テイカカズラ
   

今年のノーベル化学賞に、大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰氏ら3人が選ばれた。受賞理由は、スマートフォンなどに広く使われ、太陽光発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進む「リチウムイオン電池」の開発である。日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含めて27人目、化学賞では8人目となる。

 

このニュースに肩を落としている国がある。韓国だ。「克日」と称して日本を打ち負かすことが国是の韓国にとって、日本からの受賞者続出が定番の「ノーベル賞科学賞発表シーズン」は、涙の季節になっている。ここまで、日本と対抗せざるを得ない「歪んだ反日教育」の凄さに驚かざるを得ない。

 

『中央日報』(10月11日付)は、「24人目に科学ノーベル賞を受けた日本を眺める苦々しさ」と題する社説を掲載した。

 

(1)「日本が科学分野で24人目のノーベル賞受賞者を輩出した。リチウムイオン電池の発展功労で化学者である吉野彰氏が9日、ノーベル化学賞受賞者に決定された。日本は昨年にも京都大学の本庶佑特別教授が生理医学賞を受けるなど2年連続でノーベル賞受賞者を輩出して科学技術強国であることを立証した。歴代ノーベル賞受賞者の割合が世界で5番目になる。その間数多くの努力にもかかわらず、金大中(キム・デジュン)元大統領のノーベル平和賞1件しか受賞できなかった韓国の現実が新たに対比される」

 

基礎科学が発展しなければ応用科学は実を結ばない。これは、科学の世界で常識になっている。韓国は、この事実を痛いほど認識しながら日本へ無駄な競争を挑んでくる。日本にとってみれば、そのたびに腹立たしい思いをさせられるのだ。これは、日本が傲慢になって当然、という意味ではない。こういう研究実績を積んで世界の発展に貢献している日本に対して、韓国は批判を重ねている。もっと謙虚に振る舞えと言いたいのだ。

 

(2)「韓国研究財団がここ10年間、科学分野ノーベル賞受賞に寄与した核心論文を調査した結果、受賞者の平均年齢は57歳だった。核心論文の生産には平均17.1年がかかり、生産後受賞まで平均14.1年が必要とされることが分かった。ノーベル賞受賞まで計31.2年の歳月が必要なわけだ。蓄積の時間が必要だ。このためには一分野を深く掘り下げた科学者はもちろん、研究を支援する社会的システムが必ず定着する必要がある。

 

下線を引いた部分は重要である。ノーベル科学賞には、生涯を掛けた長い時間の研究が必要であり、社会全体がそれを待っているゆとりと理解がなければ不可能である。

 

(3)「韓国の現実は道のりが遠い。教育や文化、政策がいずれも実用一辺倒だ。教育は直ちに大学入試に役に立つ国語・英語・数学に焦点が当てられている。幼い生徒が創意的に考え、それを発展させる余裕を許さない。粘り強い研究よりは直ちに使える技術を研究することにこだわっている。日本と米国のような先進国から見習って生産技術の発展に固執してきた韓国式発展モデルの限界だ

 

韓国のような感情的で非理性的な国民が、ノーベル科学賞を生み出すためには、社会改造が不可欠である。日本を侮辱して喜び、日本のあら探しを生きがいとる国家では、ノーベル科学賞など百年経っても無理であろう。手始めに、日本の美点を認める度量を持つこと。この簡単なことができなければ、ノーベル科学賞など高望みで終わるであろう。


(4)「政策も基礎技術よりは直ちにモノを作ることに役立つ実用技術を開発することに重きを置いている。企業はもちろん政府の研究政策が純粋科学に目を向け始めた時間も短さすぎる。基礎科学研究資金を支援する韓国科学財団が設立されたのが1977年だ。実質的な研究基盤を作るための「創意的研究振興事業」は1996年になってやっと始まった。基礎科学の総合研究機関である基礎科学研究院(IBS)は2011年に作られた。さらに、政権が用意した研究事業を次に政権が発足すると人材を減らして分野を変える形で研究者の意欲を削いできた。明治維新後、若い科学者を留学させて1917年アジア最初の基礎科学総合研究所である理化学研究所(RIKEN)を設立した日本と比べ物にならない」

韓国が、基礎科学研究資金を支援する韓国科学財団を設立したのは1977年だ。日本は明治維新後、1917年アジア最初の基礎科学総合研究所である理化学研究所を設立した。この間、実に60年の時間差がある。そのうえ、日本は国民性からいってコツコツ物事をやり遂げる美風がある。こうなると、単に60年だけの差でなく、もっと長い差というべきだろう。

 

『朝鮮日報』(10月11日付)は、「韓国が心配する『素材・部品・設備』日本は既に7回目のノーベル賞」と題する記事で、次のように指摘している。

 

「韓国の専門家は、『韓国は日本製の化学素材の90%を国産化したが、重要部分の10%はまだ作ることができずにいる。一部の素材・部品の格差は20年に達する』と述べた。韓国科学技術院(KAIST)化学科の金相栗(キム・サンユル)教授は、『基礎科学の実力がなければ、まねはできるが、高品質を実現することは難しいのが素材・部品分野だ。少なくとも1020年の基礎研究が先に必要な中核技術での格差は短期的な大規模投資で埋めることは難しい』と指摘した」

 

この指摘は、文在寅大統領に聞かせたい。韓国は、日本に対して謙虚さが必要である。反日を国是とする韓国に、日本を超えるような研究が生まれる可能性は低い。その現実を認識することが必要である。