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韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は、訪日中の11月5日に発表した徴用工賠償問題解決私案について、韓国国会で成立させるべく準備を進めていることが分った。

 

文議長の発言によれば、日韓の企業と民間の寄付金で賠償金を払おうというもの。強制でなく寄付金である。この結果、日本の主張である「1965年の日韓基本条約で解決済み」という原則に抵触しないと指摘している。この私案について、日本側では表向き「問題にならない」と否定しているが、文国会議長が訪日中に非公式に面会した日本の有力者の感触は悪くなかったという。これに力を得たのか、韓国の関係者と打合せを行なっている。年内に国会へ提案するという。

 

文議長は今月3~6日、東京に滞在して日本政界・学界・マスコミ界の要人10人余りと接触して自身の提案に対する意見を聴取したという。「安倍晋三首相には会わなかっただけで、会える人には皆会った」としているほど。文議長は、自身の提案に対する日本政界の人々の反応として「(非公式的には)なかなか良い程度ではなく、『Not bad(悪くない)』という表現をした」とし「(この表現から)もう一歩出ると少しおかしくなる」と話した。日韓議員連盟の河村建夫幹事長は「構想の方向は間違っていない。日本企業が基金の財源になる寄付をしたとしても、自由意志に従ったもの」という立場を明らかにしたと文議長は話した。これは、『中央日報』(11月12日付)が報じたもの。

 

文議長は日本を訪問する前、与野党5党代表に自身の構想をあらかじめ説明したという。文議長は「(韓国内でも)被害者、青瓦台(チョンワデ、大統領府)、政府を網羅し、会わなかった関連者はいない」としながら「10月30日に開かれた2回目の政治協商会議で『日本に行ってこのようにしようと思う』と言った」と話した。文議長は被害当事者や関連団体が反発していることについては「被害者に個人的に会う代わりに(『1+1+α』案の立法のための)公聴会を開き、被害者代表の意見を聞く」と明らかにしていた。

 

『聯合ニュース』(11月20日付)は、「韓国国会議長、自身発案の徴用賠償問題解決策を年内発議へ」と題する記事を掲載した。

 

韓国の文喜相国会議長が強制徴用問題の解決策として日本側に提案した案を法案にまとめ、年内に発議する方針であることが20日、議長室関係者の話で分かった。同関係者によると、文議長は強制徴用の被害者支援に関連した現行法の改正案、または新法の制定の形で発議するための準備を進めている。被害者団体など関連団体の関係者とも面談し、最終的な意見調整をしているという。

 

(1)「同関係者は聯合ニュースの取材に対し、韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じる判決を出してから、日本政府が攻勢に出て、韓国政府が対応可能な部分が限定的になったとし、「文議長は、一部で反対があっても自身の政治的決断により解決しなければならないと考えているようだ」と述べた。文議長は早稲田大で5日に行った講演で、強制徴用問題の解決策として韓日の企業と国民から寄付を募って、被害者に支給する「1プラス1プラスアルファ」案を提案した」

 

文議長は、来春の総選挙に出馬せず引退の意向が伝えられている。それだけに、政治家として日韓最大の懸案事項解決を花道にしたいのであろう。文大統領とは刎頸の友であるから、両氏は内々で話をつけていると見られる。韓国側が、徴用工問題で苦境に立っているので、これを助けるという意図も明確である。

 

(2)「旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の韓日合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」の残りの財源60億ウォン(約5億6000万円)も支払いに当てるとし、「このような基金を運用する財団に韓国政府が拠出できる根拠となる条項を作らなければならない」と説明した」

 

日韓慰安婦合意で、日本が寄付した10億円の残りが約5億6000万円ある。これを、新たに作る財団へ寄付可能にする手続きを行なうという。これは、徴用工賠償資金に対して、韓国政府が新たな寄付の道を開く方法にも思える。