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11月9日は、文政権発足後ちょうど2年半の折返し点になった。来年4月は総選挙である。文政権2年半の実績が、有権者から評価されることになる。文政権は、客観的に見て外交・内政の全てにおいて落第点がつく。文政権支持を鮮明にしてきた『ハンギョレ新聞』は、どういう評価をしているのか見ておきたい。

 

『ハンギョレ新聞』(11月9日付)は、「『折り返し点』文在寅政権、深い省察で成功の足場を用意せねば」と題する社説を掲載した。

 

政権支持メディアとして苦しい「政権通信簿」である。タイトルからも分るように「深い省察」で成功の足場を築けと注文を出している。深い省察をしなかったと、判断されているのだ。

 

(1)「『ろうそく政権』を自任した文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期が9日で折り返し点を回った。成果がなかったわけではないが、国内外の容易ならざる状況と政府の失策がかみ合い、国民の期待に及ばなかったと評価するしかない。最も痛いのは経済・民生分野だろう。所得主導成長と公正経済、革新成長を基調とした文在寅政権の経済政策は、少数の大企業を中心とする過去の成長方式の限界を乗り越えるための代案の性質のものだった。最低賃金引上げや基礎年金、児童手当の拡大で、社会のセーフティーネット拡充し、無償教育拡大と「文在寅ケア」で家計の可処分所得を高める政策は、一定の成果も収めた

 

下線をつけた部分では、「身内」に甘い評価をしているが、事実に反している。GDPに占める家計債務残高は急増しており、最も危険な経済にマークされている。最近の個人消費低調→消費者物価指数の低迷は、家計債務急増の結果である。

 

(2)「しかし、最低賃金の引上げ幅と速度について、小商工人の反発が大きくなり、自営業の萎縮の勢いとかみ合って色あせた。国会機能の麻痺のためではあるが、公正経済に直結する財閥改革関連法案が足踏み状態である点も惜しい。ソウル地域を中心に住宅価格が大きく上昇して住居の安定性が下がり、庶民層と若者が挫折感を感じている現実は、特に大きな課題だ」

 

最低賃金の大幅引上げについては、反省している。これにより自営業者の廃業を余儀なくさせた点について、婉曲に批判している。政権支持メディアとして、なぜ失業者が急増したか、はっきりと原因を指摘すべきだが回避している。これでは、読者の反発を受けるだろう。

 

(3)「米中貿易紛争を始めとする対外条件悪化と景気萎縮の勢いの中でも、緊縮財政で一貫して景気後退に適切に対応することができなかった点には、非常に強い自己反省が必要である。 政府は不十分だった点を補完しても、政策の一貫性を守り成果を出すことに力を注がなければならない。政治攻撃に近い無差別な批判に揺れて初心を失えば、改革と成長のどちらも逃がしかねないことを警戒しなければならない。古い方式の成長モデルに戻ってはならない」

 

『ハンギョレ新聞』は与党系メディアである以上、文政権の誤りを率直に指摘しなければならない。残念ながら、身内を庇うという「宗族社会」特有の欠陥が鮮明になっている。これでは、真のメディアとして失格である。太鼓持ちに堕するからだ。文政権が経済政策の失敗を糊塗するために、政権発足後4回も補正予算を組むという異常な財政運営をしながら、社説では、「緊縮財政で一貫して景気後退に適切に対応することができなかった」と事実に反することを書いている。これも、読者の反発を受けて当然である。

 

(4)「外交・安保分野は、残念で惜しい点である。任期の初年度に最悪へと駆け上がった朝鮮半島の緊張は、平昌冬季オリンピックに北朝鮮が参加することで劇的な反転を果たし、3回の南北首脳会談と2回の朝米首脳会談により、朝鮮半島平和の大きな転換点を作り上げた。しかし、ハノイ首脳会談の決裂以後、朝米の非核化交渉が遅々として進まない膠着局面が続き、手に余った感動は色あせた。南北関係も朝米関係に連動して足を縛られたうえに、「金剛山南側施設撤去」の議論など、最近は後退するような様子さえ見られる。政府は政権発足初期に強く推し進めた朝米交渉の促進者・仲裁者の役割に、より一層力を入れると共に、南北関係も果敢な発想と新しい想像力を発動させて突破しなければならない」

 

ここでは、南北問題だけが韓国外交の焦点のように扱っている。日韓外交の失敗や米韓関係の悪化などの緊急問題についてすべてパスしている。文政権が、外交と言えば南北関係だけに全力投球している実情を垣間見せている点では興味深いのだ。文政権は、これほど偏った外交を行なっていると言える。国民にとって不幸な政権が登場したものだ。