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文政権の国際感覚は、ゼロであることを証明しようとしている。きょう22日で、GSOMIA(日韓軍事情報包括的保護協定)は破棄される。理由は、「日本が悪いから」だ。反日が理由であることは、来年の総選挙を意識した決定を意味している。文政権の「中核的支持層」が、GSOMIA破棄で固まっているので、これを覆すことができないという自縄自縛に陥っている。

 

以上に掲げた経緯から分るのは、文政権が国益を考える前に党利党略である総選挙だけが念頭にあることだ。米国は、国務省や国防総省、議会まであげてGSOMIA継続に動いている。米中冷戦の中で、日米韓三ヶ国の安全保障体制が弱体化する要因を韓国によってつくり出すのは容認しがたいことなのだ。韓国政府は、総選挙で敗北しまいという目先の利益で目が眩んでいる。

 

『朝鮮日報』(11月22日付)は、「きょうGSOMIA運命の日、 韓国政府『日本の態度に変化ない限り終了』」と題する記事を掲載した。

 

青瓦台は韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了(23日午前0時)が迫った21日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、GSOMIA終了決定を覆すのは難しいとの方向で意見をまとめたことが分かった。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官も同日午後、国会の外交統一委員会全体会議で、「日本の態度に変化がない限りGSOMIAはあす終了する」と述べた。日本政府は輸出制限措置の撤回は難しいという見解を見せており、大詰めに劇的な変数がない限り、青瓦台はGSOMIA終了という決定を下すと言われている。

 

(1)「青瓦台と政府はGSOMIAを予定通り終了させ、今後は日本の態度の変化に応じて協定を再び結ぶ案を好んでいることが分かった。外交消息筋は「米国の反発も問題だが、日本の態度の変化なしにむやみに決定を覆せば、中核的な支持層の反発が起こることの方を青瓦台は懸念している」と語った」

 

下線を引いた部分に、韓国政府の本音が出ている。ここで、韓国がGSOMIA破棄を覆して継続させれば、支持団体の離反を起こすことを懸念にしている。ここには、国益も国際情勢の変化という認識もゼロである。哀しいまでの視野狭窄症に陥っている。

 

「チョ・グク法相」問題も同じ理由で強行した。その挙げ句が、チョ氏は30日で辞任する羽目に陥った。文政権は、支持率が高ければ盲目的にそれを頼りにして意思決定する「ロボット政権」と言えよう。

 

(2)「韓国政府は同日も日本と水面下で大詰めの話し合いをした。韓国政府の「先に経済報復措置を撤回せよ」という要求に、日本は「先に強制徴用被害補償問題を解決せよ」と対抗したという。日本の河野太郎防衛相はこの日、「北朝鮮情勢に関しては、日米、日米韓がしっかり連携することができるよう韓国に『賢明な対応』を求めている」と述べた。これは、輸出規制措置の撤回はなく、韓国が自分の判断でGSOMIA破棄を覆せということだ」

 

韓国は、怒りにまかせてGSOMIAの破棄を決定した。その政策決定が間違っていたのである。自分の蒔いた種は自分で刈り取るほかないわけで、日本を悪者にして責任をなすりつけるという「小児的」振る舞いが見苦しい。

 

(3)「青瓦台の姜ギ正(カン・ギジョン)政務首席秘書官は同日、青瓦台前の噴水広場でハンストをしている野党・自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)代表のところを訪れ、「我々の外交部ラインが最後まで日本と対話している」と言いながらも、「安倍政権は自分たちの過ちを全く話さず、(韓国は)完全に白旗を上げろとでもいうように、この機会に屈服させるという態度なので、進展が本当にうまくいっていない」と語った」

 

今回のGSOMIA問題の根源は、大法院の徴用工賠償判決にある。韓国が国際的な「司法自制論」とは異なる判決によって、日韓基本条約を骨抜きにした結果だ。文政権に国際司法の認識があれば、韓国の国内問題として処理したはずである。反日政権の文氏は、これを利用して日本を揺さぶる意図であったのであろう。この邪悪さが、GSOMIA破棄という形で、韓国に舞戻ったとしか言いようがない。