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韓国では、法相のチョ・グク氏を巡る疑惑が深まっている。その中で、チョ氏が「検察改革」を指揮して、自分の家族を法の追求から逃れさせるという前代未聞の動きをしている。これが、近代国家と言えるのか、ほとほと呆れる事態だ。本来ならば、チョ氏は法相を辞任して公明正大な捜査に任せるのが民主政治の原則である。韓国では、このルールが効かず、「党利党略」の捜査に縮小させている。

 

これが、心ある国民の批判を招かないはずがない。最新の世論調査で与党「共に民主党」への支持率が急落し、最大野党(前政権与党)である「自由韓国党」と支持率が急接近する事態になった。この裏には、革新派が与党支持から離脱するという最悪事態が始まっている。

 

『聯合ニュース』(10月14日付)は、「韓国与党と最大野党の支持率差、文政権発足後最小の0.9ポイントに」と題する記事を掲載した。

 

韓国の世論調査会社、リアルメーターが14日に発表した政党支持率によると、進歩(革新)系与党の「共に民主党」と保守系最大野党「自由韓国党」の差が0.9ポイントに縮まり、同社の調査で文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後最小になった。調査はYTNの依頼を受け、7~8日と10~11日に全国の成人2502人を対象に実施された。

 

(1)「共に民主党の支持率は前週より3.0ポイント下落した35.3%となった。2週連続下落し、文政権発足後最低を更新した。自由韓国党は1.2ポイント上昇の34.4%。2週連続の上昇で、文政権発足後最高となった。中道派での共に民主党の支持率が35.2%から28.5%に下落した一方、自由韓国党は32.6%から33.8%に上昇した。文政権発足後、中道派での支持率で自由韓国党が共に民主党を上回るのは初めて」

 

与党「共に民主党」の支持率は35.3%。最大野党「自由韓国党」は34.4%の支持率で、その差はわずか、0.9ポイント。事実上、支持率で与野党逆転の勢いである。無策の政権与党が、いつまでも党利党略の政治を行えるはずがない。自由韓国党は、朴槿惠大統領の弾劾・逮捕という韓国政治史上で最悪の事態に陥った。その地に墜ちた自由韓国党が、2年半の歳月で再び政権奪取の勢いを取り戻している。この裏に、「チョ・グク事件」に象徴される文政権の堕落と失政がある。

 

(2)「文大統領の支持率は前週に比べ3.0ポイント下がった41.4%となり、同社の調査で2週連続して就任後最低を更新した。不支持率は3.8ポイント上昇の56.1%で、こちらも2週連続で就任後最高を記録した。リアルメーターは文大統領の国政運営に対する認識が革新派と保守派で極端に分かれている中、革新派で政権離れの動きが見られると分析した」

 

文政権支持 41.4%

  不支持 56.1%

支持率逆転になった文政権は、頼みの革新派が政権離れを見せている結果だ。こういう事態に陥った理由は、経済失政だけでない。「チョ・グク事件」でのチョ法相による自分の家族を守ろうとする露骨な捜査権干渉がある。

 

 

『聯合ニュース』(10月13日付)は、「韓国検察『特捜部』縮小と名称変更へ=15日に閣議決定」と題する記事を掲載した。

(3)「韓国政府と与党「共に民主党」は13日、検察改革を議論するための幹部会議を開き、検
察特捜部の縮小や名称変更などを行うための規定改定を15日に閣議決定することを決めた。共に民主党の報道官が伝えた。 特捜部は主に政府高官や政治家の不正などを捜査する部署で、強大な権限を持つ検察の力の源泉とされてきた。組織防衛のため、その時々の政権が望む捜査をしてきたとの批判も受けている。具体的な内容は14日、チョ国(チョ・グク)法務部長官が発表し、15日に閣議決定する予定」

 

具体案は不明だが、チョ氏は自分の家族を法の追求から遮断する「お手盛り案」を発表するのだろう。こういうことは、日本では絶対に許されないし、法相自身が辞任すべき案件である。それを恥も外聞もなく、堂々とその職に止まって捜査当局に網を被せている。韓国の宮廷ドラマを見ているような錯覚を覚えるのだ。

 

文政権の法認識は、この程度のものできわめて低いレベルだ。その低レベルの認識で、「反日」をさも永遠の真理のごとく唱えている。何とも言えない違和感を覚えるのである。