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下記の目次で、けさ発行しました。よろしくお願い申し上げます。

 

日韓首脳歓談11分間の重み

文外交戦略に3つの修正実施

日系車販売は10月に底入へ

日本旅行減少が意味する「謎」

 

 

韓国の反日ムードが、しだいに沈静に向かっている。11月23日のGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)失効を前に、メディアがなんとかこれを回避すべく暗黙のうちに「反日報道」を控えていることも影響している。日韓首脳会談が実現するか否か。大袈裟に言えば、これまで固唾を飲んで見守ってきた。

 

韓国メディアの期待は、ついに実現した。11月4日、タイでASEAN関連会義の合間を縫って、日韓首脳の「歓談」が行なわれた。安倍首相には突然のことだった。会議を前に控室に入った安倍氏の前に、先に到着していた文大統領が現れ、「会話をしませんか」と側の椅子に誘ったものだ。

 

日韓首脳歓談11分間の重み

日本側は、英語の通訳官しか同道していなかったので、安倍氏の発言は英語に翻訳され、韓国の通訳官がそれを文氏に伝えるという、わずか11分の「歓談」であった。会談というには、余りにも突然のことで準備もないことから、形式は「歓談」になった。韓国側には、カメラマンも同道しており、準備をしていたことは明らかである。韓国大統領府の記者発表では、「真摯な歓談であり、高官協議を続けることで合意した」とうれしさを秘めたものだった。

 

日本はこれまで11月中、日韓首脳会談をしないと報じられてきた。だが、結果的に両首脳が会ったのは、11月2日タイで米韓高官協議が行なわれ、韓国は米国の「インド太平洋戦略」に参加することを表明し、文書を交わしていたのだ。米国にとっては、曖昧な態度であった韓国を、「インド太平洋戦略」に引き込み、かつ文書まで取ることで外交勝利を収めた。対中国戦略において、日本・豪州・印度の他に韓国も加え、不動の安保ラインを引く体制が整ったのである。

 

先の米韓協議で、韓国は「GSOMIA問題で日本を説得してくれ」と要請している。これに対して米国は、「沈黙」して答えなかったと韓国紙が報じた。常識的に言えば、米国は韓国に要求を飲ませておきながら、韓国の要請について「沈黙」していたはずはない。「OK」らしき仕草をしたのであろう。だから11月4日、文大統領はカメラマンまで準備し、「証拠写真」を韓国国民に見せて、安倍首相と「歓談」した事実を伝えて安心させたのであろう。

 

韓国政界は、日本の冷たい態度に肝を冷やしていた。韓国が、GSOMIA廃棄という「決定打」を撃ち込んだ積もりでも、日本は全く反応せず、「どうぞお好きに」と突き放していた。韓国はこれで一層慌てたのだ。頼みの米国は、「日本仲介」をする素振りも見せず、公然とGSOMIA復帰を迫る予想外の行動に出た。

 

日米に追い込まれた韓国は、もはや中国へ秋波を送る自殺行為はできなかった。南北朝鮮の対立激化で、中国は北朝鮮の肩を持っている。これでは、中国への幻想を断ち切らざるを得なかった。こうした「四面楚歌」の中で、ついに米韓同盟の原点に立ち返り、日米韓三ヶ国の安全保障ラインに軸足を置く決定をしたのでなかろうか。

 

日米韓三ヶ国の安全保障ラインの結束となれば、GSOMIA復帰と米国の「インド太平洋戦略」への参加は不可欠である。「インド太平洋戦略」は、元々は安倍首相の安全保障構想である。米国トランプ政権が、これに賛同して米国のオリジナル構想のように振る舞っているだけだ。こういう事情を知っている反日の韓国は、意地でも参加したくなかったのが本音である。だが、中国の韓国に対する経済制裁続行によって、ついに「中国幻想」を捨てざるを得なかったに違いない。(つづく)