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テレビ朝日で毎月一度、朝まで徹夜で時事問題を討論する番組がある。11月29日も放映された。最後に、聴取者のアンケートで「アベノミクスの恩恵を受けていない」という数字が多かった。何を以て「恩恵」と判断するか不明だが、10月よりも減ったという。

 

日本人には不満の日本でも、中国人旅行者には「天国」と映る。なにが、それほど魅力に映るのか、日本人の「不満組」に参考にして貰いたいような結果が出ている。

 

『サーチナ』(11月30日付)は、「訪日した中国人が経験する『心の変化』『日本で暮らしたくなってしまう』」と題する記事を掲載した。

 

中国では過去に起きた出来事を理由に、日本や日本人に対して否定的な感情を抱いている人が少なからず存在している。一方、日本を訪れる観光客は近年増加を続けており、訪日した中国人の多くが「日本で暮らしたくなる」という「心の変化」を経験するという。

 

(1)「中国メディア『今日頭条』(11月27日付)は、日本を訪れた中国人が日本で生活したくなる理由を分析する記事を掲載した。記事はまず、日本を訪れたことのない中国人の多くは日本や日本人に対して好感を持ってはいないとしながらも、「実際に日本を訪れると、その考えは大きく変化する」と紹介。そして、日本で暮らすことを決めた中国人は実際に増加していて、在留中国人の数は年々増加していると指摘した」

 

中国の反日教育で洗脳された中国人は、日本への根強い反感を持っている。だが、そういう人々でも、日本へ一歩足を踏み入れると、それまでの反日精神が消えてしまうというのだ。確かに、空気はきれいで街は静か。騒音に囲まれた中国の生活から見れば天国のはずだ。10年前、私が上海へ行ったとき、空港で最初に襲われたのは「腐ったような臭い」であった。その中国から日本へ来れば、「天国」に映って当然だろう。

 

(2)「日本には中国人を魅了する要因がどこにあるのだろうかと疑問を提起し、まずは「金銭的な利点」を紹介した。ビジネスパーソンの平均的な月収は中国より多く、贅沢をしなければ多くの貯金が出来ると主張。また、収入が低ければ住民税や所得税などの税金が軽減または免除されたりする制度があったり、健康保険に加入すれば、病気の治療や薬に掛かる費用を心配する必要はないと論じた」

 

中国の税制は複雑で、相当の高税率になっている。中小の自営業者では、この高い税率と公務員の賄賂請求に根を上げて、欧州へ移住する人が増えている。中国では、日本のような完備した健康保険制度があるわけでなく、全国一律の治療を受けられないのだ。

 

(3)「続けて、「生活環境」も非常に良いと紹介。日本では水道水を直接飲用水として使用することが出来ることや、安心して食べられる食品が販売されていること、さらに空気の汚染を心配しないで生活できると伝えた。他にも、「公共の交通機関が便利である」ことや、「社会の秩序が保たれている」こと、さらに「街が清潔に保たれている」ことが多くの中国人を魅了し、「日本で暮らしたくなる」のだと論じた」

 

中国では、ホテルでも水道水を飲めない。私は歯を磨いただけでお腹が痛くなり、慌てて持参の胃腸薬を飲み、事なきを得た。インフラ投資と言っても、鉄道や道路には金をかけているが、ほかは手抜きのまま。鉄道や道路のインフラ投資は、GDP押し上げ目的と国内で騒乱事件発生の際、迅速に治安出動できる体制整備目的である。

 

中国は、環境破壊によって急成長遂げた経済だ。ここに興味あるデータが提示されている。中国の実質経済成長率から、環境悪化や天然資源の減少分を差し引いた「新国富指標」(本当の豊かさ)によれば、驚くべき結果が出ている。

 

1990年代から2010年代半ばにかけて、中国は1人当たり国内総生産(GDP)が年平均10%近く伸びた。だが、新国富指標(本当の豊かさ)を測ると、年平均の伸び率はなんと2%と5分の1に縮むのだ。これは、九州大学の馬奈木俊介教授らが国連とつくった「新国富指標」に基づく。『日本経済新聞』(11月28日付)が報じた。

 

この実質的に低成長であった中国の人たちが、日本旅行して「日本へ永住したくなる」気持ちになるのは当然であろう。 

 

(4)「これに対して中国のネットユーザーからは、「こんな生活環境であれば誰が生活したいと思わないだろうか」、「日本が好きで何度も行ったことがある」といった意見が多く寄せられ、多くの人から支持されていた。日本に対しては良い面にばかり目が向きがちだが、実際に生活するとなると悪い面にも目を向ける必要があるだろう」

 

訪日旅行者が、こういう好イメージを持って帰国することは、日本にとって大変な財産である。日本の良い評判を伝えて貰えれば、また日本への旅行者が増えるという好循環を描く。