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日本の「嫌韓派」の言い分を聞いていると、韓国人はウソを平気で言うとしている。今回のケースは、まさにこれに該当するようだ。

 

韓国が、GSOMIA(日韓軍事情報包括的保護協定)の破棄を「一時停止」したのは、日本から融和条件を出してきた見返りとされる。韓国側の言い分では、日本が「一ヶ月程度で半導体3素材の輸出手続き規制を撤廃するから」と申入れてきたとしている。だから、GSOMIA「一時停止」をしてやった、言わんばかりの対応である。

 

ここで思い出すのは、昨年12月の海上自衛隊哨戒機の一件である。日本側の発表を逆手にとって、事実をねじ曲げてしまうやり口に日本側は唖然とした。これが、「韓国の二枚舌話法」か、と得心したのだ。ともかく凄かった。次々にウソを重ねて強弁する。正常な人間のやり方とは思われない手口である。

 

日本海で韓国艦艇が、停泊している。これを発見した海上自衛隊哨戒機が、何だろうと高度を下げたら、「韓国艦艇に急降下して圧迫を加えた」と、日本側を強く非難。謝罪せよと暴力団並の言動をしてきた一件である。

 

最初に海上自衛隊哨戒機が、韓国艦艇からレーザー照射を受けたので、無線で問い合せを3度しても応答せず。韓国艦艇は、友軍機から問合せがあっても答えなかった理由は、「英語が下手で理解できなかった」と侮辱した。このやり取りだけで、日本人は「韓国人の本性を見た」と激怒した。今回の半導体3素材を巡る「やり取り」は、全く同じパターンである。日本政府は、前回の一件で懲りているから深追いせず、沈黙を選んでいる。

 

『毎日新聞 電子版』(11月30日付)は、「輸出規制強化巡り日韓食い違い、背景に韓国二枚舌対応?」と題する記事を掲載した。

 

日韓両国が日本の対韓輸出規制強化措置を巡って政策対話を行うことになったが、その位置づけを巡って日韓で大きな食い違いが表明化している。日韓両政府が同時発表したが、韓国側は日本の発表内容について「歪曲されているとして抗議し、日本が謝罪した」と公表。これを日本側が否定する事態となった。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効回避で安堵した日本政府は冷や水を浴びせられた形だが、「韓国側の発信について一つ一つコメントすることは生産的ではない」(菅義偉官房長官)と反応は抑え気味だ。背景には、繰り返される韓国の「二枚舌」対応があるようだ。

 

(1)「(発表した)骨子は、韓国政府と事前にすり合わせたものです」。経済産業省は24日夜、公式ツイッターにこう投稿し、韓国側の発表を否定。菅氏も25日の記者会見で「政府として謝罪した事実はない」と述べたが、それ以上のコメントは控え、非難の応酬にはなっていない」

 

友好国間で、「謝罪しろ」と要求すること自体、異常である。韓国は、日常茶飯事で日本へ要求してくる。日本はよく我慢していると思う。不条理、この上ない話である。

 

(2)「韓国がGSOMIAの破棄通告について効力停止を発表した22日。韓国は世界貿易機関(WTO)の提訴手続きの停止も表明し、経済産業省の飯田陽一貿易管理部長は記者会見で、日韓当局間の局長級政策対話に向け、課長級の準備会合を開く方針を示した。GSOMIAとの関係は否定しつつ、対韓輸出規制強化措置について「厳格な審査を行っており、今後も個別審査を通じて許可を行う方針に変更はない」と強調。韓国側が輸出管理の問題点について「改善する前向きな意欲を示していると受け取っている」とも語った」

 

この発表から受ける印象は、韓国がこれまでの要求を取り下げて、日本の要求に沿って事態の改善に取り組むイメージである。韓国は、次のパラグラフのように、この日本側の発表はけしからんと日本へ抗議した。日本が、これに応じて謝罪してきたと発表した。

 

(3)「韓国がGSOMIAに加え、輸出管理の問題でも譲歩したともとれる内容に、韓国側は猛反発した。24日に「深い遺憾」を表明。外交ルートで行った抗議に「日本側が理解を示し、謝罪した」とした。しかし、日本政府関係者は「日本は折れていない」と口をそろえ、「(韓国側と)意思疎通をしてきた」と話す。梶山弘志経産相も政策対話への影響を記者団に問われ、「ないと思っている」と答えた。実際、梶山氏はその後の29日の記者会見で「1216日の週に東京で輸出管理政策対話を開催することで合意した」と発表し、日韓で協議が進んでいることをうかがわせた」

 

韓国は、国内で日本に弱腰であるという批判を極端に嫌っている。反日が、政権浮揚に欠かせない要因であるからだ。よって、韓国政府が日本に頭を下げる事態は、100%避けなければならない国内事情を抱えている。それにしても、自国の国内事情で日本まで巻き込んで騒ぎ回ることに、何とも言えない違和感を覚えるのだ。

 

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(4)「韓国はなぜ、日本を攻撃するような発表を行ったのか。韓国はGSOMIA継続の条件として、日本の輸出規制強化措置の撤回を主張。世論調査でも、韓国政府のGSOMIA破棄決定を評価する回答は51%に達し、評価しないと答えた29%を大きく上回っていた。この国内世論を納得させるためには、「輸出規制強化措置について日本に譲歩を引き出すために暫定的にGSOMIAを継続する」という理屈が必要だったとみられる。日本側も、韓国側の発表は「国内向け」であり、「騒がず、冷静に受け止めた方がよい」と判断したもようだ」

 

韓国は、政権支持率の世論調査が毎週、行なわれている国である。こういう国も珍しい。大衆迎合主義になる装置ができているのだ。文政権は、風見鶏のように国内へ最大限の注意を払わざるを得ない仕組みだ。腰を落ち着けて、じっくりと政策に取り組むゆとりは生まれない。

 

(5)「韓国が対外向けと国内向けで態度を変えたとみられるのは、今回が初めてではない。例えば7月。輸出規制強化措置を巡る日韓事務レベル会合で、韓国側は「日本側の措置に遺憾の意を表明し、撤回を要請した」と発表。日本側が「韓国側から撤回要請はなかった」と否定した経緯がある。政府関係者はこの時を振り返り、「しゃあしゃあとウソをつかれた」と嘆いた

 

韓国が、ウソをついて責任を日本に被せる意図は、「責任回避」である。これは、弱い人間のよくやることだ。責任回避は、「事大主義」に通じている。強い側に付き従って、自己を大きく見せる心理であろう。朝鮮民族は、歴史的に中国から虐められてきた。それ故、こういう責任を取らず威張り散らすことが、習性となったのであろう。気の毒な歴史である。