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中国にとって、香港を巡る不都合なことが連続して起こっている。米下院本会議は11月20日、香港人権法案(「香港人権・民主主義法案」)を圧倒的多数で可決した。同法案は19日に上院が全会一致で可決していた。トランプ大統領は同法案に署名する見通しとされている。

 

成立すれば、報復を明言している中国と真っ向から衝突することになり、第1段階の米中貿易合意が危うくなる可能性がある。香港政府は21日、同法案通過を受けて声明を発表。「香港の内政に干渉するだけでなく、暴力的な抗議活動家らに誤ったシグナルを送るものだ。香港情勢の沈静化に役立たない」と批判。法案に「強く反対する」と表明した。

 

中国は、例によって脅迫している。だが、米国は脅迫で屈服する国ではない。ましてや今回成立した法律名は、「香港人権・民主主義法」である。中国が脅迫したから、大統領署名を取り止める訳でもない。中国は、「無駄な抵抗」に終わるだろう。下院の採決は賛成417、反対1。同法案は早ければ21日にトランプ大統領の元に届く見込みと伝えられる。

 

『ブルームバーグ』(11月21日付)は、「米下院、香港人権法案を可決ートランプ大統領は署名の見通し」と題する記事を掲載した。

 

(1)「ペロシ下院議長は本会議場で、「米国が自由を愛する香港の人たちと連帯し、自由を求める香港市民の闘いを全面的に支持するとの明白なメッセージを議会から世界に送る」とし、「これはわれわれが一つになる問題だ」と語った。同法案は香港に高度の自治を認めた「一国二制度」が守られているかどうか毎年の検証を義務付けるほか、香港の「基本的自由・自治」が損なわれた場合にその責任を負う当局者に制裁を科す内容。米国は一国二制度を前提に、関税などで中国本土よりも香港を優遇している」

 

下線を引いたように、香港の「基本的自由・自治」が損なわれた場合にその責任を負う当局者に制裁を科す内容である。現在、香港の学生デモによって混乱しているが、警察当局の不法な鎮圧方法などが明るみになろう。

 

一方で、中国秘密警察が元英国香港領事館員を拘束して拷問を加えていたことが表面化してきた。まさに、今回成立した「香港人権法」違反そのものだ。事件は、法律施行前の事件であるから、「香港人権法」には抵触しないが、中国秘密警察が公然と香港まで出没していることは、「一国二制度」に違反することは明らかだ。

 

『BBCニュース』(11月20日付)は、「中国で拷問された、一時拘束された香港の元英領事館職員が証言」と題する記事を掲載した。

 

(1)「香港のイギリス領事館の元職員が、香港で政治不安をあおったとされ、中国で拷問されたとBBCに語った。香港市民のサイモン・チェン氏(29)は、英政府職員として2年近く勤務した。今年8月に中国本土に旅行した際、15日間拘束された。「手足を束縛され、目隠しをされ、頭に覆いをかぶせられた」とチェン氏は言う。チェン氏は、殴打され自白を強要されたと主張している。英政府関係者は、その主張は信用できると話す」

 

この記事を読むと、中国の秘密警察が香港で逮捕したデモ参加の学生たちを中国本土に送って拷問をかけて取り調べていることが分る。この違法行為が、堂々と行なわれている。今回成立した「人権法」の適応は十分可能である。秘密警察が、どのような人権を無視した取り調べをしているか、その実態が始めて明らかになった。

 

(2)「中国国営メディアはこれまで、チェン氏は売春婦を求めたため拘束されたと暗に伝えている。チェン氏の主張は、その説明と異なる。そして、中国とイギリスの両政府に疑問を突きつけるものとなっている。チェン氏の主張は、中国で拘束されていた香港市民を他にも見たというものも含め、香港の自由が中国の支配によって侵食されているとする、抗議者たちの懸念を強めるものだ。自分を拘束した相手についてチェン氏は、「シークレット・サービスの職員だと名乗り、人権などないと言った」と話す。「それから、私を拷問し始めた」」

これが、共産主義の実態だ。口先では甘いことを言って言い寄り、こういう無慈悲なことを平気で行なう狂気の集団である。

(3)「チェン氏は、手錠をかけられた状態で鎖につながれた状況を、両手を頭上で広げながら説明する。尋問は、チェン氏と抗議行動との関係に集中した。英政府の代理として、政情不安を生み出したことを自白する狙いがあったと、チェン氏は言う。「彼らは、香港の抗議行動でイギリスがどんな役割を果たしているのかを知りたがっていた。どんな支援や資金、物資をデモ参加者に供給しているのかと聞いてきた」。チェン氏は、負荷のかかる姿勢(壁を背にしゃがむなど)を何時間も続けて取らされ、動くと叩かれたという。「骨に近い足首(中略)や、他の弱い部位を殴打された」。

 

野蛮人集団が、共産主義の実態である。

 

(4)「睡眠も奪われたという。尋問者はチェン氏に中国国家を無理やり歌わせ、眠らないようにしたという。チェン氏はまた、そうした扱い受けていた香港市民は、彼だけではなかったと思っている。「多くの香港市民が逮捕され尋問を受けていたのを見た。誰かが広東語で『両手を上げろ。デモでは旗を上げていたんだろう?』と言うのを聞いた」。香港のデモ参加者たちの1000枚以上の写真を見せられ、知っている人の名前と政治傾向を書き出すよう指示されたという。「秘密警察ははっきりと、香港のデモ参加者たちが次々と捕まり、中国本土に運び込まれて拘束されていると言っていた

香港デモの参加者が、中国本土へ運び込まれて拷問されている。

 

(5)「チェン氏はいすに縛られ、髪の毛をつかまれた状態で、携帯電話を顔認証によって起動させられそうになったという。彼らはそれに成功すると、抗議行動についての詳細情報を記した、英領事館に送ったメールを印刷した」

 

くれぐれも、日本人で中国批判したことのある人は、中国でも香港でも旅行したら危険である。秘密警察に拷問される。危うき国に近寄ってはいけない。