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GSOMIA(日韓軍事情報包括的保護協定)問題は、韓国がいかに外交感覚のないかを露呈した。独り善がりの理屈をつけて、それが正義のように振る舞っているからだ。韓国大法院が、徴用工裁判で見せた判決自体、独善性を表している。先進国の司法では、国際間の条約についての判断を避けるというルールがある。「司法自制論」と言われるものだ。条約は、国家間で結ぶもので後から無効という司法判断が下されたら、国際関係はメチャクチャになる。条約が、国会で批准される以上、司法があとから介入することを自主規制するものだ。

 

韓国大法院(最高裁)は、条約締結後50年も経ってからこうしたルールを破り、日韓基本条約に踏み込んで来た。韓国の国際法的な「無知」が招いた今回の混乱は、韓国国内で処理すべき問題である。韓国内の良識派は、こういう認識が多数であった。

 

米国が、最初から韓国によるGSOMIA破棄に困惑したのは当然である。日本に対して「ホワイト国除外」が、問題の発端である徴用工判決の違法性に絡んでいるだけに、日本へ説得工作する理由がなかった。そこで、韓国の異常性だけが突出して、米国の厳しい批判を招くことになった。

 

『朝鮮日報』(11月9日付)は、「米国内に2つの気流、『GSOMIAは韓国の失敗』『防衛費はトランプのごり押し』」と題する記事を掲載した。

 

(1)「今年8月に文在寅政権は日本の輸出規制に対抗するためGSOMIA破棄の決定を下したが、その後ワシントンでは今に至るまでしつこく再考を求める声が相次いでいる。ポンペオ国務長官、エスパー国防長官、スティルウェル国務次官補、シュライバー国防次官補、ナッパー国務副次官補、ハリス駐韓米国大使など、関係するほぼ全ての政府関係者が破棄の撤回を求めている。米国がこれほど大々的に、またしつこく韓国に圧力を加えるのも珍しい」

 

米国の主要行政機関の高官が、こぞって韓国のGSOMIA廃棄を批判したのは異例のことである。米韓同盟という建前から言っても、米国がここまで踏込んで批判することはかつてないこと。せいぜい、「失望した」が外交上での最大の批判とされている。

 

米国が、ここまで怒りを顕わにしたのは、対中国への軍事戦略からだ。日米韓三ヶ国の安全保障体制が盤石であることを示さなければ、米中冷戦の遂行上、不利になるという配慮が働いていたもの。韓国には、そういう配慮がゼロである。「日本が憎たらしい」という反日感情100%で立ち向かって来ただけだった。

 

(2)「その背景についてトランプ政権のある関係者は電話取材に応じ「同盟国の韓国が米国の安全保障を正面から刺激したからだ」と説明する。この関係者は「北朝鮮、中国、ロシアに対抗する韓米日三角協力を文在寅政権がなぜ弱体化させるのか理解できない」とも批判した。米国外交問題評議会(CFR)シニア・フェローのスコット・スナイダー氏も「GSOMIA破棄決定にこだわると、同盟関係をさめたものにする代償を支払うだろう」と警告した。トランプ政権のある幹部は先日の電話取材に「韓国はGSOMIA破棄を撤回したくとも出口が見いだせないようだ」との見方を示した。「外部からの圧力であれ日本の譲歩であれ、面子を失わず考えを見直す大義名分が見当たらない」ということだ。しかし日本の国会議員や政府関係者に先月会ってきたというワシントンのあるシンクタンク関係者は「日本は想像以上に冷めている。最初から気にしないという態度なので、解決は一層難しいとの印象を受けた」と語った」

 

このパラグラフは、米国の本音部分がはっきりと示されている。韓国が、国際情勢の変化も弁えず、「反日」という感情論で、日米韓三ヶ国の安保体制を壊すならば、その代償を払わせられる立場になったのだ。韓国は、完全な敗北に追い込まれており、「GSOMIA終了日延長論」は、最高の逃げ場を作って貰ったというべきだ。