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韓国外交は、未だに「事大主義」から抜け出ていないことを証明した。GSOMIA(日韓軍事情報総括的保護協定)破棄の撤回の条件として、日本の「ホワイト国除外」を迫るために、米国の助太刀を依頼しているからだ。米国はこれを断っている。それどころか、韓国に圧力をかけて、GSOMIA破棄撤回を迫っている。

 

事大主義とは、自主性を欠き、勢力の強大な者に付き従い自分の存立を維持するやり方だ。歴代の朝鮮がこの手を使って、中国を後ろ盾にして日本へ圧力をかけてきた。その韓国が、今度は米国へ手を回しGSOMIAで日本を説得しようとしている。「侍・日本」がこの手に乗ると見誤っている。ここが、文政権の限界だ。

 

『朝鮮日報』(11月4日付)は、「韓国、韓米次官補協議で『韓日関係仲介してほしい』」と題する記事を掲載した。

 

(1)「尹淳九(ユン・スング)韓国外交部次官補とデビッド・スティルウェル米国務省東アジア・太平洋次官補が2日、タイで韓米協議を行った。韓国外交部の発表文には「韓日関係の改善のための過程で、米国が可能な役割をしてくれるよう要請した」と述べた。韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄などの韓日確執懸案と関連して、米国に仲裁を要求した事実を浮き彫りにした」

 

下線分では、韓国がGSOMIA問題で日本を説得してくれるよう、米国へ依頼したと述べている。恥さらしなことを書き込むものである。韓国野党から突っ込まれること確実である。見栄も外聞も捨て、なり振り構わない醜い姿を見せている。

 

(2)「双方は同日、「新南方政策とインド太平洋戦略間の協力を促進するために努力する韓国と米国」という題の説明書(Factsheet=ファクトシート)も採択した。外交消息筋は「形式上は韓国の新南方政策と米国のインド太平洋戦略を別個に見ているが、実質的にはインド太平洋戦略の核心価値である『開放性』と『国際規範の尊重』を韓国でも共有するという内容だ」とした。南シナ海を内海と考える中国の政策に反対してきた米国の見解に、韓国が事実上、同意したものと解釈される

 

下線部は、韓国が米国へ譲歩している。南シナ海問題で、米国側の主張に立ったことを覗わせている。ここまで譲歩するから、日本を説得してくれという気持ちが覗える。しかし、韓国大統領府は、まだそこまで折れていないように思える、相変わらず「親中朝・反日米」路線にしがみついているであろう。

 

『朝鮮日報』(11月4日付)は、「きっぱり断った米国、『韓日の仲裁人にも審判にもなりたくない』」と題する記事を掲載した。

 

(3)「マーク・ナッパー米国務副次官補(韓国・日本担当)とジョセフ・ヤング駐日米国臨時代理大使が2日、日本のメディアと相次いでインタビューを行い、共に韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)維持を強調したのは、この問題に対する米政府の見解を正確に反映している。 「GSOMIA維持は米国の国益に直結した問題」であり、「GSOMIAと日本の輸出規制を結び付け、米国に仲裁を強制するな」ということだ5日以降、デビッド・スティルウェル国務省次官補(東アジア・太平洋担当)、キース・クラック国務省次官(経済成長・エネルギー・環境担当)らが相次いで訪韓すれば、米国の圧力はさらに強まる見通しだ」

 

米国は、韓国に対して毅然とした態度を取り始めている。「GSOMIA維持は米国の国益に直結した問題」であり、「GSOMIAと日本の輸出規制を結び付け、米国に仲裁を強制するな」ということだ。米国の国益とGSOMIAを結びつけると、韓国はお手上げである。米国が、この論理で押してくれば、韓国のGSOMIA廃棄が米国の国益に弓を引く形で、米韓同盟の基本に関わることになるからだ。

 

(4)「青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は1日、国会運営委員会の国政監査で、「日本が韓国に対する経済報復措置を撤回すれば、韓国政府もGSOMIA問題に対しては前向きに検討する用意がある。日本が我々に対する措置を維持するならGSOMIA延長は絶対不可だ」と述べた。韓国外交部は「GSOMIA終了までの残りの期間、解決のため最善を尽くしたい」(高位当局者)と述べただけで、青瓦台のかたくなな態度に阻まれ、お手上げ状態だ」

 

韓国大統領府の民族主義者は、日本を道連れにしようと企んでいるが、それは「無理筋」というもの。単なる感情論であって、理屈に合わない話である。日本が、この見え透いた手に乗るはずがない。乗ったら、安倍政権の鼎の軽重を問われる。