国が専制時代に民衆を統治した裏に、この秋後算帳による復讐で脅かしてきたに違いない。今や、GDP世界2位の中国だ。誰に遠慮することもない。香港の学生ごときに舐められてたまるか。必ず踏み潰して見せる、と荒い鼻息が直に伝わってくる感じである。

 

中国の歴史をよく知っているデモ参加者は、中国政府が後で必ず報復することを承知している。そのため、抗議運動は絶望的な様相を伴っている。香港中心部のビジネス街の各地にスプレーで書かれた、最もよく見られるスローガンの一つには、「我々を燃やすなら、お前たちも一緒に燃える」とある。香港の若者が、徹底的に香港政庁とその後ろに控えている中国共産党に対抗して、香港の自由を守る覚悟を見せ始めている。危険な対決の様相を呈しているのだ。(つづく)