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韓国のGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)破棄は、日韓問題を超えて米韓紛争の様相を呈してきた。韓国は、日本の「ホワイト国除外」を撤回させる目的で始めたGSOMIA破棄だ。日本が無反応であり、すでに韓国の引き出し違いが明白である。米国が代わって主役として登場し、韓国へ撤回の圧力をかけるという構図だ。日米対韓国という図柄が出来上がっている。

 

韓国の狙いは何か。日本へ「ホワイト国除外」を交換条件として出しているが、これは不可能であることは明白である。となれば、国内世論を鎮めるために、GSOMIA復帰への舞台装置が必要である。すでに、日韓首脳「歓談」で雰囲気づくりに成功した。次は、米国から次々と高官を呼び寄せて、「韓国が主役」というイメージを生み出す。韓国の芸は細かいが、これが韓国外交の落し穴になるリスクも孕んでいる。そのことに気付いていないようだ。

 

『朝鮮日報』(11月8日付)は、「米国防長官が来週訪韓、米 『GSOMIA問題の解決望む』」と題する記事を掲載した。

 

米国防総省は7日、エスパー国防長官が13日から韓国とタイ、フィリピン、ベトナムの4カ国を歴訪すると発表した。韓国には14日に到着する見通しで、15日にソウルで開かれるとされる韓米定例安保協議(SCM)に出席する。これに合わせ、韓米国防長官会談が行われる可能性も取り沙汰されている。

(1)「同省のホフマン報道官は記者会見で、エスパー氏は訪韓中、韓国が終了を決定した韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)についても議論すると説明した。軍事機密を共有するために韓日が結んだGSOMIAの失効は今月23日午前0時に迫っており、ホフマン氏は「われわれはそれが解決されるのを見たい」と述べてGSOMIAの維持を求める立場を改めて示した」

 

米国防長官は、就任後2度目の訪韓である。いずれも韓国のGSOMIA破棄を思いとどまらせる目的である。最初の訪韓での説得は、韓国から無視された。米国防長官としては、それだけででもメンツを潰された形だ。2度目の訪韓でも結果として同じことになれば、米韓関係は大揺れが想像できそうだ。

 

(2)「ホフマン氏は、GSOMIAの維持が「われわれ皆が域内で最も大きな脅威となっている北朝鮮の活動、そして地域を不安定にしようとする中国の試みに集中できるようにするためのもの」だと説明した。エスパー氏の訪韓は長官就任後間もない8月8~9日に続き2度目。スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)から国防トップのエスパー氏に至るまで米国の国防・安全保障責任者が相次いで韓国を訪れ、GSOMIAの維持などを求め全方位から圧力を強めている格好だ」

 

下線部分が、米国の本音であろう。GSOMIAが、日韓だけの問題でなく日米韓三ヶ国の安全保障の情報インフラであり、インド太平洋戦略の一環をなすという主旨だ。米国が、ここまで踏込んで説明すれば常識的には、韓国も「NO」という返事はできないであろう。韓国はすでに、米国とインド太平洋戦略に参加すると文書まで交わしている。それにも関わらず、GSOMIAは「NO」と言えるだろうか。米韓同盟が結ばれ、韓国の安全を保障してくれる米国の説得を拒否するとなれば、韓国はそれ相当の「代償」を払わされることは必定だ。

 

総選挙を来春に控えた現在、北朝鮮のミサイル発射が日常化している。韓国の安全保障をどうするかという切実な問題になってきた。文政権は、GSOMIA廃棄で選挙目当ての大衆人気を得る戦術に出るとすれば、最低・最悪の選択となろう。

 

在韓米軍の主要後方基地は日本にある。米韓同盟に日本は加わっていないが、米韓同盟の「準加盟国」の位置にあるのだ。その日本に、歴史問題で喧嘩を売ってくる。常識的にはあり得ない行動である。この非常識な韓国が、常識を取り戻すのか。非常識のままなのか。11月22日までに決まる。