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韓国政府は2017年10月、中国政府に対して安全保障上、国家主権を縛る「三不」を約束して「国辱」ものという批判を浴びた。

.米国のミサイル防衛(MD)システムへの参加

.終末高高度防衛ミサイル(THAAD)追加配備

.日米韓軍事同盟

 

これら3項目を行なわないと中国と約束したものだ。国の主権はもちろん、将来の軍事主権の侵害まで認めた国家的な恥さらしとされている。当時、韓国政府はTHAADによる経済報復を解除するための苦肉の策と主張した。それから2年が過ぎた今も、産業、観光、公演、ゲームなどほぼ全ての分野で経済報復が続いている。

 

韓国政府は、この「三不」を否定するような大きな外交戦術の転換に出てきた。米国政府が主導する「インド太平洋戦略」に参加するという文書を米国政府と交わした。

 

『朝鮮日報』(11月6日付)は、「韓日首脳の対話、明るいサイン、韓米同盟はインド太平洋安保の要=米高官」と題する記事を掲載した。 

 

(1)「韓国を訪問中のスティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は6日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が開かれたタイ・バンコクで4日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相が歓談したことについて、「(韓日)両国関係を注視している中、明るいサインだ」との見解を示した。韓国外交部で康京和(カン・ギョンファ)長官、趙世暎(チョ・セヨン)第1次官との面会を終えた後、記者団に語った」

 

スティルウェル米国務次官補が、日韓首脳の「歓談」について「明るいサイン」という表現を使っている点に注目したい。韓国側が、そのように受け取っていることを示唆している。日本では外相が「10分間の話では」と牽制している点と異なっている。

 

これは、文大統領が安倍首相と会話した結果、日韓関係の将来に明るいものを感じたという意味であろう。とすれば、韓国はこれを理由にGSOMIA復帰の理由にできるのだ。特に、外交部長官と同第一次官との会談後の発言である。韓国は「明るいサイン」と感じたのだろう。

 

(2)「韓米関係に関しては、「これまで繰り返してきた通り、韓米の関係と同盟はインド太平洋地域の平和と安全保障のリンチピン(要)」とし、タイでの議論により一層強化することができたと述べた。スティルウェル氏は2日にタイで韓国外交部の尹淳九(ユン・スング)次官補と会談し、米国のインド太平洋戦略と韓国の「新南方政策」が共通する部分を確認し合い、協力も含めた文書を取りまとめたことに言及しながら、互いの関心事と潜在的な協力分野を把握することは重要との認識を示した」

 

スティルウェル米国務次官補は、米国の「インド太平洋戦略」について韓国が協力するという文書を交わした意味は大きい。先の「三不」を骨抜きにするような内容かも知れない。韓国が、「インド太平洋戦略」に参加することは、日米韓三ヶ国の枠組に入ることを意味する。

 

(3)「スティルウェル氏がこの日康氏と趙氏に対し、23日に失効する韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について韓国政府の再考を促したかどうかは確認されていない。協議があったかとの記者団の問いにスティルウェル氏は答えなかった。同氏は青瓦台(大統領府)関係者と面会した後、午後に国防部でチョン・ソクファン国防政策室長と会う予定だ」

 

米国の狙いは、韓国のGSOMIA復帰である。韓国が、「インド太平洋戦略」に参加して日米韓三ヶ国の枠に入ることを認めながら、GSOMIA破棄となれば矛楯したことだ。後は、韓国が重々しく扱いたいだけであろう。