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韓国の裁判所が、日韓関係のカギを握っている。徴用工賠償で差し押さえている日本企業の株式を売却すれば、日韓関係は断絶状態に陥るだろう。その「魔の時間」は次第に接近してきた。韓国裁判所は法律通りに執行するのか。日韓関係の危機を救うために「知恵」を働かすのか。

 

『聯合ニュース』(10月19日付)は、「強制徴用、外交関係者『日本企業の株式売却』韓日関係を破綻させる爆弾」と題する記事を掲載した。

 

(1)「徴用被害者への賠償を命じる大法院(最高裁に相当)判決が昨年秋に出たにもかかわらず、日本企業は慰謝料の支払いを今も拒否している。そのため原告側は、被告の企業が韓国国内に保有する株式を強制的に売却できるよう裁判所に申請した。外交関係者の間からは「原告に慰謝料を支払うために株式の売却が命じられた場合、これは韓日関係を破綻させる『爆弾』になる」との見方が出ている。法律に詳しい専門家などはその時期を「早ければ年末」とみている」

 

韓国が差し押さえた株券の売却時期が、早ければ年内にも来るという。こういう、物理的な条件が迫っていることを認識しながら、韓国政府はギリギリまで日本との交渉を避けてきた。金額的には、わずか9000万円の差押えだという。これが、日韓関係のカギを握ると言うのだから不思議な感じもする。

 

韓国は一度、GSOMIAも破棄した国である。土壇場で差押えの株券を売却させ、日韓断絶に持ち込み、極度の混乱状態で総選挙を戦う捨て身の戦法に出るかも知れない。文氏は、そういう「チキンレース」を好むタイプのようだ。

 

(2)「複数の日本企業に対する株式売却申請のうち、今年5月に大邱地裁浦項支院に提出された日本製鉄に関する案件が最も早く手続きが行われている。浦項支院は今年78日、日本製鉄がポスコと合弁で設立したPNR株式会社の194794株の売却に向けた尋問書を日本に発送した。時価で約97300万ウォン(約9000万円)に相当するという。尋問書は714日に日本の外務省に到着した」

 

時価9000万円で日韓関係を破綻させる。韓国政府も差し迫った判断を求められている。万一、売却に踏み切れば、そればすべての終わりの始りになろう。

 

(3)「民法によると、日本製鉄が尋問書を受け取った日から60日以内に回答しない場合、裁判所は強制売却するかどうかを決定できる。裁判所は問題の重大性を考慮して決定を先送りしているが、裁判所の関係者は「34カ月程度なら十分な時間を与えたと言えるだろう」とコメントした。来月中旬ごろから株式売却許可の決定手続きに入るという意味だ裁判所側は「早ければ年内には売却の決定が下されるのではないか」と予想している。韓国の裁判所が行っている日帝強占期における被害の賠償を求める訴訟は少なくとも12件に達する。ある外交筋は「売却の決定が下されれば、日本は輸出規制をより強化し、実際に韓国企業に対する戦略物資の輸出不許可の決定が下されるかも知れない」とした上で「それ以前に徴用問題をめぐる協議を軌道に乗せなければならない」と指摘した」

 

韓国で日本企業の株券の売却が実施されれば、日本は合法的に対抗措置を行える。国際法で認められているからだ。韓国がカギを握っている。まさに、文大統領の政治的能力が、最終的に試される瞬間だ。